消防設備士 1類の難易度。甲1・乙1はどのくらい難しいか

消防設備士 1類の難易度。甲1・乙1はどのくらい難しいか 資格

消防設備士 第1類(屋内消火栓・スプリンクラー設備)の難易度は、甲種が合格率24%前後、乙種が31%前後です(令和6年度・消防試験研究センター公表)。消防設備士の中では中〜やや難しい部類で、計算問題の多さと甲種の製図が難しさの主な理由です。この記事では、合格率・他の類との比較・難しいと感じる科目の特徴を整理します。

問題をすぐに解いてみたい方はこちらをご利用ください。
▶ 消防設備士 第1類 問題集

合格率から見た第1類の難しさ

消防試験研究センターが公表している令和6年度の試験結果によると、第1類の合格率は次のとおりです。

区分 受験者数 合格者数 合格率
甲種第1類 12,086人 2,914人 24.1%
乙種第1類 2,161人 669人 31.0%

甲種は4人に1人、乙種は3人に1人が合格する水準です。消防設備士の試験の中では、合格率が高い区分(6類・4類)と比べると取りにくい試験と言えます。

合格率の推移と不合格になりやすい理由の詳細は、こちらの記事で確認できます。
→ 甲1・乙1の合格率は何%か。6年分の推移と、落ちる理由

甲1と乙1、どちらが難しいか

甲種と乙種では、試験の難易度にはっきりした差があります。主な違いは試験範囲と実技問題の有無です。

区分 構造機能整備の問題数 実技(製図) 合格率(R6)
甲種第1類 25問 あり(2問) 24.1%
乙種第1類 15問 なし 31.0%

甲種の構造機能整備は25問で、試験全体(筆記50問)の半分以上を占めます。さらに実技に鑑別5問のほかに製図2問があり、系統図を書く作業と計算が組み合わさります。乙種は実技が鑑別のみで、製図がない分の準備が不要です。

「どちらを受けるべきか」については、こちらの記事で受験資格・難易度・取得後の活用まで解説しています。
→ 甲1と乙1、どちらを受けるか。試験範囲・受験資格・難易度の違い

他の消防設備士の類と比べた難しさ

消防設備士は第1類から第7類まであります(甲種は1〜5類・特類、乙種は1〜7類)。受験者が多い類の合格率は、消防試験研究センターのWebサイトで公表されています。

第1類の特徴を他の類と比べると、次のような違いがあります。

乙種第6類(消火器)は受験者数が最も多い類です。試験範囲は消火器に限定されており、計算問題が少なく、消防設備士の中では入門として受けやすい試験と言われています。合格率は消防試験研究センターのWebサイトで各年度の数値を確認してください。

甲種第4類(自動火災報知設備)は受験者数が多く、電気系の計算が中心のため、電気工事士の試験経験がある方には取っつきやすい面があります。こちらも合格率は消防試験研究センターの年度別公表値を確認してください。

第1類は流体・水理の計算が出題され、これが他の類にはあまりない特徴です。機械・土木・建築の知識がある方には有利ですが、電気系の経験者や文系出身の方には基礎知識の勉強から始めることになります。

第2類(泡消火設備)・第3類(不活性ガス・ハロゲン・粉末消火設備)は受験者数が少なく、1類と試験範囲の性格は近い(液体・ガスを扱う設備)ですが、業務でその設備を扱う方が中心で受験者の属性が絞られます。

第1類が難しいと感じる3つの理由

計算問題が多い(基礎的知識・構造機能整備)

第1類の基礎的知識(10問)では、流体力学の計算が出題されます。ベルヌーイの定理・連続の式・流量計算・ポンプの揚程計算などが含まれ、電卓なしで手計算します。消防設備士の他の類(4類・6類など)ではここまで計算が多くないため、「第1類は計算が多い」という印象につながります。

また構造機能整備(甲種25問)でも、ヘッドの設置個数・水源水量の算定・ポンプ全揚程の計算が出題されます。計算問題の解き方は別の記事で詳しくまとめています。
→ 甲1の計算問題は3種類。ヘッド個数・水源水量・ポンプ全揚程の解き方

覚える数字が多い(設置基準・規格数値)

屋内消火栓・スプリンクラーの設置基準は、建物用途・延べ面積・階高など、細かい数値が多く出てきます。消防法施行令第11条(屋内消火栓)・第12条(スプリンクラー)・施行規則第12条〜第14条に規格値が定められており、これらの数字を区別して覚える必要があります。主な数字は別の記事でまとめています。
→ 消防設備士 1類で覚える数字のまとめ。法令・設置基準・規格を条文つきで

甲種の製図は計算と作図の両方を要求する

甲種の実技試験には製図2問があり、スプリンクラー設備や屋内消火栓設備の系統図を書いたり、配管経路の計算をしたりします。系統図を書く問題は、弁の位置・記号・ヘッドの設置ルールを正確に覚えていないと得点できません。乙種は製図がなく鑑別のみのため、甲種の実技は乙種より負担が大きくなります。

独学で受かる人の条件

乙種第1類は、独学で合格している受験者が多い試験です。市販のテキスト1冊と問題集1冊で80〜120時間の勉強時間を確保すれば、独学での合格を目指せます。

甲種第1類も独学合格者は多くいますが、計算問題と製図の対策に時間がかかります。独学で取り組む場合は、製図の解説が充実したテキストを選ぶことと、実際に手を動かして系統図を書く練習をすることが重要になります。

次のいずれかに当てはまる場合は独学が進めやすい傾向があります。理工系の学校・学科出身で流体計算に慣れている場合、建築・設備・消防設備の現場で働いていて設備を実際に見たことがある場合、他の消防設備士を取得済みで試験の形式・法令に慣れている場合です。

通信講座や予備校を選ぶ場合は、甲種の製図対策が含まれているかを確認することをおすすめします。製図は独学で解説を読むだけでは身につきにくい部分があり、添削や模範解答と比較しながら練習することが効果的です。

まとめ

消防設備士 第1類の難易度を整理します。合格率は甲種24%前後・乙種31%前後で、消防設備士の中では中〜やや難しい部類です。難しい理由は「計算問題の多さ」「設置基準の数字の多さ」「甲種の製図」の3点です。乙種は計算・製図の負担が少なく、独学で取り組みやすい試験です。甲種は試験範囲と実技の負担が大きく、特に製図対策を早めに始めることが合格のポイントになります。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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