キッチンカーの出店先の探し方。固定出店を獲得するアプローチ。

キッチンカーの出店先は、「探す場所」より「アプローチの仕方」で決まることが多いです。マッチングサービスやSNSで見つけることもできますが、企業の昼食需要を狙う固定出店の場合は、自分で直接企業に連絡して交渉することが主なルートです。この記事では、出店先を探す具体的な方法・初回アプローチから契約までの流れ・断られたときの立て直し方を解説します。

出店先の種類と探し方の違い

出店先の種類によって、探し方・契約の流れが異なります。

出店先の種類と探し方
出店先の種類 主な探し方 契約の主な形式
企業・工場・病院・学校の昼食需要 直接訪問・電話・メール、ビジネスマッチングサービス 月額固定・口頭または書面の合意
マルシェ・クラフトフェア 主催者のウェブサイト・SNS・出店者募集の告知 イベントごとの申込・審査
商業施設・駅前・ショッピングモール 施設の管理会社へ直接問い合わせ 施設との賃貸・使用契約
キッチンカーマッチングサービス 「MellowMart」「キッチンカーナビ」等のプラットフォームに登録 サービス経由で出店先を紹介
道の駅・公共施設 施設の運営者・自治体に問い合わせ 年間公募・登録制

開業当初に安定した収入を作るためには、「毎週決まった曜日に出店できる固定出店先を1〜2か所確保する」ことが収支の安定につながります。スポット出店(マルシェ・イベント)だけでは月の売上が読めず、資金繰りが不安定になりやすいです。

企業への直接アプローチの手順

企業の昼食需要(社員の昼食・構内飲食の提供)を狙う場合、自分で直接アプローチするのが最も確実なルートです。

ステップ1:候補の企業・施設をリストアップする

出店を検討したいエリアで、次の条件を満たす企業・施設をリストアップします。

  • 100名以上の従業員が勤務しており、昼食の需要がある(社員食堂がない、または少ない)
  • 構内・敷地内に駐車できるスペースがある(または近くに路上スペースがある)
  • 工場・物流倉庫・オフィスビル・病院・学校など、昼に人が集まる場所

候補のリストアップにはGoogleマップで「工場」「物流センター」「オフィスビル」などで検索して目視確認する方法が簡単です。

ステップ2:担当者に連絡する

企業への最初の連絡は電話が最も確実です。総務部・施設管理部・人事部などの担当部署に連絡します。

最初の連絡で伝える内容は次の3点を短くまとめます。

  • 何者か(屋号・名前)
  • 何をしたいか(社員の昼食にキッチンカーで○○を提供したい)
  • 何をお願いしたいか(一度お話を聞いていただけますか)

担当者が「社内で検討して折り返す」と言った場合は、1〜2週間後に改めて連絡する旨を伝えてから電話を切ります。返答がない場合はフォローの連絡を入れます。

ステップ3:試食・試出店を提案する

担当者が興味を持った場合でも、「いきなり毎週出店する契約」には踏み切りにくいことが多いです。「まず1日試してみて、社員の反応を見てもらう」という形を提案すると話が進みやすくなります。

試出店時に担当者が確認するポイントは次のとおりです。

  • 実際に社員が買いに来るか(需要があるか)
  • オペレーションが乱雑でないか(清潔感・後片付け)
  • 金額設定が社員の昼食に合っているか(700〜1,000円前後が無理なく受け入れられやすい傾向)
  • 対応が丁寧か(担当者との信頼関係)

断られる主な理由と立て直し方

初回のアプローチで断られる理由は、「今はキッチンカーを入れる仕組みがない(前例がない)」「社員食堂が足りている」「スペースがない」「担当者の権限では決められない」のいずれかが多いです。

断られる主な理由と対応の考え方
断られる理由 対応の考え方
「前例がない・今はやっていない」 「1日だけ試させてください」と提案。前例を作ることが次につながる
「スペースがない」 具体的な場所(駐車場の一角・建物の外など)を提案する。実際に現地を見せてもらうことを依頼する
「担当者の権限で決められない」 「上の方に相談する材料にしていただくための資料を1枚作ります」と提案する
「今は間に合っている」 「半年後・来年にまた検討いただけますか」と伝えて定期的に連絡を続ける

1件断られることは想定内です。10件アプローチして2〜3件が前向きになれば上出来という感覚でリスト数を増やすことが重要です。

キッチンカーマッチングサービスの活用

自分でアプローチするのが難しい場合や、出店先を効率よく増やしたい場合はマッチングサービスを活用する方法もあります。

代表的なサービスに「MellowMart(メロウマート)」があります。登録したキッチンカーに出店場所を紹介するプラットフォームで、企業・施設側からの需要を集約して橋渡しをしています。出店先が決まった場合の利用料・手数料の条件はサービスに直接確認してください。

マッチングサービスを使う場合の注意点は、「サービス経由の出店先は出店料が別途かかる(手数料が上乗せされる)ことがある」点です。出店料の計算については「キッチンカーの出店料、相場と計算の仕方。」で解説しています。

マルシェ・イベントへの応募方法

マルシェやクラフトフェアは、主催者が出店者を公募しているイベントです。募集告知はInstagram・X(旧Twitter)・イベントのウェブサイトなどで確認できます。「キッチンカー 出店者募集 ○○市」「マルシェ 出店募集」で検索すると候補が見つかります。

応募にあたっては、次の書類・情報を求められることが多いです。

  • 食品営業許可証のコピー
  • メニューの内容・価格
  • 車両の写真
  • 過去の出店実績(ない場合は意欲・コンセプトを説明する)

初回の応募では実績が少ないため断られることもありますが、小規模なマルシェや地域のイベントから始めて実績を積む方法が有効です。

出店日数を増やすための組み合わせ方

月の収支を安定させるには、出店先を複数確保することが重要です。固定出店(週2〜3日)+スポット出店(週末)の組み合わせが収支のバランスを取りやすい構成です。

出店日数と収支の関係については「キッチンカーの収支、開業前に知っておくべき数字の全体像。」で、出店料が収支に与える影響は「キッチンカーの出店料、相場と計算の仕方。」で解説しています。

開業後の収支・資金繰りを自分のケースで計算したい場合は、キッチンカー開業 収支シミュレーターが使えます。無料で使えます。


記事中のマッチングサービス・マルシェの情報は参考情報であり、各サービス・イベントの詳細・利用条件は直接確認してください。企業へのアプローチ方法は一般的な例であり、業種・企業の規模によって担当部署や手続きは異なります。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
飲食店の開業
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました