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秘密保持の義務は、指定通所支援基準 第47条に書かれています。
児童発達支援の従業者が利用者の情報を外に漏らしてはならないという義務は、指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準(以下「基準」といいます。)第47条に根拠があります。
第47条の原文を引きます。
指定通所支援事業所の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
(指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第47条第1項)
この義務は、雇用関係が終わった後も続きます。第47条第2項の原文を引きます。
指定通所支援事業者は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第47条第2項)
退職後も秘密保持の義務が続くことを、在職中から職員に周知しておくことが事業者の責任です。
個人情報の保護は、個人情報保護法に基づきます。
秘密保持の義務に加えて、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)も児童発達支援事業所に適用されます。
個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対して次のことを求めています。
- 利用目的の特定と通知・公表(第17条・第21条)
- 適正な取得(第20条)
- 安全管理措置(第23条)
- 従業者・委託先の監督(第24条・第25条)
- 第三者への提供の制限(第27条)
- 開示・訂正・利用停止等への対応(第33条〜第38条)
個人情報保護法は平成17年から施行されており、令和4年の改正で個人の権利が強化されました。定期的に内容を確認し直すことが重要です。
研修で伝えるべき「個人情報」の範囲
個人情報は、氏名・住所・電話番号などの明らかな情報だけではありません。次のような情報も個人情報に含まれます。
- 子どもの診断名・障害の内容
- 家族構成・家庭の状況
- 療育手帳・身体障害者手帳の有無
- 保護者の職業・連絡先
- 日常の支援記録・連絡帳の内容
- カメラ・動画で撮影した子どもの映像・写真
- 子どもの顔が写った写真(単体では氏名が分からなくても、事業所の情報と組み合わせれば個人が特定される)
特に、医療・福祉の分野は「要配慮個人情報」として、より厳格な取り扱いが求められています(個人情報保護法第2条第3項)。病歴・障害・診断結果がこれに当たります。
SNSでの情報漏えいは深刻なリスクです。
近年、職員によるSNSへの不適切な投稿が問題になっています。軽い気持ちで書いたひと言が、事業所への信頼を大きく損ない、場合によっては法的な責任を問われる可能性があります。
研修では、SNSに関して次のような点を具体的に伝えます。
写真・動画の投稿は原則禁止
子どもや施設内の様子が写った写真・動画をSNSに投稿することは、個人が特定されなくても秘密保持の観点から問題になります。保護者から「勝手に投稿された」という苦情が来た場合、事業所の信用は大きく傷つきます。
「匿名だから大丈夫」はない
「名前は出していないから特定されない」という認識は誤りです。「○○市の△△障害のある子どもを支援している」という情報だけで、地域の人間には誰のことか特定できる場合があります。特定の事例に見える投稿は、たとえ意図的でなくても秘密漏えいになり得ます。
愚痴や不満の投稿も問題
「保護者が無理な要求をしてきた」「子どもが今日も大変だった」という内容でも、文脈から利用者が特定されれば秘密漏えいです。職員間の愚痴はSNSではなく、職場内の適切なルートで処理することを伝えます。
書類・データの管理方法
個人情報の保護は、日常の書類・データ管理でも実践する必要があります。研修で確認する内容として次のようなものがあります。
- 個別支援計画・アセスメント記録の保管場所と鍵の管理
- パソコン・タブレットへのパスワード設定
- 不要な書類の適切な廃棄(シュレッダーの使用)
- 持ち出し禁止のルールと業務上やむを得ず持ち出す場合の手順
- USB等の外部記録媒体の管理
- メールでの個人情報送信の禁止またはパスワード設定ルール
保護者への説明と同意
個人情報の利用目的を保護者に説明し、同意を得ることも義務の一つです。利用開始時のオリエンテーションで個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を説明し、同意書に署名をもらうことが基本の手順です。
第三者への情報提供(相談支援事業所・医療機関・学校との情報共有など)は、原則として保護者の同意が必要です。緊急時の例外(虐待の通告など)もあるため、その範囲を職員が理解しておく必要があります。
退職者への対応
基準第47条第2項が定めるとおり、退職後も秘密保持の義務は続きます。
退職時に「秘密保持に関する誓約書」を提出してもらうことが、対策として広く行われています。誓約書の内容には「在職中に知り得た個人情報を、退職後も第三者に提供・漏えいしない」ことを明記します。
研修では、退職後も義務が続くことをあらかじめ伝えることが重要です。
個人情報保護研修の頻度
個人情報保護は法定で頻度が明記されているテーマではありませんが、内容の重要性から年1回以上の研修実施を目安にすることが一般的です。
研修キットでは、個人情報保護のテーマを含む研修資料・確認テスト・記録様式を用意しています。ご活用ください。
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