この記事の最後で、私が作って販売している「計画づくりメモ」というツールを紹介します。宣伝を含みますので、先にお伝えしておきます。また、私は行政書士・中小企業診断士・税理士などの資格者ではありません。この記事は、補助金事務局が公開している公募要領(第8版)を読んで、確認できたことを整理したものです。申請の代行や、個別の申請へのアドバイスではありません。
小規模事業者持続化補助金の第20回公募について調べていると、日程は事務局のページ、対象者は公募要領の別のページ、書類は巻末の表と、情報があちこちに散らばっていて、全体の流れがつかみにくいと感じました。この記事は、その全体像を1枚にまとめた案内図です。
日付や金額、条件は、すべて公募要領(第20回・通常枠・第8版)から引いています。公募要領は更新されることがありますので、申請の前には、必ず事務局の最新版をご自身でご確認ください。
まず結論:おぼえておく日付は3つ
いちばん大事なのは、次の3つです。特に、2番目の「12月4日」は、最終締切の「12月15日」より前にあります。ここを見落とす方が多そうだと感じましたので、太字にしました。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2026年11月5日(木) | 申請の受付が始まる |
| 2026年12月4日(金) | 事業支援計画書(様式4)の発行依頼の受付締切(これ以降は、いかなる理由があっても依頼できない) |
| 2026年12月15日(火)17:00 | 申請の受付締切 |
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募要領(第8版)。予定は変更される場合があります。
事業支援計画書(様式4)というのは、地域の商工会・商工会議所が発行する書類です。これがないと、申請を完了できません。詳しくは、あとの章で説明します。
誰が対象になるのか
「小規模事業者」の基準は、従業員の数
対象は、日本国内の小規模事業者(個人事業主、または法人)です。「小規模」かどうかは、業種ごとに、常時使用する従業員の数で判断されます。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
出典:第20回公募要領(第8版)。会社役員、同居の親族従業員、2か月以内の期間を定めて使用される者などは、常時使用する従業員に含まれません。
対象にならない人・事業の例
公募要領には、対象にならない人や事業の例も書かれています。主なものを挙げます(すべてではありません)。
- 医師、歯科医師、助産師
- 医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、一般社団法人、公益社団法人、任意団体など
- 申請の時点で、まだ開業していない創業予定者(開業届の開業日が、申請日よりあとの場合も対象外)
- 国の他の制度(補助金、介護報酬、診療報酬など)で助成されているものと、同じような内容の事業(例:介護報酬が適用されるデイサービス、保険診療報酬が適用される整骨院のサービス)
- 過去に持続化補助金で採択されたのに、事業効果の報告書(様式第14)をまだ出していない事業者
該当するかどうか迷う場合は、自己判断せず、地域の商工会・商工会議所か、補助金事務局に確認してください。
いくらもらえるのか(そして「後払い」です)
基本の数字は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
| 補助上限 | 50万円 |
| インボイス特例 | 要件を満たすと、上限が50万円上乗せ |
| 賃金引上げ特例 | 要件を満たすと、上限が150万円上乗せ |
| 両方の特例を満たす場合 | 上限が200万円上乗せ |
出典:第20回公募要領(第8版)。特例の要件は複雑ですので、詳細は公募要領でご確認ください。
具体的な例で考えてみます。補助の対象になる経費が30万円なら、補助額は、その2/3の20万円です。経費が90万円の場合は、2/3で60万円になりますが、上限が50万円ですので、補助額は50万円までです(特例を使わない場合)。
ここで、いくつか大事な注意点があります。
