訪問看護計画書。作成義務と内容の充実ポイント。

訪問看護計画書は、利用者に提供する訪問看護の目標・内容・頻度を定める文書です。指定訪問看護の基準(平成11年厚生省令第80号 第19条)に基づき、看護師等が作成することが義務付けられています。医療保険・介護保険のどちらで提供する場合も作成が必要です。

この記事では、訪問看護計画書の作成義務の根拠・記載内容・医師の訪問看護指示書との関係・更新のタイミングを整理します。

訪問看護計画書の作成義務:省令80号 第19条

指定訪問看護事業所の看護師等は、利用者の心身の状況・希望および環境を踏まえて訪問看護計画書を作成しなければなりません(省令80号 第19条第1項)。

訪問看護計画書は、利用者の主治医が交付する訪問看護指示書(以下「指示書」)の内容に基づいて作成します。指示書には提供するケアの内容・注意事項等が記載されており、訪問看護計画書はその指示を具体化したものです。

介護保険の場合は居宅サービス計画(ケアプラン)とも整合させる必要があります。

訪問看護指示書との関係

訪問看護計画書を作成する前提として、主治医から訪問看護指示書を受け取ることが必要です。指示書には次の内容が記載されています。

項目 内容
指示期間 最長6か月(指示書の有効期間)
傷病名・主たる病状 訪問看護を必要とする疾患
留意事項・指示事項 提供すべきケアの内容・禁忌事項
点滴・処置の指示 医療行為が必要な場合の詳細指示

指示書の有効期間が切れる前に更新を依頼し、常に有効な指示書のもとで訪問看護を提供します。有効な指示書がない状態での訪問看護は請求できません。

訪問看護計画書の記載内容

記載項目 内容
利用者の状況 病名・病状、医療処置の内容、ADL(日常生活動作)の状況
看護の目標 長期目標(おおむね6か月)と短期目標(おおむね1〜3か月)
問題点・解決策 現在の健康上の課題と看護上の対応方針
訪問看護の内容 実施する処置・観察・指導の具体的な内容
訪問頻度・時間 週何回・1回あたりの訪問時間(介護保険の場合はケアプランと一致)
担当看護師 主担当・副担当の氏名
緊急時の連絡先・対応方針 病状悪化時の主治医への連絡方法

看護の目標は「〇〇が安定して維持できる」「〇〇ができるようになる」という具体的で評価可能な形で記載します。

利用者への説明と同意

訪問看護計画書の内容は、利用者または家族に説明し、同意を得ます(省令80号 第19条第3項)。説明と同意は計画書の交付前に行い、署名・捺印を記録として残します。計画書の写しを利用者に交付します(第19条第4項)。

訪問看護報告書との連動

訪問看護計画書と合わせて、訪問看護報告書の作成も義務付けられています(省令80号 第19条第1項)。訪問看護報告書は、提供したケアの内容・利用者の状態の変化・特記事項を記録するもので、月1回以上主治医に提出します。

計画書(目標・予定)と報告書(実績・変化)をセットで管理することで、看護の継続性と記録の整合性を保ちます。

計画書の更新タイミング

訪問看護計画書は、少なくとも訪問看護指示書の更新ごと(最長6か月ごと)に見直します。また次の場合は有効期間中でも随時更新します。

  • 利用者の病状が大きく変化した場合
  • 主治医から計画の変更指示があった場合
  • 介護保険のケアプランが変更された場合
  • 利用者または家族から変更の申し出があった場合
  • 入院から退院したとき(退院後の計画書を新たに作成)

計画書を更新した場合も、説明・同意・交付の手順を再度実施します。

医療保険での訪問看護に特有の記載

医療保険での訪問看護は、特別訪問看護指示書が交付された場合(月2回まで・急性増悪時等)に訪問回数の制限なく提供できます。この場合、計画書には特別指示書に基づく集中的な看護内容を記載します。

難病(厚生労働大臣が定める疾病等)の利用者は、医療保険での訪問看護が週4日以上提供でき、複数のステーションからの訪問も可能です。難病患者への計画書には疾患の特性に応じた観察・処置の内容を詳細に記載します。

記録の保存義務

訪問看護計画書・訪問看護報告書・訪問記録は、サービス提供終了の日から2年間保存しなければなりません(省令80号 第31条)。運営指導では、計画書と実際に提供したサービスの記録が照合されます。

まとめ

訪問看護計画書は、省令80号 第19条に基づき看護師等が作成する必須書類です。主治医の訪問看護指示書を前提に、利用者の状況・看護の目標・具体的な訪問内容を記載し、利用者の同意を得て交付・保存します。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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