就労移行支援の面接練習指導研修、職員が面接コーチになるための準備と手順。

就労移行支援の面接練習指導研修、職員が面接コーチになるための準備と手順。 就労移行支援





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就労継続支援B型では面接練習を実施することはありません。就労移行支援では、求職活動の支援(第181条第1項)の一環として面接練習が重要な業務になります。しかし「どんな質問を出せばよいか」「フィードバックの仕方が分からない」という職員が新しく入ることがあります。

この記事では、就労移行支援の面接練習指導研修で職員全員が確認すべき手順と注意点を整理します。

面接練習の目的(第181条第1項)

第181条第1項は「指定就労移行支援事業者は、公共職業安定所での求職の登録その他の利用者が行う求職活動を支援しなければならない」と定めています。面接練習は「利用者が行う求職活動への支援」として義務の範囲に含まれます。

面接練習の目的は「本番の面接に受かること」ではなく、「利用者が面接場面で自分の言葉を話せるようになること」です。職員が面接官役として練習するとき、この目的を見失うと「合格しそうな答えを教え込む」方向に行きやすくなります。

面接練習の種類

練習の種類 目的 時期の目安
個人練習(1対1) 本人が自分の言葉で答えられるかを確認する。最初に行う練習 求職活動開始前
グループ練習(他の利用者も参加) 他者の前で話す緊張感に慣れる。他の利用者からのフィードバックを受ける 個人練習の後
本番想定練習 実際の面接を想定した形式(スーツ着用・入室から退室まで)で行う 面接の2〜3週間前

面接でよく出る質問と支援者が準備すべき対応

面接でよく出る質問のカテゴリーと、就労移行支援の利用者が回答で詰まりやすいポイントを確認します。

質問のカテゴリー 詰まりやすいポイント 支援者の対応方針
自己紹介・自己PR 「強みを教えてください」という抽象的な問いに答えられない 「就労移行支援でできるようになったこと」を具体的なエピソードとして言語化する練習を先に行う
志望動機 「なぜこの会社を選んだのか」が漠然としている 企業の求人票・ホームページの情報と本人の希望をすり合わせ、「自分の言葉」で志望動機を作る
障害・就労移行支援の利用について 「なぜ就労移行支援を利用しているのですか」と聞かれたときの答え方が準備できていない 「どこまで伝えるか」を本人が決めた上で、その範囲内での回答を一緒に作る。意思決定支援の一環
配慮事項・通院 「通院や体調面でお休みが多くなりませんか」に答えられない 「月に〇回通院があります。事前に分かりますので相談させていただきます」という表現例を練習する

フィードバックの出し方

面接練習後のフィードバックは、職員のやり方が揃っていないと利用者が混乱します。フィードバックの出し方を研修で統一します。

  • 良かった点を先に伝える:「声が聞こえやすかった」「答えを最後まで話せていた」など、具体的に伝える
  • 改善点は1〜2点に絞る:「もっと笑顔で」「声を大きく」「内容を変えて」を一度に言わない。次の練習で意識する1点を選ぶ
  • 答え方を押しつけない:「こう言えばいい」と教え込むのではなく、「どう答えたいか」を本人に考えさせる
  • 練習の結果を記録に残す:「自己PRは言えるようになった。志望動機が引き続き課題」など進捗を記録する

障害特性別の面接練習のポイント

障害特性によって、面接練習で重点的に準備する内容が変わります。

障害特性 面接練習で優先する内容
ASD(自閉スペクトラム症) 想定外の質問への対応(「少し考えさせてください」と言ってよいことを練習)・アイコンタクトの代替策
ADHD 面接当日のタイムスケジュールと持ち物リストの確認・答えが長くなりすぎないよう「結論→理由」の順で話す練習
精神障害(うつ・双極性障害等) 体調が悪い日の「面接直前の欠席連絡」の練習・再発・休職歴についての回答を本人の意向で決める
身体障害・難病 業務遂行への影響(できることとできないこと)を具体的に伝える練習・配慮事項の伝え方

研修で確認する3つのこと

  1. 面接練習の目的は「本番の答えを教え込む」ことではなく、「本人が自分の言葉で話せるようにする」ことを職員間で確認する
  2. フィードバックの出し方(良い点を先に・改善点は1点に絞る・押しつけない)を統一する
  3. 面接練習の進捗を支援記録に残す習慣を確認する:「○月○日・個人練習・自己PRは完成・志望動機が課題」という1行でよい

まとめ

就労移行支援の面接練習は、求職活動の支援(第181条第1項)として義務の範囲に含まれます。面接練習の目的は「本人が自分の言葉で答えられるようにすること」であり、答えを教え込む方向に行かないよう研修で確認します。フィードバックの出し方を職員間で統一し、練習の進捗を記録に残すことで、本番の面接に向けた準備を確実に積み上げていけます。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)第181条。面接での障害開示の範囲は本人が決めることです。具体的な対応は主治医・専門支援機関と連携して判断してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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