- 補助金は「後払い」です。先に、自分で全額を支払います。補助金は、事業が終わって報告をしたあとに入ります。公募要領にも、自己負担が必要で、補助金は後払い、と書かれています。
- 特例を希望する場合は、要件を満たさないと、補助金がもらえません。特例を希望した場合、補助事業の終了時点で要件を満たしていないと、補助金は交付されません。両方の特例を希望した場合は、要件を1つでも満たさないと、特例の上乗せ部分だけでなく全体が交付対象外になる、と公募要領に書かれています。
何に使えるのか
補助の対象になる経費は、8つの区分
使えるお金は、次の8つの区分に限られます。これ以外の経費は、補助の対象外です。
| 区分 | どんなもの |
|---|---|
| 機械装置等費 | 補助事業に必要な機械装置等の購入 |
| 広報費 | パンフレット、ポスター、チラシ、インターネット広告、SNS広告などの作成・活用 |
| ウェブサイト関連費 | 販路開拓のためのウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用 |
| 展示会等出展費 | 展示会や商談会(オンラインを含む)への出展・参加 |
| 旅費 | 補助事業計画に基づく販路開拓などのための旅費 |
| 新商品開発費 | 新商品の試作品や包装パッケージの試作開発 |
| 借料 | 補助事業に直接必要な機器・設備のリース料・レンタル料 |
| 委託・外注費 | 上のどれにも当てはまらない、自分では困難な業務の委託・外注 |
出典:第20回公募要領(第8版)「補助対象経費」を、筆者が短く言い換えたもの。細かい条件は公募要領でご確認ください。
特に注意したいのが、次の2点です。
- 広報費のみ、ウェブサイト関連費のみでは、申請できません。それぞれ「のみによる申請はできません」とされていて、ほかの経費と一緒に申請する必要があります。
- ウェブサイト関連費は、補助金の交付申請額の上限が30万円(税込)です。
対象になるための3つの条件
補助の対象になる経費は、次の3つをすべて満たす必要があります。
- 使う目的が、この補助事業に必要なものだと、はっきり特定できること
- 交付決定日より後に発生し、補助事業の期間中に支払いが終わっていること
- 領収の書類などで、支払った金額が確認できること
2番目が、いちばん間違えやすい点です。「採択されたから」といって、交付決定の前に発注したり、支払ったりすると、その経費は対象外になります。
「これは対象外」の代表例
公募要領には、対象外になる経費も細かく書かれています。間違えやすいものを、いくつか挙げます。
- 補助金の応募書類や実績報告書などの、作成・送付・手続きにかかる費用
- コンサルティングやアドバイスの費用(インボイス制度への対応のための専門家への相談費用は除く)
- 成功報酬型の費用、売上高や契約数などに応じて課金される経費
- 1回の取引が10万円(税抜)を超える現金での支払い
- 講習会やセミナーの参加費、図書などの資料の購入費
- 役員報酬、直接人件費
お金の払い方にも決まりがあります。支払いは銀行振込が原則で、クレジットカードで払う場合は、申請する事業者の名義で、引き落としが補助事業の期間内に終わっている必要があります。代表者や従業員が、個人のカードで払った場合は「立替払い」となり、帳簿などで確認できないと対象外になります。
申請から入金までの流れ
全体の流れを、順番に並べました。時期は、公募要領に書かれているものです。
| 順番 | やること | 時期など |
|---|---|---|
| 1 | GビズIDプライムのアカウントを取得する | 数週間程度かかる。早めに |
| 2 | 経営計画・補助事業計画(様式2など)を考えて、電子申請システムに入力する | 受付期間内。入力の開始時期は事務局の案内で確認 |
| 3 | 地域の商工会・商工会議所に、事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する | 12月4日まで |
| 4 | 必要な書類をそろえて、電子申請で提出する | 12月15日17:00まで |
| 5 | 採択の発表 | 2027年3月頃(予定) |
| 6 | 経費の見積書などを提出する。事務局の審査を経て、交付決定 | 見積書等の提出期限は2028年2月29日。交付決定は、採択発表から概ね1〜2か月かかることがある |
