乙2 基礎的知識(機械)の対策。圧力・流体計算の3つのパターン

乙2 基礎的知識(機械)の対策。圧力・流体計算の3つのパターン 資格

消防設備士 乙2の基礎的知識(機械)は5問出題されます。合格には2問以上の正解が必要です。力と圧力・流体・揚程の3つが主な計算テーマで、パターンを覚えると得点源になります。

作成:fufumumu_design(ふふ)/作成日:2026年10月25日/数字の出典は各表の下に記載しています。

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消防設備士 乙種第2類 問題集(確認済み問題は無料)

基礎的知識(機械)は5問・2問正解で足切りをクリアできる

消防法施行規則第33条の12は、消防設備士試験の試験科目と問題数を定めています。乙種2類の筆記試験は、消防関係法令(共通6問・類別4問)・基礎的知識(機械5問)・構造・機能・整備(機械9問・規格6問)の合計30問です。

合格基準は「各科目40%以上かつ全体60%以上」です。基礎的知識は5問なので、2問以上正解すれば足切りをクリアできます(5問×40%=2問)。残り3問を落としても他科目で点数を積めば合格ラインに達することができます。

乙種の基礎的知識は機械系のみです。甲種2類では機械と電気の両方が出題されますが、乙種は機械系5問に限られます。試験範囲が狭い分、出題パターンを絞り込みやすい科目です。

出題テーマ 問題数の目安 主な内容
力と圧力(パスカルの法則) 1〜2問 圧力の計算・単位変換・油圧の原理
流体の基礎(ベルヌーイ・連続の法則) 1〜2問 流速計算・プロポーショナーの原理
ポンプの揚程 1問 全揚程の構成要素・各水頭の定義
材料の機械的性質 1問 引張強さ・比重・弾性と塑性
てこ・滑車 1問 力のモーメント・滑車の種類と力の比

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

力と圧力。パスカルの法則と断面積比の計算

圧力の基本式は P = F / A です。P は圧力(Pa)、F は力(N)、A は面積(m²)です。試験では単位変換が問われることがあります。

単位の換算をまとめます。1 MPa(メガパスカル)= 1,000 kPa = 1,000,000 Pa です。また、1 kgf/cm²(工学気圧)≒ 0.098 MPa(≒ 0.1 MPa)として扱う問題が多く見られます。泡消火設備の設計では kPa や MPa を使いますが、試験では Pa や kgf/cm² への換算も出題されます。

パスカルの法則は「密閉された容器内の流体に加えた圧力は、あらゆる方向に等しく伝わる」という原理です。油圧ジャッキはこの法則を利用しています。

油圧ジャッキの計算例を示します。断面積 A₁ のシリンダーに力 F₁ を加えると、断面積 A₂ のシリンダーには力 F₂ が生じます。

F₁ / A₁ = F₂ / A₂(両側の圧力が等しい)

この式を変形すると F₂ = F₁ × (A₂ / A₁) です。A₂ が A₁ の10倍なら、F₂ は F₁ の10倍になります。面積比が大きいほど力の増幅率が上がる、という点が試験で問われます。

項目 式・数値 試験での注意点
圧力の基本式 P = F / A 単位を Pa・kPa・MPa で使い分ける
単位換算 1 kgf/cm² ≒ 0.098 MPa ≒ 0.1 MPa として近似する問題が多い
パスカルの法則(力の増幅) F₂ = F₁ × (A₂/A₁) 断面積の比が大きいほど力が増幅される

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

流体の基礎。連続の法則とベルヌーイの定理

連続の法則は「断面積と流速の積は一定」という関係を示します。式は A₁V₁ = A₂V₂ です。A₁・A₂は断面積(m²)、V₁・V₂ は流速(m/s)です。

管径が半分になると断面積は 1/4 になります(面積は半径の2乗に比例するため)。断面積が 1/4 になれば、流速は4倍になります。「管が細くなるほど流れが速くなる」という感覚と一致します。

ベルヌーイの定理は「流体が持つエネルギーの合計は一定」という原理です。速度水頭(流れの運動エネルギー)・圧力水頭(流体の圧力)・位置水頭(高さによるエネルギー)の3つの和が保存されます。流速が増すと圧力は下がる、という点がポイントです。

プロポーショナー(ライン式)はベルヌーイの定理のベンチュリー効果を利用して泡消火薬剤を吸い込みます。配管の途中を絞り(ベンチュリー管)、流速を上げることで局所的に圧力を下げます。その低圧部分に大気圧開放タンクの薬剤が吸い込まれる仕組みです。

法則・定理 式 泡消火設備への適用
連続の法則 A₁V₁ = A₂V₂ 配管径の変化で流速を予測する
ベルヌーイの定理 速度水頭 + 圧力水頭 + 位置水頭 = 一定 流速が増すと圧力が下がる
ベンチュリー効果 絞り部で流速↑・圧力↓ ライン式プロポーショナーが薬剤を吸引する原理

