放課後等デイサービスの収支シミュレーターで、開業前に確認する5つの数字。

この記事では、放課後等デイサービスの開業を検討している方に向けて、収支シミュレーターを使って確認しておくべき数字を整理します。

当サイトでは、放課後等デイサービスの収支をブラウザで試算できるシミュレーターを無料公開しています。

放課後等デイサービス 開業向け収支シミュレーター(無料で試算できます)

無料範囲では、定員・利用日数・利用時間区分・主要加算の有無を入力して、月次の収入・人件費・固定費・収支差の概算が確認できます。

損益分岐点の稼働率

放課後等デイサービスの収入は、一日あたりの利用人数(稼働率)に比例します。定員に対して何割の利用者が来れば黒字になるか——これが損益分岐点の稼働率です。

全国の放課後等デイサービスの平均稼働率は、厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」で公表されています。開業後すぐに一定の稼働率を確保できるかどうかが、事業の存続を左右します。

シミュレーターに定員・想定稼働率・固定費を入力すると、損益分岐点の目安が確認できます。

利用時間区分と報酬単価の関係

放課後等デイサービスの基本報酬は、利用時間の長さによって3区分に分かれています(令和6年度報酬改定後・定員10人以下・主として重症心身障害児以外の場合)。

時間区分 利用時間 報酬単位 平日 学校休業日
区分1 30分以上1時間30分以下 574単位 ○ ○
区分2 1時間30分超3時間以下 609単位 ○ ○
区分3 3時間超5時間以下 666単位 × ○

出典:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(平成24年厚生労働省告示第122号 現行条文)

区分3(3時間超)は学校休業日のみ算定できます。放課後(学校のある日)は区分1または区分2が中心になります。夏休み・土日祝日など学校休業日の比率が高い月ほど、区分3の算定ができるぶん収入が増えます。

シミュレーターでは平日に主に使う時間区分と学校休業日の割合を入力することで、月次収入の試算に反映できます。

処遇改善加算の区分による収入の変化

処遇改善加算は、区分によって率が変わります。放課後等デイサービスの加算率は、区分IVが11.9%、区分Iイが15.5%です(令和6年度・厚生労働省告示第523号)。

月次収入が100万円の事業所であれば、区分IVで約12万円、区分Iイで約15.5万円の上乗せになる計算です。上位区分を取るための要件(賃金改善要件Iなど)を満たせるかどうかは、開業前の給与設計と直結します。

シミュレーターで処遇改善加算の区分を変えると、収入への影響が確認できます。

専門的支援加算と児童指導員等加配加算の効果

放課後等デイサービスでは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職を配置した場合に専門的支援加算が算定できます。また、基準を超えた職員配置には児童指導員等加配加算があります。

加算を算定するには該当する職員の確保が必要で、人件費が増えます。加算収入と追加人件費の差し引きがプラスになるかどうかは、職員の給与水準によって変わります。シミュレーターで加算の有無を切り替えて確認できます。

報酬が入金されるまでのタイムラグと必要運転資金

放課後等デイサービスの報酬は、前月分が翌月に国保連に請求され、さらに翌月(サービス提供月の翌々月)に入金されます。開業月から2か月間は収入がゼロの状態が続きます。

開業時には、この2か月分の運転資金(家賃・人件費・光熱費など)を手元に準備しておく必要があります。シミュレーターで月次の固定費を入力すると、必要な運転資金の概算が確認できます。

シミュレーターの使い方

シミュレーターは、次の順で入力します。

  1. 定員(10人以下か11人以上か)を選択
  2. 月の営業日数・想定稼働率を入力
  3. 利用時間区分(区分1〜3)の比率を入力
  4. 処遇改善加算の区分を選択
  5. 月次の固定費(家賃・光熱費・管理費等)を入力

無料範囲で月次の収支概算が確認できます。Pro版(買い切り9,800円)では3年分の収支推移と資金繰り、事業計画書の印刷出力ができます。

放課後等デイサービス 開業向け収支シミュレーター

開業後の運営状況を全国平均と比べたい場合は、経営診断ツールも公開しています。

福祉事業所の経営診断(既存運営者向け)

出典:厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査」、厚生労働省 令和6年3月厚生労働省告示第523号

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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