就労移行支援の就職活動と職場定着の支援研修、求人探しから定着訪問まで職員全員が手順を持つ。

就労移行支援の就職活動と職場定着の支援研修、求人探しから定着訪問まで職員全員が手順を持つ。 就労移行支援





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就労移行支援の使命は「一般就労への移行」です。しかし、その支援の手順は担当者任せになっていることが多く、「担当者が変わったら就職活動の進め方が変わった」「定着支援の連絡頻度が職員によって違う」という問題が起きやすいです。

就職活動と職場定着の支援研修は、就労移行支援の12研修テーマのうち、就労移行支援だけに存在する固有テーマです。研修を通じて、担当者が変わっても同じ手順で支援できる体制を作ることが目的です。この記事では、研修で確認すべき条文の根拠と、各フェーズの支援内容を整理します。

条文の根拠

条文 義務の内容 義務か努力義務か
第174条 就労移行支援の基本方針:一般就労を希望する者が一般就労に向けた訓練・就職活動の支援を受けられるよう提供する 基本方針
第181条 就労移行支援事業者は、利用者の求職活動を支援しなければならない 義務
第182条第1項 就職した利用者に対し、就職日から6か月を経過するまでの間、月1回以上の頻度で職場への訪問等を行わなければならない 義務
第182条第3項 都道府県知事に対し、毎年、利用者の就職状況(就職者数・就職先の種類等)を報告しなければならない 義務
第183条 ハローワーク・特別支援学校・障害者就業・生活支援センター等と連携し、利用者の求人開拓に努める 努力義務

就職活動支援のフェーズ別の研修内容

フェーズ1:就職先の方向性の確認(個別支援計画への記載)

就職活動の出発点は「どんな仕事・環境で働くか」を利用者本人と確認することです。一般就労を前提としつつ、次の事項を個別支援計画に記載します。

  • 希望する業種・職種・働く時間(フルタイム・パートタイム)
  • 障害者雇用枠を使うか、一般枠で応募するか
  • 通勤方法・通勤時間の許容範囲
  • 配慮が必要な事項(作業環境・業務の内容・休憩のタイミング等)

研修では「就職先の方向性を決める面談の手順」と「個別支援計画への記載方法」を職員間で統一します。

フェーズ2:求人探しと企業実習の調整

就職先を探す手段には次のものがあります。

  • ハローワークの障害者求人(ハローワークへの同行を含む)
  • 障害者就業・生活支援センターとの連携
  • 特例子会社・障害者雇用に積極的な企業への直接アプローチ
  • 企業実習(職場体験)を通じた就職への橋渡し

企業実習の受入先確保については第180条第1項に定めがあります。実習先の選定・実習計画の作成・実習中の訪問確認・実習後の評価の手順を職員間で統一することが研修の目的です。

フェーズ3:面接準備と就職活動の支援

求職活動の支援(第181条)は、次の内容を含みます。

  • 履歴書・職務経歴書の作成支援(障害者雇用の場合は障害の状況の記載も含む)
  • 面接練習(よく聞かれる質問・障害特性の説明・就労上の配慮事項の伝え方)
  • 面接への同行(必要な場合)
  • 採用結果の把握と次のアクションの確認

面接練習は担当者が一人で実施するのではなく、複数の職員が参加することで客観的なフィードバックを得やすくなります。研修ではロールプレイを使って「就職活動を支援する側の動き方」を実際に体験します。

フェーズ4:就職後の定着支援

就職日から6か月間、月1回以上の職場訪問または連絡が義務です(第182条第1項)。研修では次の事項を確認します。

確認事項 内容
訪問頻度と記録 月1回以上の訪問または連絡・実施日と内容を記録に残す
職場環境の確認 業務内容・勤務時間・職場の人間関係が事前説明と一致しているか
本人の状態の確認 通勤の疲弊度・体調の変化・仕事上の困りごとの有無
企業担当者との情報共有 職場での様子・配慮が実施されているか・企業側が困っていることはないか
就労定着支援との連携 就職後6か月以降に就労定着支援事業者(別サービス)に引き継ぐ場合の連絡調整

毎年の就職状況報告(第182条第3項)

就労移行支援事業者は毎年、都道府県に就職状況(就職者数・就職先の業種・雇用形態・障害者雇用枠の利用状況等)を報告する義務があります。報告の様式・提出時期は都道府県によって異なるため、指定権者の案内で確認します。

この報告データは就労移行支援の「就職移行率」として集計され、国の指定基準(就職移行率が一定以上あること)にも関係します。記録の積み上げが報告の根拠になるため、就職活動の記録・定着支援の記録を正確に残すことが重要です。

まとめ

就労移行支援の就職活動と職場定着の支援研修は、他の事業種にはない就労移行支援固有のテーマです。求職活動支援(第181条)と就職後定着支援(第182条第1項)は法令上の義務であり、担当者任せにせず全職員が手順を持つことが求められます。研修では、就職先方向性の確認・企業実習の調整・面接支援・定着訪問の各フェーズの動き方を共有し、毎年の就職状況報告(第182条第3項)の根拠となる記録体制も整えます。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第174条・第180条〜第183条。都道府県への就職状況報告の様式・提出時期は指定権者の案内を確認してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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