| 7 | 補助事業を行う(交付決定日から開始できる) | 交付決定日から2028年3月31日まで |
| 8 | 実績報告書と経理の書類を提出する。補助金額が確定し、請求して、補助金が入る | 事業の終了後 |
| 9 | 事業効果報告書を提出する | 補助事業の終了後、1年後の状況について |
出典:第20回公募要領(第8版)。予定は、申請数などにより変更されることがあります。
ここで、申請が通ったあとの時間の長さにも注目してください。採択の発表は2027年3月頃の予定で、そこから交付決定までに1〜2か月かかることがあります。実際に補助事業を始められるのは、早くても2027年の春以降です。それまでは、補助対象の経費として、発注や支払いをしてはいけません。
事業支援計画書(様式4)とは何か
申請で、いちばん手間がかかるのが、この「事業支援計画書(様式4)」かもしれません。地域の商工会・商工会議所が発行する書類で、これがないと申請を完了できません。
公募要領には、この補助事業は、小規模事業者自身が、商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業である、と書かれています。そのため、次のことが決まっています。
- 社外の代理人だけで、商工会・商工会議所への相談や、様式4の発行依頼をすることはできません。
- 発行の際に、代表者に、計画の内容を直接確認される場合があります。
- 発行には時間がかかる場合があるので、十分な余裕をもって依頼するように、と書かれています。
- 締切(12月4日)を過ぎたら、いかなる理由があっても発行できません。申請の要件を満たしていないと判断された場合も、発行されません。
発行の手順は、地区によって少し違います。
| 地区 | 手順 |
|---|---|
| 商工会地区 | 申請システム内で、地域の商工会に発行を依頼する。商工会の窓口へ行って、面談を受けて発行してもらう。発行されると、申請システムに反映される |
| 商工会議所地区 | 地域の商工会議所に、発行を依頼する。発行された様式4のPDFファイルを、申請システムにアップロードする |
出典:第20回公募要領(第8版)。自分のお店が商工会と商工会議所のどちらの地区かは、地域の窓口でご確認ください。
申請に必要な書類
提出書類の詳細は、公募要領の「申請に必要な書類」の章にあります。ここでは、大まかな全体像だけを載せます。
- 電子申請システムに直接入力するもの:申請書(様式1)、経営計画兼補助事業計画①(様式2)、補助事業計画②(様式3)、補助金交付申請書(様式5)、宣誓・同意書(様式6)
- 事業支援計画書(様式4):地域の商工会・商工会議所が発行
- 決算などの書類:法人は、貸借対照表と損益計算書(直近1期分)。個人事業主は、直近の確定申告書。決算期をまだ迎えていない場合などは、別の書類になります
- 特例や加点を希望する場合:追加の書類が必要
添付するファイルには、決められたファイル名をつけて、所定の場所に登録する必要があります。ファイルの形式や名前が違うなど、事務局で内容が確認できない場合は、審査ができない、と公募要領に書かれています。また、マイナンバーが書類に載っている場合は、番号が見えないように黒く塗りつぶします。
締切から逆算した、準備スケジュール(目安)
ここまでの内容をふまえて、12月15日の締切から逆算した準備の目安を作りました。これは公募要領に書かれたものではなく、筆者が考えた目安です。日付は、ご自身の状況に合わせて調整してください。
| 時期(目安) | やること |
|---|---|
| 今すぐ〜10月上旬 | GビズIDプライムの取得を始める(数週間かかる)。すでに持っている場合は、登録情報が最新か確認する |
| 10月 | 手元の数字(売上、粗利、問い合わせの記録)を集める。やりたい取組の見積もりを取る。計画の中身(強み、お客様のニーズ、取組、効果)を、自分の言葉で書き出す。地域の商工会・商工会議所に、相談の予約を入れる |
| 11月5日 | 申請の受付開始 |
| 11月中 | 電子申請システムへの入力を進め、商工会・商工会議所に、様式4の発行を依頼する(発行に時間がかかる場合があるため、早めに) |
