危険物第6類(酸化性液体)は、強い酸化力を持つ不燃性の液体危険物です。自分自身は燃えませんが、可燃物と接触すると燃焼を激しく促進します。腐食性・毒性が強く、皮膚や粘膜への影響に注意が必要です。消火方法は大量注水による希釈・冷却が基本です。
第6類 酸化性液体の定義と共通性質
第6類は「酸化性液体」として危険物令別表第1に定められています。第1類(酸化性固体)の液体版に相当します。
- 液体危険物:常温で液体(水溶液を含む)
- 不燃性:物質自体は燃えない
- 強い酸化力:可燃物に触れると燃焼を促進・激化させる
- 腐食性・有毒性:皮膚・粘膚への腐食、蒸気の吸入で肺炎・気道傷害の危険
- 比重:1より大きいものが多い(水より重い)
出典:危険物の規制に関する政令別表第1
主な品名の一覧と特徴
| 品名 | 代表物質 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 過塩素酸 | 過塩素酸(HClO₄) | 無色の液体。強酸・強酸化剤。有機物との接触で爆発の危険。加熱で分解・爆発 |
| 過酸化水素 | 過酸化水素(H₂O₂)水溶液 | 高濃度(36%以上)が危険物。分解して酸素を発生(光・加熱・不純物で促進) |
| 硝酸 | 硝酸(HNO₃)・発煙硝酸 | 強酸。多くの金属を溶かす。有機物と接触して発火の危険。蒸気は有毒(二酸化窒素) |
| 発煙硫酸 | 発煙硫酸(SO₃を含む硫酸) | SO₃の蒸気を発生(有毒)。水と激しく反応・発熱 |
| ハロゲン間化合物 | 五フッ化臭素(BrF₅)・三フッ化臭素(BrF₃)等 | 反応性が極めて高い。水・有機物と激しく反応 |
出典:危険物の規制に関する政令別表第1
指定数量
第6類はすべての品名で指定数量300kgです。
出典:危険物の規制に関する政令別表第3
過酸化水素の重要ポイント
過酸化水素(H₂O₂)は一般的な消毒薬(3%程度)と同じ物質ですが、危険物として規制される濃度は36%以上(重量比)です。
- 分解すると水と酸素を放出:2H₂O₂ → 2H₂O + O₂↑
- 光(紫外線)・加熱・不純物(鉄・銅等の金属イオン)で分解が促進される
- 遮光・低温・純度の高い容器での保管が必要
- 有機物と接触すると爆発的に反応することがある
硝酸の重要ポイント
- 強酸として金属(銅・銀等)を溶かす(金・白金・鉄(不動態化)等は溶けにくい)
- 有機物(木材・布・紙等)と接触すると発火の危険
- 蒸気には二酸化窒素(NO₂)が含まれ有毒。黄褐色の蒸気が出る場合は発煙硝酸
- 铁(鉄)は濃硝酸に触れると不動態化して溶けにくくなる(不動態)
過塩素酸と発煙硫酸の違い
| 項目 | 過塩素酸(HClO₄) | 発煙硫酸 |
|---|---|---|
| 組成 | 塩素と酸素と水素の化合物 | SO₃を含む硫酸(H₂SO₄+SO₃) |
| 状態 | 無色液体 | 液体(SO₃蒸気を発生) |
| 水との反応 | 強酸として溶解・発熱 | 激しく発熱・飛散の危険 |
| 爆発の危険 | 有機物・還元剤と接触で爆発の危険 | 比較的低い(発熱・腐食が主な危険) |
消火方法
第6類の消火方法は大量の水による希釈・冷却が基本です。ただし注意点があります。
- 原則:大量の水で希釈・冷却する
- 注意点:発煙硫酸・過塩素酸は水と反応して激しく発熱するため、少量の水では飛散・発熱が増大する。大量の水で一気に希釈することが重要
- ハロゲン間化合物:水と激しく反応するものもあるため、砂での窒息消火が適切な場合もある
貯蔵・取扱いの注意点
- 有機物との接触を絶対に避ける:木材・紙・布・油類との接触で燃焼が起こる
- 皮膚・粘膜の保護:防護服・保護眼鏡・ゴム手袋を着用する
- 蒸気の吸入を防ぐ:換気の良い場所で取り扱う
- 過酸化水素は遮光保管:光による分解を防ぐため遮光容器を使用
- 異種危険物との混載禁止:第1〜5類の危険物との混載は禁止
第6類まとめ(甲種試験での頻出ポイント)
- 「不燃性」だが「可燃物の燃焼を促進する」という特徴が最重要
- 第1類(酸化性固体)と対比して覚えると整理しやすい(第1類=固体、第6類=液体)
- 過酸化水素の危険物認定基準:「36%以上(重量比)」
- 硝酸・過塩素酸等は腐食性が強く、蒸気も有毒
この記事について
掲載情報は危険物の規制に関する政令別表第1・第3に基づいています。消防試験研究センター(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)の受験案内も参照してください。
作成:fufumumu_design 最終更新:2026年11月

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