エステサロンのオーナーの手取りは、1人サロン(月商90万円)で年間約430〜450万円が目安です。事業所得は年約620万円ですが、所得税・住民税・個人事業税・国民健康保険・国民年金を合計した負担は年180万円前後になります。規模が大きくなるほど事業所得は増えますが、税の累進適用で税率も上がります。
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▶ エステサロンの開業 収支シミュレーター
年収(手取り)は「事業所得」から税・社会保険を引いた金額
個人事業主として開業したエステサロンオーナーの手取りは、次の順で計算します。
- 月次の売上から原価・固定費を引いて、月次の利益(営業利益)を求める
- 12か月分を合計して、年間の事業所得(青色申告特別控除65万円を差し引いた後の課税所得のもとになる数字)を算出する
- 所得税・住民税・個人事業税・国民健康保険料・国民年金保険料の合計を引く
法人化している場合は役員報酬として給与を受け取り、給与所得控除を使う計算になります。ここでは個人事業主(青色申告)を前提に整理します。
1人サロンの月次利益と年間事業所得
当サイトの収支シミュレーターの前提(1人サロン:施術ベッド1台・1日3回転・客単価12,000円・月25営業日)で試算します。
| 項目 | 金額 | 計算の根拠 |
|---|---|---|
| 売上(月商) | 900,000円 | 12,000円×1台×3回転×25日 |
| 原価(消耗品等) | 153,000円 | 売上×17%(公庫エステティック業平均) |
| 固定費 | 230,000円 | 家賃8万円・光熱費2万円・通信費1万円・消耗品2万円・保険1万円ほか |
| 月次利益(営業利益) | 517,000円 | 900,000−153,000−230,000 |
原価率17.0%は公庫「小企業の経営指標調査」2025年度・エステティック業105社の平均値です。固定費23万円はシミュレーターの既定値です。
年間の事業所得:517,000円×12か月=6,204,000円(約620万円)
年間620万円の事業所得から引かれる税・社会保険(概算)
青色申告特別控除(65万円)と基礎控除(48万円)を適用して課税所得を求め、各税・保険料を概算します。
| 項目 | 概算額 | 補足 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | −65万円 | 65万円控除(e-Tax申告の場合) |
| 基礎控除 | −48万円 | 合計所得額2,400万円以下 |
| 課税所得 | 507万円 | 620−65−48 |
| 所得税 | 約59万円 | 507万円に速算表(20%控除427,500円)適用 |
| 住民税(所得割) | 約51万円 | 課税所得507万円×10% |
| 個人事業税 | 約10〜17万円 | (620万−290万の事業主控除)×税率。エステサロンの業種区分は都道府県の判定によって異なるため税理士に確認が必要 |
| 国民健康保険料 | 約40〜50万円 | 市区町村によって異なる。目安として記載 |
| 国民年金保険料 | 約20万円 | 月16,980円×12か月(2025年度) |
| 合計の目安 | 約185〜200万円 | 個人事業税の税率により上下する |
国民健康保険料は所得・市区町村によって大きく異なります。上記は目安であり、実際の税額は確定申告の内容・各種控除の適用状況によって変わります。正確な金額は税理士に確認してください。所得税の速算表は国税庁「所得税の税率」(No.2260)に基づいています。
事業所得620万円から税・社会保険185〜200万円を引いた実手取りの目安は年420〜435万円(月換算35〜36万円)です。個人事業税の税率はエステサロンの業種区分(都道府県の判定)によって変わるため、正確な金額は税理士に確認してください。
月商規模別の事業所得(年間)
ベッド台数や回転数を変えた場合の事業所得の目安を整理します。いずれもオーナー1人で施術を行い、スタッフへの人件費はゼロと仮定しています。
| 月商 | 年間売上 | 原価(17%) | 固定費(年) | 年間事業所得 |
|---|---|---|---|---|
| 45万円(1台・1.5回転) | 540万円 | 91.8万円 | 276万円 | 172.2万円 |
| 60万円(1台・2回転) | 720万円 | 122.4万円 | 276万円 | 321.6万円 |
| 90万円(1台・3回転) | 1,080万円 | 183.6万円 | 276万円 | 620.4万円 |
| 120万円(2台・2回転) | 1,440万円 | 244.8万円 | 322万円※ | 873.2万円 |
固定費は月商120万円(2台)のケースで家賃等が増加し月約26.8万円(年322万円)と想定しています。スタッフを雇用した場合は人件費が別途発生します。この表はあくまで試算の目安であり、実際の費用構成とは異なる場合があります。
月商が45万円以下(1台・1日1〜2件)の立ち上がり期は、年間事業所得が200万円を下回る可能性があります。この水準では国民年金・国民健康保険料だけで40万円超がかかるため、手取りが100万円台に留まるケースもあります。立ち上がり期の手元資金を厚めに準備しておく理由がここにあります。
公庫BENCHの1人あたり売上高と比較する
公庫「小企業の経営指標調査」(2025年度・エステティック業105社)の1人あたり売上高は年1,015万円(月約84.6万円)です。これは「社員1人あたり」の数字で、オーナー1人だけのサロンなら、オーナー自身の月商84.6万円が業界の平均に近い規模感です。
月商84.6万円の場合:
- 原価(17%):約14.4万円
- 固定費(23万円と仮定):23万円
- 月次利益:84.6 − 14.4 − 23 = 約47.2万円
- 年間事業所得:約566万円
月商90万円(試算値)と月商84.6万円(業界平均)では、月次利益に約4万円の差があります。業界平均に近い規模で運営した場合の年間事業所得は、税引き前で560〜620万円の範囲に収まります。
出典:日本政策金融公庫総合研究所「小企業の経営指標調査」2025年度・エステティック業(105社)。1人あたり売上高・原価率は同調査の数値です。
スタッフを雇用した場合の年収(目安)
スタッフを1人雇用すると、月商は増える一方で人件費の固定費が加わります。既存記事(1人サロンとスタッフ採用の手取り比較)の試算では、スタッフ1人追加(ベッド2台体制)で月商が増えても、人件費の増加でオーナーの手取り改善幅は限定的になるケースがあります。
スタッフを雇用する場合、社会保険料の事業主負担(雇用する人員の給与の約15%)が別途かかります。月給25万円のスタッフ1人なら、社会保険料の事業主負担は月約3.7万円(年約44万円)です。
手取りを増やす2つの方向
年収(手取り)を増やすためのアプローチは大きく2つです。
1. 客単価を上げる
客単価が12,000円から15,000円に上がると、1台・3回転の月商は270,000円増(90万円→112.5万円)です。施術時間が変わらなければ原価の増加は少なく、粗利率の改善につながります。価格改定の前には、来客数への影響(離反率)を試算することが重要です。
2. 回転数を上げる・ベッドを増やす
1台あたりの1日の回転数は、営業時間÷(施術時間+準備時間)で上限が決まります。客単価12,000円・施術60分・準備10分なら、10時間営業で最大6回転(月商216万円)です。ただし施術者1人での限界があり、スタッフを雇用するかどうかとセットで判断します。
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この記事は、fufumumu_design(当方)が公表資料をもとに整理した情報です。記載の内容は情報提供を目的としており、税務・労務・融資の相談・代行は行っていません。税理士・社会保険労務士などの専門家に確認されることをお勧めします。国民健康保険料・所得税額は条件によって異なります。最終確認:2026年10月。


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