| 12月4日 | 様式4の発行依頼の受付締切(これを過ぎると申請できない) |
| 12月15日17:00 | 申請の受付締切 |
つまずきやすい点のまとめ
最後に、公募要領に書かれている、つまずきやすい点をまとめます。
- 交付決定の前に、発注や支払いをしない。経費は、交付決定日以降に発生したものだけが対象です。
- 事業者本人が、内容を検討する。事業者自らが検討しているような記載が見られない場合や、自らが検討していなかったことが発覚した場合は、評価に関わらず不採択・交付決定取消になる、と書かれています。
- 第三者の支援を受けたら、記載する。第三者の支援を(料金の支払いの有無を問わず)受けている場合は、電子申請の様式2の所定の項目に、相手方と金額を記載する必要があります。記載がないと、虚偽の報告として、不採択・交付決定取消になります。何が「第三者の支援」に当たるか迷う場合は、事務局や、商工会・商工会議所に確認してください。
- GビズIDのアカウントとパスワードを、他の人に教えない。第三者の支援者などに開示することは、GビズIDの利用規約に反する、と書かれています。
- 使った実績が必要。補助事業の期間中に、実際に使って、計画に書いた取組をした、という実績報告が必要です。たとえば、ホームページで受注システムを作っても、期間内に公開して使っていなければ、その経費は対象外になります。
- 不正は許されない。補助金の不正受給には、交付決定の取消・返還命令や、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金などがあると、公募要領に書かれています。
相談先
- 地域の商工会・商工会議所:様式4の発行元です。計画づくりの段階から、相談に乗ってもらえます。
- 補助金事務局:公募要領や申請システムの最新情報が載っています。https://official.jizokukanb.com/shinsei/
専門家に相談する場合も、同じ考え方です。公募要領には、第三者の支援を受ける場合は、提供するサービスの内容と離れた高額なアドバイス料金を請求する業者に注意するように、という注意書きがあります。費用と内容をよく確認してください。
計画づくりの整理には、私のツールもあります(宣伝です)
冒頭にも書いたとおり、私は「持続化補助金 計画づくりメモ」というツールを作って販売しています。審査の4つの観点に沿った質問に、自分の言葉で答えて、数字の整合を計算で確認し、AIに「まだ書かれていない点」を指摘してもらう、というものです。
申請書の文章を書くツールではありません。申請の代行や、提出もしません。採択を保証するものでもなく、補助金事務局や商工会議所とは関係のない、民間の個人が運営しています。無料で使える範囲もあります。
このツールを、実際に架空のお店で試した結果は、別の記事に書きました。
▶ 補助金の計画を、AIに書かせずに「穴探し」だけさせてみた話
補助対象になる経費・ならない経費は、別の記事「持続化補助金の対象経費は8区分。広報費・ウェブサイト関連費は単独申請できません」で整理しています。
まとめ
- おぼえる日付は3つ。11月5日(受付開始)、12月4日(様式4の発行依頼の締切)、12月15日17:00(申請の締切)
- 対象は小規模事業者で、基準は業種ごとの従業員数。補助率は2/3、上限は50万円(特例あり)
- 補助金は後払い。経費は、交付決定日より後に発生したものだけが対象
- 広報費のみ、ウェブサイト関連費のみでは申請できない
- 様式4は、商工会・商工会議所に、自分で依頼する。社外の代理人だけでは依頼できない
- 事業者自らが検討した内容であること。第三者の支援を受けたら、記載が必要
締切までは、まだ時間があるようで、意外とありません。GビズIDの取得と、商工会・商工会議所への相談は、早めに動いたほうが安心です。
この記事は、2026年9月時点で補助金事務局のサイトに掲載されていた第20回公募要領(第8版)をもとに書いています。公募要領は更新されることがありますので、申請の前には、必ず補助金事務局の最新の公募要領をご自身でご確認ください。


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