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

プロポーショナーの種類(ライン式・プレッシャー式・ポンプ式)の詳細は、乙2の鑑別対策・プロポーショナーの仕組みと種類にまとめています。

ポンプの揚程。全揚程を構成する3つの水頭

ポンプの揚程計算は「ポンプがどれだけ水を持ち上げる能力を持つか」を示します。消防設備士の試験では、全揚程の構成要素と各水頭の定義が出題されます。

全揚程 H は次の式で表します。

H(全揚程) = 実揚程 + 損失水頭 + 放水圧力換算水頭

実揚程は水源の水面から最も高い放水口までの高さ(m)です。ポンプが実際に水を押し上げる物理的な距離にあたります。

損失水頭は配管内の摩擦や曲がりなどによって生じる圧力損失を、水柱の高さ(m)に換算した値です。配管が長いほど・細いほど・曲がりが多いほど損失水頭は大きくなります。

放水圧力換算水頭は、泡ヘッドから泡を正常に放出するために必要な最低圧力を水柱の高さに換算した値です。フォームヘッドの設計放水圧力は消防法施行規則第18条の2に規定されています。

水頭の種類 内容 増える条件
実揚程 水源〜最高放水口の高低差(m) 建物が高いほど大きい
損失水頭 配管摩擦等による圧力ロス(m換算) 配管が長い・細い・曲がりが多い
放水圧力換算水頭 放水に必要な最低圧力(m換算) ヘッドの設計放水圧力が高いほど大きい

出典:消防法施行規則第18条の2・第33条の12(2026年10月時点確認)

試験では「全揚程の式を選べ」「損失水頭が大きくなる条件はどれか」という形の問題が多く出ます。各水頭が何を表すかを押さえておくと解答できます。

材料の機械的性質。引張強さ・比重・弾性と塑性

材料の機械的性質は、配管材料の選定や強度計算に関連する出題テーマです。用語の定義を正確に覚えることが対策の中心です。

引張強さは、材料が引っ張られて破断するときの最大応力です。単位は MPa(N/mm²)で表します。引張強さが高いほど、強い材料です。

降伏点(降伏応力)は、材料が弾性変形から塑性変形に移行する境界の応力です。降伏点を超えると、荷重を取り除いても元の形に戻らなくなります。

弾性変形は荷重を取り除くと元の形に戻る変形、塑性変形は荷重を取り除いても残る(元に戻らない)変形です。

比重は水を 1.0 とした相対密度です。泡消火設備の配管に使われる金属の比重は次のとおりです。

材料 比重(水=1.0) 泡消火設備での用途
鋼(炭素鋼) 7.8〜7.9 主配管・支持金具に広く使われる
銅 8.9 分岐配管・小口径の接続部分
アルミニウム 2.7 消火器の容器等(軽量化が必要な場合)

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

試験では「比重の大小関係」「弾性変形と塑性変形の違い」「引張強さと降伏点の違い」が問われます。数字を暗記するよりも、概念の区別を押さえることが優先です。

てこ・滑車。力のモーメントと滑車の種類

てこの原理は「力 × 腕の長さ = 一定」という関係です。支点を中心に、「力の大きさ × 力点から支点までの距離」の積が一定になります。

式で表すと F₁ × L₁ = F₂ × L₂ です。L₁ を長くすれば F₁ を小さくできます。「腕が長いほど小さな力で重いものを動かせる」という原理です。力のモーメントとも呼びます。

滑車には定滑車と動滑車の2種類があります。

定滑車は固定された滑車で、力の向きを変えるだけです。力の大きさは変わりません(重さ 100 N の荷物を引き上げるには 100 N の力が必要)。ロープを引く方向を変えたいときに使います。

動滑車はロープの一端が固定され、もう一端を引く滑車です。力の大きさは 1/2 になります(重さ 100 N の荷物を引き上げるには 50 N の力でよい)。ただし、ロープを引く距離は2倍になります(力の大きさと距離はトレードオフ)。

滑車の種類 力の大きさ ロープを引く距離 用途
定滑車 変わらない(1倍) 変わらない(1倍) 力の向きを変える
動滑車 1/2 になる 2倍になる 力を軽くする

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

複数の滑車を組み合わせた「組み合わせ滑車」では、動滑車の数だけ力が 1/2 ずつ小さくなります。動滑車が2個なら力は 1/4 になります。試験では「動滑車1個で何 N の力が必要か」という計算問題が出ることがあります。

よく出る計算パターン3つ。まとめて覚える

基礎的知識(機械)の計算問題は、次の3つのパターンに集約されます。式と「どのパラメータが変わると何が変わるか」を押さえておくと、問題文を読んだときに式を思い出しやすくなります。

計算パターン 式 試験でのポイント
パスカルの法則 F = P × A・P = F / A 断面積の比が大きいほど力が増幅される
連続の法則 A₁V₁ = A₂V₂ 管径が半分になると断面積は 1/4 → 流速は4倍
てこの原理 F₁ × L₁ = F₂ × L₂ 腕の長さと力の大きさは逆比になる

出典:消防法施行規則第33条の12(2026年10月時点確認)

計算問題は「式を立てる→数字を当てはめる→単位を確認する」の3ステップで解きます。単位変換(Pa ↔ MPa、m²の計算など)でミスが起きやすいため、答えを出した後に単位が合っているかを確認する習慣をつけておくとよいです。

まとめ

乙2の基礎的知識(機械)は5問で、2問正解(40%)で足切りをクリアできます。出題テーマは力と圧力・流体・揚程・材料・てこ滑車の5つです。計算パターンは「パスカルの法則(断面積比で力が変わる)」「連続の法則(管径が変わると流速が変わる)」「てこの原理(腕の長さと力は逆比)」の3つが中心です。定義と式をセットで覚えておくと対策が進みます。

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業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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