グループホームの人員基準。世話人・生活支援員・サービス管理責任者の配置要件。





グループホームの人員基準。世話人・生活支援員・サービス管理責任者の配置要件。


グループホームの人員基準。世話人・生活支援員・サービス管理責任者の配置要件。

グループホーム(共同生活援助)の指定を受けるには、管理者・サービス管理責任者(サビ管)・世話人・生活支援員の4職種を基準どおりに配置することが必要です。介護サービス包括型の場合、世話人は利用者6人に1人以上、生活支援員は利用者の障害支援区分に応じた計算式で人数を出します。員数が不足すると基本報酬が70%または50%まで下がる減算が適用されます。

この記事では、4職種それぞれの配置基準・常勤要件・計算方法と、員数不足のときの減算について整理します。収支計画を立てる前に、どれくらいの人員を確保する必要があるかを把握しておきましょう。

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グループホームの指定を受けるには、4職種の配置が必要。

障害者グループホームの指定申請には、4職種をすべて配置することが最低条件です(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版・指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準)。

職種 配置基準 常勤要件
管理者 1人 常勤(兼務可)
サービス管理責任者(サビ管) 利用者30人に1人以上 定員20人以上は常勤専従の努力義務。20人未満は非常勤可。
世話人 利用者6人に1人以上(日中サービス支援型は5:1) 非常勤可
生活支援員 障害支援区分ごとの計算式で算出(後述) 非常勤可

なお、日中サービス支援型グループホームではこれらに加えて夜間支援従事者の配置が必須です(宿直は認められず、夜勤専従の職員が必要)。介護サービス包括型では夜間支援従事者は任意配置ですが、配置すると夜間支援等体制加算の対象になります。

管理者は、1人・常勤。他の職種と兼務できる。

管理者は事業所に1人、常勤での配置が必要です。ただし、管理業務に支障がなければ他の職種(サビ管・世話人等)との兼務が認められています(出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準)。

実際の事業所では、管理者がサービス管理責任者を兼務するケースが多くあります。定員15人(全国平均規模)の事業所では、管理者とサビ管を同一人物が担うことで、固定人件費の一部を抑えることができます。ただし、サビ管の業務は利用者支援計画の作成・モニタリング・スタッフ指導など範囲が広く、兼務する場合でも業務量の見積もりが必要です。

サービス管理責任者は、利用者30人に1人以上。

サービス管理責任者(サビ管)の配置基準は、利用者30人に対して1人以上です。利用者が31人以上になると、30人を超えるごとに1人追加が必要になります(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

  • 利用者30人以下の事業所:1人以上
  • 利用者31〜60人の事業所:2人以上
  • 利用者61人以上の事業所:3人以上(以降同様)

常勤要件については、定員20人以上の事業所は常勤専従での配置が努力義務とされています。定員20人未満では非常勤も認められます。

サビ管になるには、障害者支援に関する一定年数の実務経験に加えて、「サービス管理責任者等研修」の修了が必要です。資格取得には実務経験の要件を満たしたうえで研修を受ける必要があり、開業前から候補者を探し始めておくことが重要です。サビ管の確保については「グループホームのサービス管理責任者、配置基準と確保の現実。」の記事で詳しく解説しています。

世話人は、利用者6人に1人以上。非常勤でよい。

世話人は、利用者の家事援助(調理・洗濯・掃除等)や日常生活上の相談支援を担う職種です。配置基準は利用者6人に対して1人以上の常勤換算で、非常勤職員を複数人組み合わせることもできます(出典:埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版)。

定員15人の事業所での計算例(介護サービス包括型・世話人配置6:1の場合):

  • 必要常勤換算数 = 15人 ÷ 6 = 2.5人分

つまり、週40時間勤務の常勤が2人いても「2.0人分」にしかならないため、残り0.5人分(週20時間程度)を非常勤で補う形になります。

日中サービス支援型では、世話人の配置は5:1になる。

日中サービス支援型グループホームでは、世話人の配置基準が「利用者5人に1人以上」と介護サービス包括型より手厚くなります(出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準)。

定員15人の事業所での比較:

サービス形態 世話人の配置基準 必要常勤換算数(定員15人)
介護サービス包括型 利用者6人に1人以上 2.5人分
日中サービス支援型 利用者5人に1人以上 3.0人分

さらに日中サービス支援型は、夜間支援従事者の必須配置(宿直不可・夜勤専従)があるため、人件費が介護サービス包括型より大きくなります。開業コストの観点では、日中サービス支援型の方が人件費負担が重くなる点を収支計画に反映する必要があります。

