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貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条は、乗務員に乗務記録(運転日報)の作成を義務づけている。ドライバー教育の指導記録(12テーマの研修記録)とは別の書類だ。保存期間は1年間。内容の不備や保存期間の不足は、運輸局の監査で指摘事項になる。
乗務記録はドライバー教育の記録とは別の書類
混同されやすいが、乗務記録(運転日報)とドライバー教育の指導記録は別物だ。
| 書類 | 根拠条文 | 内容 | 保存期間 |
|---|---|---|---|
| 乗務記録(運転日報) | 安全規則第8条 | 各乗務の走行記録・貨物・事故等 | 1年間 |
| 指導記録(研修記録) | 安全規則第10条 | 12テーマの指導内容・日時・氏名 | 3年間 |
| 点呼記録 | 安全規則第7条 | 点呼の確認事項・アルコール検知器結果 | 1年間 |
監査時には3種類の記録すべてが確認される。保存期間が短い方(1年間)から先に行方不明になりやすいので注意が必要だ。
乗務記録に記載すべき事項
安全規則第8条第1項が定める記録事項は次のとおりだ。乗務ごとに記録する。
- 運転者の氏名
- 乗務した事業用自動車の自動車登録番号または識別表示
- 乗務の開始・終了の地点および年月日
- 主な経過地点および乗務した距離
- 乗務した事業用自動車の走行距離計に示す数値(乗務前と乗務後)
- 貨物を積載した場合はその積載状況
- 道路交通法に規定する交通事故があった場合はその概要
- 道路交通法に規定する交通違反があった場合はその概要
国土交通省の「貨物自動車運送事業安全規則の解釈及び運用について」では、乗務の開始・終了の地点は「営業所等から出発した地点」「帰着した地点」で差し支えないとしている。すべての経由地を書く必要はない。
保存期間は1年間、電子データでも可
乗務記録(運転日報)の保存期間は1年間だ(安全規則第8条第2項)。紙の運転日報ではなく、電子データでの保存も認められている。ただし、「いつでも取り出せる状態にある」ことが条件になる。クラウドに保存する場合も、監査時にすぐに提示できるよう準備しておくことが必要だ。
デジタコのデータは乗務記録の一部として機能するが、走行距離計の乗務前後の数値など、デジタコでは記録されない項目がある。日報フォームを別途用意するか、システムと組み合わせて全項目をカバーする必要がある。
ドライブレコーダーの記録と乗務記録は別々に保存する
ドラレコの映像は乗務記録の代わりにはならない。条文が定める記録事項(走行距離計の数値・積載状況・事故違反の概要など)を文字・数字で記録したものが乗務記録として有効だ。ドラレコはあくまで「映像証拠」の役割であり、安全規則第8条の義務を満たすものではない。
乗務記録の不備は監査での指摘事項になる
運輸局の運営指導(監査)では、過去1年分の乗務記録のサンプルが確認される。よくある指摘事項は次のとおりだ。
- 記録が一部しかない(乗務ごとに記録されていない)
- 走行距離計の数値の記載がない
- 交通事故・違反があったのに記録されていない
- 保存期間内(1年間)の記録が揃っていない
- ドライバー本人ではなく事務担当者が代筆している(乗務員が作成するのが原則)
代筆については明文上の禁止規定はないが、「乗務員が作成し、運行管理者が確認する」のが本来の趣旨だ。事後に一括入力したことが分かる状態(日付・時刻の矛盾など)も指摘対象になりうる。
関連:運送業のドライバー教育、記録はどこまで残せばいいか。
関連:運送業の点呼、乗務前・乗務後・中間の確認事項と記録の保存。
関連:運輸局の運営指導(監査)で、ドライバー教育はどう確認されるか。
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出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条(e-Gov法令検索)、国土交通省「貨物自動車運送事業安全規則の解釈及び運用について」(令和3年3月26日)。作成:2026年10月。


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