就労移行支援の人員配置基準。常勤換算の計算方法。

就労移行支援の人員配置基準。常勤換算の計算方法。

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就労移行支援の事業所は、指定障害福祉サービスの基準省令(省令171号)で定められた人員を確保することが指定要件の一つです。配置が必要な職種は管理者・サービス管理責任者(サビ管)・職業指導員・生活支援員・就労支援員の5種類で、それぞれ配置要件が異なります。この記事では、就労移行支援の人員配置基準と常勤換算の計算方法を整理します。

就労移行支援で必要な5つの職種

就労移行支援事業所に配置が必要な職種は次の5種類です。

  • 管理者
  • サービス管理責任者(サビ管)
  • 職業指導員
  • 生活支援員
  • 就労支援員

管理者の配置要件

管理者は1名以上の配置が必要です。管理者は常勤・専従が原則ですが、事業所の管理に支障がない場合は他の職種(職業指導員・生活支援員等)との兼務が認められています。資格要件はありません。

サービス管理責任者(サビ管)の配置要件

サービス管理責任者(サビ管)は、利用者60人以下の場合に1名以上の配置が必要です。1名以上は常勤・専任であることが求められます。

就労移行支援のサビ管になるためには、就労支援・直接支援等の分野における実務経験(3〜5年以上)と、都道府県が実施するサービス管理責任者研修(基礎研修・実践研修)の修了が必要です。研修の受講資格と修了までに一定の期間がかかるため、開業前から計画的に確保する必要があります。

職業指導員・生活支援員の配置要件

職業指導員と生活支援員は、省令で定められた員数(常勤換算)を確保する必要があります。就労移行支援では、職業指導員と生活支援員の合計が常勤換算で利用者数÷6以上(省令171号第175条第1項第1号イ)、かつ各1名以上の配置が求められます。職業指導員と生活支援員は別々の職種ですが、常勤換算で合算して基準を満たすことができます。

また、職業指導員・生活支援員の合計のうち、1名以上は常勤での配置が必要です。非常勤職員のみで構成することはできません。

職業指導員

職業指導員は、就労に必要な知識・能力を向上させるための訓練(職業訓練・作業訓練等)を担当します。資格要件はありませんが、職業経験や就労支援の知識がある人材が配置されることが一般的です。

生活支援員

生活支援員は、利用者の生活面の支援(日常生活の課題への対応・健康管理等)を担当します。資格要件はありませんが、障害福祉サービスの経験者が配置されることが多くなります。

就労支援員の配置要件

就労支援員は、求職活動の支援・実習先の確保・就職後のフォロー等を担当する職種です。常勤換算で利用者数÷15以上の配置が必要です(省令171号第175条第1項第2号)。就労支援員の配置は就労移行支援固有の要件で、就労継続支援A型・B型には就労支援員の配置義務はありません。

常勤換算の計算方法

職業指導員・生活支援員の員数は「常勤換算」で計算します。常勤換算とは、複数の非常勤職員を合算して常勤1名分に換算する方法です。

計算式は次のとおりです。

常勤換算数 = 各職員の1週間の勤務時間 ÷ 事業所が定めた常勤職員の1週間の勤務時間

計算例

事業所の常勤職員の1週間の勤務時間を40時間とします。

  • 職業指導員A(常勤):週40時間 → 常勤換算1.0
  • 生活支援員B(非常勤):週20時間 → 常勤換算0.5
  • 生活支援員C(非常勤):週20時間 → 常勤換算0.5

合計の常勤換算数:1.0 + 0.5 + 0.5 = 2.0

「1名以上は常勤」の要件については、職員Aが常勤であるため満たしています。

常勤換算で満たせない要件:1名以上は常勤

「職業指導員・生活支援員のうち1名以上は常勤」という要件は、常勤換算では代替できません。実際に常勤で採用された職員が1名以上いることが必要です。

「非常勤職員が多く、合計の常勤換算数が基準を満たしているが常勤が1名もいない」という状態は要件不備になります。採用計画では常勤職員を最低1名確保することを優先してください。

人員不足時の減算

配置基準を下回った場合は、報酬の減算対象になります。職業指導員・生活支援員の配置が基準を下回った月は、翌月の報酬が減算されます(所定単位数の一定割合が控除されます)。減算は配置基準を満たすまで継続します。

急な退職・長期休暇等で人員が不足することがあります。採用計画は余裕をもって立て、代替要員(派遣職員の活用等)の確保方法を事前に決めておくことが重要です。

開業時の最低限の人員構成

定員が少ない(10〜20人規模)事業所の場合、開業時の最低限の人員構成は次のようになります。

  • 管理者兼職業指導員:1名(常勤)
  • サビ管:1名(常勤)
  • 生活支援員:1名以上(常勤または常勤換算で必要数)

管理者とサビ管の兼務が認められている場合は、管理者がサビ管を兼務し、残りを職業指導員・生活支援員で埋めるという構成も可能です。ただし、兼務の可否は指定権者の解釈によって異なる場合があるため、指定申請前に確認することをお勧めします。

人員コストを含めた就労移行支援の開業収支計画はこちらで試算できます。
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まとめ

就労移行支援の人員配置基準は、管理者1名以上・サビ管1名以上(常勤専任)・職業指導員と生活支援員の合計(常勤換算で利用者数÷6以上・各1名以上・うちいずれか1名は常勤)・就労支援員(常勤換算で利用者数÷15以上)です。常勤換算は「各職員の週勤務時間÷事業所の常勤週勤務時間」で計算しますが、「1名以上は常勤」の要件は換算では満たせません。人員不足は報酬減算につながるため、採用計画は余裕をもって立てることが重要です。


出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)。作成:2026年10月。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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