第一種と第二種の衛生管理者の違い。業種・科目数・難易度を比較して選び方を解説

第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)

第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の最大の違いは「対応できる業種の範囲」です。第一種はすべての業種の事業場に対応でき、第二種は有害業務と関わりの少ない業種に限定されます。どちらを取るべきかは、現在の勤務先の業種と将来のキャリアプランで決まります。

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第一種と第二種の違い一覧

項目 第一種衛生管理者 第二種衛生管理者
対応できる業種 すべての業種 有害業務を行わない業種のみ
試験科目 5科目(有害業務関係2科目を含む) 3科目
問題数 44問 30問
試験時間 3時間 3時間
近年の合格率の目安 40〜47%台 45〜55%台
受験資格 学歴×実務経験(同条件) 学歴×実務経験(同条件)
免許の有効期限 なし(更新不要) なし(更新不要)

出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会「衛生管理者試験受験案内書」

業種の違い。第一種が必要か、第二種でよいかは業種で決まる

労働安全衛生法施行令第4条は、衛生管理者の免許の種類と業種の対応を規定しています。第一種衛生管理者でなければならない主な業種は次のとおりです。

第一種が必要な業種(有害業務関係) 第二種でも対応できる主な業種
農林畜水産業 情報通信業
鉱業 金融・保険業
建設業 卸売業・小売業
製造業(物の加工業を含む) 不動産業
電気業・ガス業・熱供給業・水道業 サービス業の一部(ビルメンテナンスを除く)
運送業・自動車整備業 教育業(一部)
機械修理業 —
医療業・清掃業 —

出典:労働安全衛生法施行令 第4条(衛生管理者を選任すべき事業の業種の区分)

自分の職場が第一種が必要な業種に該当するかどうかは、上表を参考にしながら事業の主たる業種で判断します。判断に迷う場合は、最寄りの労働基準監督署に確認するのが確実です。

試験の難しさの違い。有害業務関係2科目が第一種を難しくしている

第一種と第二種の試験で異なるのは、有害業務に係る2科目(関係法令10問・関係労働衛生10問)の有無です。この2科目(合計20問)が加わることで、第一種の出題範囲が大幅に広がります。

有害業務関係の2科目では、次の5つの省令を横断した知識が問われます。

  • 有機溶剤中毒予防規則(有機則)
  • 特定化学物質障害予防規則(特化則)
  • 鉛中毒予防規則(鉛則)
  • 粉じん障害防止規則(粉じん則)
  • 石綿障害予防規則(石綿則)

各規則には選任義務・特殊健康診断の頻度・作業主任者の選任・局所排気装置の基準など、規則ごとに異なる内容が規定されており、これを整理して覚えることが第一種特有の難しさです。

第二種を取ってから第一種へのステップアップは可能か

可能です。第二種衛生管理者の免許を取得した後、第一種衛生管理者試験を受験する際には、次の3科目が免除されます。

  • 関係法令(有害業務以外)
  • 労働衛生(有害業務以外)
  • 労働生理

有害業務関係の2科目(有害業務法令・有害業務労働衛生)のみを受験すればよいため、試験の負担が大きく下がります。「まず第二種を取り、後で第一種にステップアップする」というルートをとる方も少なくありません。

どちらを選ぶべきか。迷ったときの判断基準

次の考え方で選ぶのが合理的です。

状況 おすすめ 理由
現在の職場が製造業・建設業・医療業などの有害業務関係 第一種 第二種では選任できない業種のため、取得しなければ意味がない
現在の職場は第二種でも対応できる業種で、転職の予定もない 第二種(まず) 早く合格できる。将来必要になれば第一種にステップアップできる
転職・異動でどの業種に就くか分からない 第一種 業種を選ばない点でキャリア上の汎用性が高い
今の職場では第二種でよいが、将来は製造業や医療業への転職を考えている 第一種 先に第一種を取っておくと、転職時に書類選考・面接で差がつきやすい

受験資格・手数料・免許の有効期限は同じ

受験資格(学歴×実務経験)・受験手数料(8,800円・令和5年1月以降)・免許の有効期限(無期限)は第一種・第二種ともに共通です。受験の申請先は、第一種・第二種とも安全衛生技術試験協会の各センターです。

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出典:
・労働安全衛生法施行令 第4条
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「衛生管理者試験受験案内書」(www.exam.or.jp)

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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