短期入所の定員の遵守。例外的な定員超過が認められる条件。

短期入所の定員の遵守。例外的な定員超過が認められる条件。 短期入所





短期入所の定員の遵守と例外。第124条の「やむを得ない事情」の取り扱い。

短期入所の定員の遵守と例外。第124条の「やむを得ない事情」の取り扱い。

短期入所の収支を試算できます。
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短期入所の定員は、省令171号 第124条により遵守が義務付けられています。利用定員・居室定員を超えてサービスを提供してはなりません。ただし、「災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合」は例外として定員を超えた受け入れが認められます。この記事では、定員遵守の義務・居室定員との関係・例外が認められる条件・定員超過した場合の取り扱いを整理します。

定員の遵守義務の根拠条文

省令171号 第124条は次のように定めています。

「指定短期入所事業者は、利用定員(第115条第2項の空床利用型施設にあっては居室定員)及び居室定員(以下この条において「利用定員等」という。)を超えて同時に指定短期入所の提供を行ってはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合はこの限りでない。」

遵守すべき定員は「利用定員」と「居室定員」の2種類あり、形態(単独型・空床利用型)によって遵守基準が異なります。

単独型・空床利用型別の遵守基準

形態 遵守すべき定員 根拠
単独型(単独型第1号・第2号) 利用定員(事業所全体の最大受け入れ人数)かつ居室定員(1室ごとの最大人数)の両方を遵守 省令171号 第124条・第117条第5項
空床利用型
(第115条第2項の施設)
居室定員のみ遵守(利用定員を別に設けていないため) 省令171号 第124条括弧書き

居室定員(1室4人以下)との関係

省令171号 第117条第5項は、単独型の短期入所居室について次の基準を定めています。

  • 定員は4人以下
  • 地階に設けないこと
  • 利用者1人当たりの床面積は8m²以上
  • 寝台またはこれに代わる設備
  • ブザーまたはこれに代わる設備

「1室4人以下」は居室定員の上限であり、利用定員はこの居室定員の合計で決まります。たとえば定員4人の居室が3室あれば、利用定員は最大12人です。

第124条の居室定員遵守は、この「1室4人以下」を同時に超えないことを意味します。夜間に複数の利用者が同じ部屋に滞在することも「同時に」の範囲に含まれますので、居室の割り当ては定員内に収める必要があります。

例外が認められる「やむを得ない事情」

第124条ただし書きは「災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合」に限って定員を超えた受け入れを認めています。具体的にどのような状況が該当するかを整理します。

災害の場合

地震・台風・洪水などの自然災害が発生した際に、避難者として短期入所施設を利用する必要が生じた場合が該当します。地域の避難所として短期入所施設が使われるケースや、自宅が被災した利用者を緊急に受け入れるケースが想定されます。

災害時の対応については、事前にBCP(業務継続計画)に定員を超えた受け入れ時の対応方針を盛り込んでおくことが重要です。

虐待の場合(緊急受入)

「虐待」が例として明示されている点が特徴的です。家族から虐待を受けている障害者を緊急に保護する目的で短期入所を利用する場合、定員に空きがない状況でも受け入れることが認められます。

虐待の緊急保護については、市町村の障害福祉担当窓口・要保護児童対策地域協議会・都道府県の相談窓口から緊急受け入れの依頼が来ることがあります。定員超過での受け入れを行った場合は、市町村・指定権者に速やかに報告することが求められます。

その他のやむを得ない事情

「その他のやむを得ない事情」は、条文上は具体例が示されておらず、指定権者の判断に委ねられます。一般的には、介護者(家族)の緊急入院・急逝などで利用者を緊急に保護する必要があるケースが想定されますが、「やむを得ない」かどうかの判断は慎重に行い、事前または事後速やかに指定権者に報告・相談することを推奨します。

定員超過減算について

定員を超えてサービスを提供した場合、障害福祉サービスの報酬告示では「定員超過利用減算」が定められており、定員超過が生じた日以降の報酬が一定割合減算されます。

ただし、第124条の「やむを得ない事情」による例外の場合は、指定権者への届け出・報告を行うことで減算が適用されない取り扱いとなる場合があります。緊急受け入れを行った際は必ず指定権者に連絡してください。

なお、当サイトの短期入所 開業収支シミュレーターは定員内の通常運営を前提とした試算ツールであり、定員超過減算は収支計算に反映していません。定員超過減算が発生する場合の収支は別途計算してください。

定員を増やす場合の変更届

運営開始後に利用定員を増やす(居室を増設する・別棟を追加するなど)場合は、指定権者への変更届が必要です。

定員変更は次の手順が必要です。

  1. 居室の増設・改修(設備基準を満たすこと:1人8m²以上・地階不可・ブザー設置等)
  2. 指定権者への変更届の提出(変更前に事前相談が必要な場合もある)
  3. 運営規程第3号(利用定員)の変更と届出
  4. 重要事項説明書の更新と利用者への周知

定員の変更は事業所の収益に直接影響します。収支試算を行う際は、以下のシミュレーターで変更後の定員・稼働率を入力して試算することができます。

定員割れが続く場合の対応

定員を上回ることだけでなく、定員を大幅に下回る状態(定員割れ)が続くことも収支に影響します。定員を大きく超えた設備投資をしているにもかかわらず稼働が低い場合は、固定費の回収が難しくなります。

短期入所の損益分岐点については、次の記事で整理しています。

短期入所の収支を試算できます。
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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第124条・第117条。当ページは法令の解説を目的としており、法的助言ではありません。定員超過減算の適用・やむを得ない事情の判断については指定権者(都道府県・市町村)にご確認ください。作成:2026年11月。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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