生活支援員は、障害支援区分ごとの計算式で算出する。

生活支援員は、入浴・排せつ・食事等の介護を担う職種です。必要人数は、利用者の障害支援区分に応じた計算式で算出します(出典:指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 省令第213条の4)。

計算式(常勤換算):

  • 区分3の利用者数 ÷ 9
  • 区分4の利用者数 ÷ 6
  • 区分5の利用者数 ÷ 4
  • 区分6の利用者数 ÷ 2.5

これらの合計が、必要な生活支援員の常勤換算人数です。区分1・2の利用者については、生活支援員の計算式の対象外です(生活支援員を配置しなくてよいわけではなく、計算式に区分1・2は含まれないという意味です)。

計算例(定員15人・区分3が3人・区分4が4人・区分5が4人・区分6が4人):

  • 区分3:3人 ÷ 9 = 0.33人分
  • 区分4:4人 ÷ 6 = 0.67人分
  • 区分5:4人 ÷ 4 = 1.00人分
  • 区分6:4人 ÷ 2.5 = 1.60人分
  • 合計:3.60人分(常勤換算)

この計算式の特徴は、区分が高い利用者ほど多くの生活支援員が必要になることです。区分6の利用者を1人受け入れると0.4人分(常勤換算)の生活支援員が必要になるため、区分6の利用者が多い事業所ほど人件費が増えます。一方、区分6の利用者には基本報酬も高く設定されているため、区分と収入・費用のバランスを試算してから計画を立てることが重要です。

員数不足は、基本報酬の30%引き下げから始まる。

人員基準を満たさなくなった場合、減算が適用されます(出典:厚生労働省告示第523号)。

対象 員数不足の減算率
世話人 基本報酬 ×70/100(さらに不足が続くと ×50/100)
サービス管理責任者 基本報酬 ×70/100
生活支援員 基本報酬 ×70/100(さらに不足が続くと ×50/100)

×70/100(30%引き下げ)は大きな影響です。たとえば定員15人・その他地域(単価10円)で区分5・区分6中心の利用者構成の場合、基本報酬は月150万円前後になりますが、員数不足が続くと月45万円以上の収入減につながる計算になります。

員数不足が発生するのは、職員の退職・急な欠員・産休・育休などによるケースが多いです。採用の余力(バッファ)を持ちながら人員計画を立てることが、安定経営のための重要な要素になります。

定員15人(全国平均規模)の事業所での、配置人員の計算例。

全国平均規模(定員15人・介護サービス包括型)の事業所で、人員配置を試算します。利用者の区分構成は区分3が3人・区分4が4人・区分5が4人・区分6が4人と仮定します。

職種 必要人数(常勤換算) 常勤・非常勤の目安
管理者 1人 常勤1人(サビ管兼務が多い)
サービス管理責任者 1人以上 常勤または非常勤1人(管理者兼務が多い)
世話人 2.5人分 非常勤複数人の組み合わせが一般的
生活支援員 3.60人分 常勤・非常勤の組み合わせ

厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」(第17表・令和4年度決算・出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001167616.pdf)によると、介護サービス包括型のサービス換算職員数の全国平均は5.9人です。管理者・サビ管の兼務や、世話人・生活支援員の非常勤組み合わせによって、常勤換算では6人前後の体制が標準的と言えます。

この試算はあくまで一例です。利用者の区分構成・世話人の稼働時間・加算の取得状況によって実際の必要人員は変わります。収支シミュレーターを使うと、区分構成や人員配置を変えたときの収支への影響を確認できます。

まとめ

グループホーム(介護サービス包括型)の人員基準のポイントは次の4点です。

  • 管理者1人(常勤・兼務可)、サビ管1人以上(利用者30人に1人)、世話人(利用者6人に1人以上・非常勤可)、生活支援員(区分別計算式)の4職種が必要。
  • 生活支援員の必要人数は「区分3÷9 + 区分4÷6 + 区分5÷4 + 区分6÷2.5」の合計(常勤換算)。区分が高いほど多くの生活支援員が必要。
  • 日中サービス支援型は世話人が5:1(介護包括型は6:1)かつ夜間支援従事者の必須配置があり、人件費が増える。
  • 員数不足には基本報酬×70/100〜×50/100の減算があり、経営への影響が大きいため採用バッファを持つことが重要。

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出典一覧

  • 埼玉県「共同生活援助(グループホーム)の基準 概要」R6.3版(https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/32595/ghkijungaiyo0603.pdf)
  • 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(省令・e-Gov)
  • 厚生労働省告示第523号(指定障害福祉サービス等費用算定基準・別表第15)
  • 厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果」第17表(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001167616.pdf)


あわせて読みたい:グループホームの世話人・生活支援員の採用。賃金相場と必要人数の試算。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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