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安全弁の調整と吹出し試験は一級ボイラー技士の重要な実務知識です。試験では、安全弁の種類・動作原理・調整方法・試験手順・法令上の義務が出題されます。
安全弁の役割と法令
安全弁は、ボイラーの圧力が最高使用圧力を超えたときに自動的に蒸気を逃がし、破裂・爆発を防止する安全装置です。
ボイラー安全規則第18条は、ボイラー本体に安全弁を設けることを義務付けています。また、安全弁の吹出し圧力は最高使用圧力以下に設定しなければなりません(同規則)。
安全弁の種類
| 種類 | 構造 | 特徴 |
|---|---|---|
| 揚程式(全量式) | 弁体が弁座から大きく(弁座径の1/4以上)離れる | 吹出し容量が大きい。ボイラー本体用として一般的 |
| 揚程式(低揚程式) | 弁体の揚程が弁座径の1/15〜1/4未満 | 中程度の容量 |
| てこ式 | てこの原理でおもりが弁を押さえる | 設定が容易。振動で設定が変わりやすい |
| ばね式(揚程・全量) | ばねで弁体を押さえる | コンパクト・振動の影響を受けにくい。現在の主流 |
安全弁の動作原理(ばね式全量安全弁)
- 缶内圧力がばね力より小さい間は弁体がばねに押さえられて閉じている
- 圧力が上昇してばね力を超えると弁体が持ち上がり(吹出し)、蒸気が排出される
- 圧力が設定値より低下すると再び閉じる(吹止まり)
- 吹出し圧力(設定圧力)と吹止まり圧力の差を「ブローダウン」という
安全弁の調整方法
ばね式安全弁の吹出し圧力は、ばね力を調整することで変更します。調整は資格を持つ者が行い、手順は以下の通りです。
- ボイラーを通常運転状態にする
- 安全弁のキャップ(封印)を取り外す
- 調整ボルトを時計回りに締めると吹出し圧力が上昇、反時計回りに緩めると低下する
- 圧力計を確認しながら設定圧力まで調整
- 調整後は封印を施し、調整記録を残す
注意:安全弁の吹出し圧力は最高使用圧力以下に設定すること(ボイラー安全規則)。最高使用圧力を超えて設定することは違法です。
吹出し試験(手動試験・実吹き試験)
安全弁が正常に動作することを確認するための試験です。
手動試験(リフター試験)
安全弁上部のリフターを持ち上げて、手動で弁を開放させる試験です。最高使用圧力の75%以上の圧力下で実施します(それ以下の圧力では弁体を確実に持ち上げられない)。
実吹き試験(自動吹出し試験)
ボイラー圧力を実際に安全弁設定圧力まで上昇させ、自動的に吹出すことを確認します。新設時・安全弁交換時・修理後に実施します。
試験頻度
法令上の義務として、定期自主検査(年1回以上)の際に安全弁の機能確認が含まれます(ボイラー安全規則第32条)。日常点検では少なくとも1か月に1回、安全弁の手動試験を実施することが推奨されます。
安全弁の設置要件
- ボイラー本体(最高使用圧力に対応した圧力でセット)に1個以上設置
- 2個設置する場合は、1個は最高使用圧力以下、もう1個は最高使用圧力の1.03倍以下
- 貫流ボイラーでは安全弁の代わりに安全装置(過圧防止装置)を設ける場合もある(ボイラー安全規則準拠)
試験ポイント
- 全量式(揚程式)安全弁は弁体が弁座径の1/4以上持ち上がる
- 吹出し圧力は最高使用圧力以下に設定(法令上の義務)
- 手動試験は最高使用圧力の75%以上の圧力で実施
- ブローダウン=吹出し圧力と吹止まり圧力の差
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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