消防設備士 乙6 蓄圧式消火器の構造と内部点検が必要な理由

蓄圧式消火器の内部点検は、容器内部の腐食・消火薬剤の状態を確認する作業です。消防法施行規則第31条の3に基づき、製造年から5年以内(1回目)、その後は5年ごとに実施が必要です(加圧式の3年より長い)。蓄圧式は圧力計で内圧を確認できますが、内部の腐食は圧力計だけでは判断できないため定期的な内部点検が必要です。

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蓄圧式消火器の構造と内部点検が必要な理由

蓄圧式消火器は、消火薬剤と窒素ガス(N2)が常時同一容器に充填されています。圧力計(インジケーター)が付いており、使用可能な圧力範囲(緑色範囲)を外観から確認できます。

外観点検で圧力確認ができるため、加圧式より内部点検の頻度は低く設定されていますが、次の状態は圧力計だけでは確認できません。

  • 容器内部の腐食(特に底面・溶接部)
  • 消火薬剤の変質・固着
  • サイホン管・安全弁の詰まり
  • ガスケット・シール材の劣化

加圧式と蓄圧式の内部点検周期の違い

項目 加圧式消火器 蓄圧式消火器
1回目の内部点検 製造年から3年以内 製造年から5年以内
それ以降の周期 3年ごと 5年ごと
根拠条文 消防法施行規則第31条の3 消防法施行規則第31条の3
周期が異なる理由 圧力計がなく内圧確認不可 圧力計で日常の内圧確認が可能

蓄圧式消火器の内部点検の手順

蓄圧式消火器の内部点検は、容器内に圧力がかかっているため加圧式と手順が異なります。

順序 作業内容 注意点
1 外観確認・準備 腐食・変形・圧力計の指示位置(緑色内か)を確認
2 安全栓の取り外し 安全栓(封板)を外す
3 圧力放出(残圧抜き) レバーを操作して容器内の残圧を完全に抜く。圧力が残ったままキャップを開放すると危険
4 圧力計の取り外し 圧力計(バルブ付き)を取り外す。圧力計の目盛・針の固着がないか確認
5 本体キャップの取り外し 専用工具でキャップを開放する。ガスケットの状態(劣化・変形)を確認
6 消火薬剤の取り出し・確認 薬剤の変色・変質・固着を確認。塊は0.5mm目の網でふるい(粉末の場合)
7 容器内部の確認 腐食・変形・異物混入を懐中電灯で目視確認。底面の腐食は特に注意
8 各部品の確認 サイホン管・安全弁・指示圧力計の詰まり・変形
9 組み立て・窒素充填 薬剤を戻し、キャップ・圧力計を取り付け、窒素ガスを規定圧力まで充填する。充填後に圧力計の指示が緑色範囲内か確認

残圧抜きが特に重要な理由

蓄圧式消火器は、容器内に1.0〜1.2MPa程度の窒素ガスが常時充填されています。この圧力を抜かずにキャップを開放すると、キャップが飛び出す危険があります。手順3の「残圧抜き」は安全作業の基本であり、乙6試験でも出題されます。

窒素充填と圧力確認

内部点検後の組み立てでは、窒素ガスの充填が必要です。充填後の確認:

  • 圧力計の指示が緑色範囲(使用可能範囲)内にあること
  • 充填圧力:製品により異なるが、おおむね1.0MPa前後
  • 充填に使うガス:窒素(N2)のみ。酸素・空気(水分含む)は使用不可

まとめ

蓄圧式消火器の内部点検は製造年から5年以内(1回目)、以降5年ごとに実施します(消防法施行規則第31条の3)。加圧式(3年ごと)より周期が長いのは圧力計で日常確認できるためです。内部点検で特に重要な手順は残圧抜き(キャップ開放前に圧力を完全に抜く)で、省略すると飛び出し事故の危険があります。点検後は窒素ガスを規定圧力まで充填し、圧力計の指示が緑色範囲内にあることを確認します。

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