就労移行支援の研修記録の書き方、就職活動・実習記録と分けて整備する書類の全体像。

就労移行支援の研修記録の書き方、就職活動・実習記録と分けて整備する書類の全体像。 就労移行支援





就労移行支援の研修記録の書き方、就職活動・実習記録と分けて整備する書類の全体像。

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就労移行支援では、実施した研修・委員会・訓練の記録を残す義務があります。運営指導では「研修の記録があるか」「参加者全員の確認があるか」が確認されます。

就労移行支援の書類管理で混乱しやすい点は、研修記録と就職活動・実習の記録が同じ「利用者の記録」フォルダに混在してしまうことです。この記事では、就労移行支援の研修記録に必要な記載事項と、就職活動・実習記録との分け方を整理します。

研修記録に必要な記載事項

研修を実施した後、次の事項を記録に残します。

  • 実施日(年月日)・開始・終了時刻
  • 研修のテーマ(例:虐待防止・感染症対策)
  • 実施方法(集合研修・動画視聴・資料読み合わせ等)
  • 実施場所(または使用した媒体)
  • 参加した職員全員の氏名と受講確認のサイン(または押印)
  • 研修内容の要点(何を学んだか・何を確認したか)
  • 研修の担当者名

参加者全員の確認サインが記録の核心です。サインがなければ「全職員が受講した」とは証明できません。非常勤職員・兼務職員も含めて全員分の記録が必要です。

欠席者への周知も記録に残す

研修を欠席した職員については、後日の周知と確認を記録します。

  • 資料を配布して説明した場合:説明日・対象者・確認サインを記録する
  • 動画・資料を個別視聴した場合:視聴日・確認サインを記録する
  • 次回の研修での補講:補講実施日・参加確認を記録する

「配布だけして確認サインがない」状態は、周知の証明にはなりません。欠席者ごとに周知した日と確認方法を記録します。

就労移行支援固有の4種類の記録様式

就労移行支援では研修記録のほかに、次の4種類の様式を整備します。就労継続支援B型の「工賃確認記録」に相当するのが、就労移行支援では「就職活動・実習の記録」です。

様式の種類 主な記載事項 関係するテーマ
身体拘束の記録 実施した行為・日時・3要件(切迫性・非代替性・一時性)の充足・担当者名 身体拘束廃止
事故の記録 発生日時・場所・内容・初期対応・報告先(行政・家族)・再発防止策 事故・苦情への対応
苦情の記録 受付日・苦情の内容・申出者・対応した職員・対処方針・結果 事故・苦情への対応
就職活動・実習の記録 実習先の名称・期間・支援目標・実習中の様子・評価・就職活動の状況・次のステップ 就職活動と職場定着の支援

就職活動・実習の記録は、個別支援計画のモニタリング記録とは別に保管します。実習先企業ごとに記録を起こし、複数の実習を経た場合は時系列で並べておくと就職活動の経緯が把握しやすくなります。

委員会記録に必要な事項

虐待防止委員会・身体拘束廃止委員会・感染症対策委員会の開催記録には、次の事項を含めます。

  • 開催日時・場所
  • 出席者の氏名
  • 議事内容(何を議論したか)
  • 決定事項(何を改善するか)
  • 次回開催の予定
  • 委員会後の全職員への周知方法と確認記録

委員会の結果は全職員へ周知することが義務です。議事録の回覧サイン、全体ミーティングでの共有記録など、周知した証拠を残します。

訓練記録に必要な事項

避難訓練・BCP訓練・感染症対策訓練の記録には次を含めます。

  • 実施日時・場所・想定シナリオ(火災・地震等)
  • 参加者(職員・利用者・外出中の利用者の安否確認訓練を行った場合はその記録)
  • 避難完了時間・手順の確認
  • 発見した課題と改善策
  • 次回訓練への引き継ぎ事項

就労移行支援の訓練記録で特に意識すべき点は、「外出中の利用者の安否確認手順を訓練に含めた場合はその記録も残す」ことです。ハローワーク同行中・企業実習中の利用者への連絡確認を訓練として実施した場合、その結果を記録しておきます。

定着支援の記録(6か月間)

就職後6か月間の定着支援(月1回以上の訪問または連絡)は義務(第182条第1項)であり、実施記録が必要です。記録には次の事項を含めます。

  • 実施日・方法(訪問・電話・メール等)
  • 確認した内容(本人の体調・職場環境・配慮の実施状況等)
  • 企業担当者との情報共有内容(必要な場合)
  • 次回の連絡予定

6か月間の記録は、就労移行支援の就職実績報告(第182条第3項・毎年都道府県へ報告)の根拠資料にもなります。

新規採用時の研修記録は定期研修と分けて保管

虐待防止・身体拘束廃止の研修は定期研修とは別に新規採用時にも実施が必要です。職員ごとに採用日・研修実施日・テーマ・確認内容を記録しておきます。

記録の保存期間

研修・委員会・訓練・定着支援の記録の保存期間の目安は「完結の日から5年間」です(都道府県によって異なる場合あり)。管轄の指定権者の案内を確認します。

まとめ

就労移行支援の研修記録には実施日・テーマ・参加者全員の確認サイン・内容の要点が必要です。欠席者への周知も記録します。就労移行支援固有の4種類の様式(身体拘束・事故・苦情・就職活動と実習の記録)を整備し、委員会・訓練・定着支援の記録と合わせて管理することで運営指導に対応できる体制が整います。定着支援の6か月間の記録は毎年の就職状況報告の根拠にもなります。

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出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)・解釈通知(障発第1206001号)。記録の保存期間は指定権者の案内で確認してください。


この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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