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貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条により、運送事業者は乗務前と乗務後に点呼を実施し、酒気帯び・健康状態・車両の異常を確認する義務がある。令和4年10月からは乗務前後ともアルコール検知器の使用が義務化された。記録は1年間保存する。
点呼は乗務前と乗務後、対面が原則
貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条は、運行管理者(または補助者)が乗務前と乗務後に点呼を実施することを義務づけている。原則は「対面点呼」だ。乗務前に出発する場所と、乗務後に戻る場所が同じ営業所であれば、両方とも対面点呼が可能だ。
やむを得ない理由で対面できない場合は、電話等(運行中に連絡できる状態)による「中間点呼」を実施できる。また一定の要件を満たした場合は「IT点呼」(映像・音声での対面相当の方法)も認められている。
乗務前点呼で確認する5つの事項
乗務前に確認する内容は次の5項目だ(安全規則第7条第1項)。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| ① 酒気帯びの有無 | アルコール検知器を使用して確認する(令和4年10月から義務) |
| ② 疾病・疲労・睡眠不足等 | 安全な運転ができないおそれがないかを確認する |
| ③ 日常点検の実施 | 道路運送車両法に基づく日常点検の実施または確認 |
| ④ 運行経路・注意事項 | 運行する経路・運行上の注意事項を指示する |
| ⑤ 車両の状態 | 乗務する車両の状態(不具合・異常の有無)を確認する |
⑤の「車両の状態」は日常点検とあわせて確認するイメージだ。点呼と日常点検を一体で運用することが多い。
乗務後点呼で確認する3つの事項
乗務後の確認は3項目(安全規則第7条第2項)。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| ① 酒気帯びの有無 | アルコール検知器を使用して確認する(令和4年10月から義務) |
| ② 乗務中の状況 | 事業用自動車・道路および運行の状況を報告させる |
| ③ 他の運転者との交替 | 交替した場合は、通告した内容(車両や道路の状況等)を確認する |
②の「乗務中の状況」は、ドライバーからの口頭報告を聞き取る場面だ。ヒヤリハット・車両の異常・荷主先でのトラブルなどを拾い上げる機会にもなる。
アルコール検知器は常時有効に保つ
令和4年10月から全事業者にアルコール検知器の使用が義務化された(それ以前は一定規模以上の事業者のみ)。常時有効に保持する義務があり、検知器が壊れている・電池切れの状態での点呼は義務違反になる。複数台の車両がある場合は、全点呼に対応できる台数を確保することが求められる。アルコール検知器の詳細はこちらの記事で整理している。
IT点呼・遠隔点呼の要件
営業所と乗務開始・終了地点が離れている場合に認められるのがIT点呼だ。要件として、(1)対面点呼と同等の品質で映像・音声を確認できる機器を使うこと、(2)点呼の記録と映像を一定期間保存することが求められる。
2023年に「業務後自動点呼」が解禁され、要件を満たした機器であれば帰庫後の点呼を自動で実施できるようになった(一般的な普及はこれから)。
点呼の記録は1年間保存する
安全規則第7条第4項は、点呼の実施内容を記録し、1年間保存することを義務づけている。記録する内容は次のとおりだ。
- 点呼の日時
- 点呼した場所
- 点呼した運行管理者等の氏名
- 乗務する(した)運転者の氏名
- 車両番号または識別表示
- 点呼の方法(対面・電話・IT)
- 酒気帯びの有無の確認の内容(検知結果の数値)
- 指示した事項
記録様式に法令上の指定はないが、上記の項目を記録できるものであれば点呼記録簿として有効だ。電子データでの保存も認められている。
軽貨物1人事業者は、自分で自分の点呼を記録する
軽貨物1人事業者(自分が運転者であり管理者でもある)は、形式的には「自己点呼」の状態になる。令和7年4月から軽貨物への義務が適用されたが、実務上は自分がアルコール検知器で確認した数値と状態を記録簿に残す形になる。
国土交通省の通達では、1人事業者の点呼の具体的な方法について、引き続き整理が行われている状況だ。法令の解釈が更新された場合は運輸支局への確認を推奨する。
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出典:貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条(e-Gov法令検索)、国土交通省「貨物自動車運送事業安全規則の解釈及び運用について」(令和3年3月26日)、国土交通省「アルコール検知器の義務化について」。作成:2026年10月。


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