外部サービス型グループホームとは。包括型との違いと収支の注意点。
外部サービス型グループホーム(共同生活援助)は、日常生活上の援助(食事・生活相談・余暇支援等)をGHが担い、入浴・排泄・食事介助などの介護サービスは外部の指定居宅介護事業者に委託する形態です(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。介護サービス包括型と比べて基本報酬の単位数が低い代わりに、生活支援員の配置義務がなく人件費を抑えられます。軽度(区分2〜3中心)の利用者を受け入れる場合に収支が組みやすい形態です。
すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 障害者グループホーム 開業向け収支シミュレーター
外部サービス型は、介護サービスを外部の事業者に委託する形態。
グループホーム(共同生活援助)の指定形態は3つあります(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4)。
| 形態 | 介護サービスの提供方法 |
|---|---|
| 介護サービス包括型 | GH自体が日常生活の援助と介護サービスをどちらも提供する |
| 外部サービス型 | 日常生活の援助はGHが行い、介護サービスは外部の指定居宅介護事業者が担当する |
| 日中サービス支援型 | GH自体が日常生活の援助と介護サービスを提供し、短期入所を併設する |
外部サービス型では、GHが提供するのは「日常生活上の援助」に限られます。具体的には食事の提供・生活相談・余暇活動の支援・健康管理・外出の支援等です。一方、入浴・排泄・食事の介助・移乗・医療ケアに関連する支援といった「介護サービス」は、GHとは別に指定を受けた居宅介護事業者(ヘルパー事業者等)がGHに出向いて提供します。
利用者にとっての違いは、介護を担当する職員が「GHのスタッフ」か「外部のヘルパー」かという点です。どちらの形態でも、利用者は同じグループホームに住んで同じ生活を送ります。
包括型との違いは、人員基準と報酬単位数の2点に集約される。
外部サービス型と介護サービス包括型の主な違いを整理します(出典:平成18年厚生労働省省令第213条の4・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」)。
| 比較項目 | 外部サービス型 | 介護サービス包括型 |
|---|---|---|
| 介護サービスの提供者 | 外部の指定居宅介護事業者 | GH自身の職員(生活支援員) |
| 生活支援員の配置義務 | なし(介護は委託のため) | あり(利用者の区分に応じた常勤換算) |
| 世話人の配置基準 | 利用者6人に対して1人以上(常勤換算) | 利用者6人に対して1人以上(常勤換算) |
| 基本報酬(単位数) | 包括型より低い(区分別・下記参照) | 外部サービス型より高い |
| 向いている利用者 | 軽度(区分2〜3)中心 | 幅広い区分(区分4〜6も対応しやすい) |
| 人件費の構造 | 世話人のみ雇用・介護費用は委託費 | 世話人+生活支援員の雇用が必要 |
包括型・外部サービス型・日中サービス支援型の選択基準については、介護サービス包括型と日中サービス支援型、どちらで開業すべきか。もあわせてご参照ください。
外部サービス型の基本報酬は、包括型より低い単位数に設定されている。
外部サービス型の基本報酬は、包括型より低い単位数で設定されています(出典:厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」)。これは、外部サービス型では介護サービスの提供をGH自体が行わないため、介護サービス分が報酬に含まれないためです。
令和3年度報酬改定時点の外部サービス型の基本報酬単位数(1日あたり)の目安を示します。報酬単位数は改定のたびに変わるため、最新の単位数は厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf)で確認してください。
| 障害支援区分 | 外部サービス型(目安・令和3年度) | 包括型との関係 |
|---|---|---|
| 区分2 | 363単位 | 包括型より低い |
| 区分3 | 399単位 | 包括型より低い |
| 区分4 | 438単位 | 包括型より低い |
| 区分5 | 480単位 | 包括型より低い |
| 区分6 | 524単位 | 包括型より低い |
1単位の単価は地域区分によって異なります。全国の多くの事業所が該当する「その他の地域」では10円です。収入の計算方法の詳細は障害者グループホームの収入は、どう計算するのか。を参照してください。
外部サービス型では、GHが受け取る基本報酬は包括型より低い一方、介護サービス(居宅介護)の報酬は外部の居宅介護事業者が受け取ります。利用者の視点では、GHへの支払いと居宅介護事業者への支払いが別々に発生する仕組みです。
収支の特徴。生活支援員を雇わない分、軽度者中心なら収支が組みやすい。
外部サービス型の収支上の最大の特徴は、生活支援員の配置義務がないため人件費の固定費が抑えられる点です。介護サービス包括型では、利用者の障害支援区分に応じた常勤換算で生活支援員を配置する義務があり、重度の利用者が多いほど配置人数が増えて人件費が膨らみます。
外部サービス型では世話人のみを雇用し、介護サービスが必要な利用者には外部の居宅介護事業者のヘルパーが対応します。この構造を収支の観点で整理します。
| 費用項目 | 外部サービス型 | 介護サービス包括型 |
|---|---|---|
| 世話人の人件費 | あり(利用者6人に1人以上) | あり(利用者6人に1人以上) |
| 生活支援員の人件費 | なし(外部委託のため不要) | あり(区分に応じた常勤換算) |
| 介護サービスのコスト | 発生しない(利用者・保険者が直接居宅介護に支払う) | 発生しない(GHが報酬に含めて受け取る) |
ただし、外部サービス型にはいくつかの収支上の注意点があります。
軽度者中心の事業所に向いている。重度(区分4〜6)の利用者の場合、頻繁に居宅介護ヘルパーが必要になります。外部委託とはいえ、ヘルパーとのスケジュール調整や連携の手間が増えます。一方、区分2〜3の軽度者中心の事業所では介護サービスの利用頻度が低く、世話人だけの体制でも対応できるため、収支が安定しやすい傾向があります。
基本報酬が低いため、収入の上限が下がる。区分6の利用者を包括型と外部サービス型で比較すると、基本報酬の単位数に大きな差があります。重度者を多く受け入れて加算を積み上げる戦略は、包括型の方が組みやすい構造です。
外部事業者との連携体制が必要。利用者に介護サービスが必要な場合、あらかじめ連携する居宅介護事業者を確保しておく必要があります。地域によっては居宅介護事業者の確保が難しく、開業前に連携先を確保しておくことが現実的です。
令和5年障害福祉サービス等経営実態調査(出典:厚生労働省)によると、共同生活援助全体の収支差率は9.1%(令和5年調査・令和4年度実績)です。外部サービス型・包括型別の内訳は同調査では確認できないため、形態別の収支差率の比較は開示された数字の範囲では難しい状況です。
まとめ
外部サービス型グループホームは、介護サービスを外部の居宅介護事業者に委託し、GH自身は日常生活の援助に専念する形態です。生活支援員を配置する義務がなく人件費の固定費を抑えられますが、その分基本報酬の単位数は介護サービス包括型より低く設定されています。
軽度(区分2〜3)の利用者が中心で、介護サービスの需要が少ない事業所であれば、収支が組みやすい選択肢になります。重度の利用者を多く受け入れる場合や、加算を積み上げて収入を増やしたい場合は、介護サービス包括型の方が有利な構造です。
開業形態を選ぶ際は、想定する利用者の障害支援区分・地域での居宅介護事業者の確保しやすさ・人材確保の見通しを合わせて整理して選択することが現実的です。
すぐにご利用されたい方は、こちらからどうぞ。
▶ 障害者グループホーム 開業向け収支シミュレーター
【出典一覧】
・平成18年厚生労働省省令第213条の4(共同生活援助の人員基準)
・厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf(基本報酬単位数・形態別の報酬区分)
・厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」(共同生活援助の収支差率9.1%)


コメント