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児童発達支援の加配加算は、支援の専門性が高い職員を配置した場合に算定できる加算です。配置した職員の支援割合に応じて5段階の報酬が設けられており、最上位の区分では1日あたり187単位が加算されます。
この記事では、加配加算の各区分の報酬と算定要件を整理します。
加配加算とは何か
加配加算は、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)・心理担当職員・看護職員などの専門職員を、基準員数を超えて配置(加配)した場合に算定できる加算です。
児童発達支援を利用する子どもには、運動機能・言語発達・感覚処理などの専門的な支援を必要とするケースが多くあります。加配加算はこうした専門的な支援体制を評価する制度です。
加算の区分は、配置した専門職員が利用者(子ども)に直接支援する時間の割合によって決まります。
加配加算の5つの区分と報酬
加配加算の区分と単位数を示します(令和6年度改定・センター以外の事業所)。
| 区分 | 支援割合(目安) | 1日あたりの加算単位数 |
|---|---|---|
| 加配加算Ⅰ | 最も高い(専門職が中心となり支援) | 187単位 |
| 加配加算Ⅱ | Ⅰに次ぐ割合 | 152単位 |
| 加配加算Ⅲ | 中程度の割合 | 123単位 |
| 加配加算Ⅳ | Ⅲより低い割合 | 107単位 |
| 加配加算Ⅴ | 一定以上の割合 | 90単位 |
出典:「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害児通所支援に要する費用の額の算定に関する基準」(告示)。各区分の具体的な算定要件は告示および「障害児通所支援に係る報酬及び基準について(障発通知)」を確認してください。
加配加算Ⅰ(187単位)とⅤ(90単位)では1日あたり97単位の差があります。地域単価10.93円(3級地の目安)で換算すると、1日あたり約1,060円の収入差になります。定員10人・稼働日22日の場合、月次換算で約23万円の差が生まれます。
算定に必要な職員の種類
加配加算の算定に必要な職員の種類(加配職員として認められる職種)の主なものを示します。
| 分類 | 職種の例 |
|---|---|
| 医療系専門職 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員(看護師・准看護師) |
| 心理担当職員 | 公認心理師・臨床心理士・心理担当職員として認められる一定の経験・資格を有する者 |
| 機能訓練担当職員 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等 |
※認められる職種・経験・資格の要件は都道府県・市区町村の運営規程で確認してください。都道府県ごとに解釈が異なる場合があります。
PT・OT・STは国家資格であるため採用基準が明確ですが、心理担当職員は「公認心理師または臨床心理士等の資格を有し、心理学的な観点からの支援が可能な者」という要件を満たす人材を採用することになります。
加配加算の区分を上げる条件
加配加算の区分は、専門職員が1日の支援時間のうち直接支援に充てる割合によって判定されます。区分が上がるほど、専門職員が支援の中心的な役割を担っていることが求められます。
区分の判定は、指定権者(都道府県・市区町村)への体制届出によって行われます。具体的な割合の基準は告示および各指定権者の通知を確認してください。
開業時点から上位の区分を算定するためには、採用段階で専門職員の職務内容(直接支援にどれだけ従事するか)を明確にしておくことが重要です。
加配加算が収入に与える影響の試算
定員10人の事業所で加配加算を算定した場合の月次収入の試算を示します(稼働率85%・稼働日22日・地域単価10.93円・3級地で試算)。
| 加配加算の区分 | 月次加算収入の目安(定員10人・稼働率85%) |
|---|---|
| 加算なし | 0円 |
| 加配加算Ⅴ(90単位) | 約18万円/月 |
| 加配加算Ⅲ(123単位) | 約25万円/月 |
| 加配加算Ⅰ(187単位) | 約38万円/月 |
※(定員10人×稼働率85%×稼働日22日)×単位数×地域単価で概算。モニタリング頻度・新規・継続の構成によって変わります。
加配加算Ⅰを算定できると、加算なしの場合と比べて月38万円・年間456万円の収入増になります。専門職員1名分の人件費(月25〜35万円)を賄いながら事業所の収益にも貢献できる水準です。
加配加算と人件費のバランス
加配加算を算定するには専門職員の採用が必要です。採用するかどうかは、加算収入が専門職員の人件費を上回るかどうかで判断します。
PT・OT・STの正規職員として採用する場合の月次人件費の目安は25〜35万円です(経験・地域によって差があります)。加配加算Ⅰ(187単位)で月38万円の加算収入が見込める場合、専門職員1名分の人件費を超える収入が加算だけで確保できます。
ただし、稼働率が低い開業初期は加算収入も少なくなります。開業当初は稼働率50〜60%から始まることが多く、その場合の加算収入は上記の半分程度になります。採用は稼働率の見通しを立てた上で判断することが重要です。
開業時の加配加算算定に向けた準備
開業時から加配加算を算定するために必要な準備をまとめます。
- 専門職員(PT・OT・ST・心理担当職員など)の採用
- 指定申請の書類に加配職員の資格証・雇用形態を記載(常勤・非常勤の区分)
- 開業後に指定権者への体制届出を行い、加算算定を開始
- 加配職員の支援実績記録(支援日誌・サービス提供記録)を適切に管理
常勤雇用が難しい場合は、非常勤(パートタイム)での採用から始めて、稼働率が上がってきたら常勤に切り替える方法も実務上は選択されています。ただし常勤・非常勤の別が加算区分の判定に影響する場合があるため、指定権者に事前確認することを勧めます。
まとめ
- 加配加算はⅠ〜Ⅴの5段階で、最上位のⅠは187単位・最下位のⅤは90単位
- 算定可能な職種はPT・OT・ST・看護職員・心理担当職員など
- 定員10人・稼働率85%で加配加算Ⅰを算定すると月38万円の加算収入になる
- 専門職員1名の人件費(月25〜35万円)と加算収入のバランスが採用判断の基準になる
- 開業時から算定する場合は、指定申請の段階から加配職員の採用・届出の準備が必要
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