消防設備士 5類の科目免除。条件と免除される問題数を確認する。




消防設備士第5類(乙5・甲5)の科目免除は、すでに他の類の消防設備士免状を持っている場合に「法令共通」の問題が免除されます。電気工事士・電気主任技術者の免状でも「基礎的知識(電気・機械)」の一部が免除になります。ただし免除を受けると問題数が減るため、1問の重みが増します。

この記事では、消防試験研究センターの情報をもとに、乙5・甲5で使える科目免除の条件と効果を整理します。

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5類で使える科目免除の種類

免除の条件(持っている免状等) 免除される科目 乙5 甲5
他の類の消防設備士免状(甲種・乙種問わず) 消防関係法令の「共通部分」 ○ ○
電気工事士免状 基礎的知識(電気・機械の一部) ○ ×(甲種は対象外)
電気主任技術者免状 基礎的知識(電気・機械の一部) ○ ×(甲種は対象外)

出典:消防試験研究センター「科目の免除」

法令共通の免除。他の類の免状を持つ場合

すでに消防設備士の免状(乙種・甲種どちらでも、どの類でも可)を持っている場合、第5類の試験で「消防関係法令の共通部分」が免除されます。

法令共通の出題数は乙5・甲5とも6問です。これが免除されると、法令の出題は「法令類別(5類)」の4問だけになります。

状態 法令の問題数
免除なし 法令共通6問+法令類別4問=10問
法令共通免除あり 法令類別4問のみ

免除を使うと試験時間も短縮されます。法令共通6問が免除されると、乙5の試験時間は1時間45分から短縮されます(消防試験研究センターが定める基準による)。

基礎的知識の免除。電気工事士・電気主任技術者の場合

電気工事士または電気主任技術者の免状を持っている場合、基礎的知識(機械)の問題の一部が免除になります。ただし、この免除が適用されるのは乙種のみです。甲種の受験時には電気工事士・電気主任技術者の免除は使えません。

乙5の基礎的知識は5問で、免除を使うと問題数が減ります(消防試験研究センターの公表する免除問題数による)。

免除を使うときの注意点。1問の重みが大きくなる

科目免除を受けると試験時間と問題数が減りますが、合格基準の「各区分40%以上かつ全体60%以上」は変わりません。免除を受けた科目の問題数が少なくなるため、残った問題での正解率を上げなければなりません。

法令類別(4問)だけで受ける場合、4問×40%=1.6問 → 最低2問の正解が必要です。4問中2問を落とすと足切りになります。

状況 法令区分の問題数 最低正解数
免除なし(法令共通+法令類別) 6問+4問=10問 各区分40%以上かつ全体60%以上
法令共通を免除した場合 法令類別4問のみ 4問中2問以上(50%以上になる)

法令共通の勉強量は比較的多くありませんし、他の類の試験を受けるときに再度出ます。免除を使わずに受験して法令共通を得点源にする選択もあります。

免除の申請方法

科目免除は、受験申請時に「科目免除申請書」を提出し、免状等のコピーを添付します。試験当日に申告しても免除はできません。受験申請の段階で免除を使うか使わないかを決めてください。

科目免除申請書の書式・提出先は消防試験研究センターの各都道府県支部の窓口または公式サイトで確認できます。

出典:消防試験研究センター「受験申請」(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)

乙5から甲5へのステップアップ時の免除

乙5の免状を取得した後に甲5を受験する場合、乙5の免状を使って法令共通の免除申請ができます。乙5→甲5のステップアップで有効な免除です。

ただし、甲5は筆記が45問(乙5は30問)と多く、製図も追加されるため、法令共通を免除しても学習量の減少は限定的です。

5類取得後に他の類を受ける場合の活用法

第5類の免状を取得した後、他の類(たとえば4類・6類等)の試験を受ける際に、5類の免状を使って「消防関係法令の共通部分」を免除申請できます。逆に他の類の免状を先に取得していれば、5類の試験でその免状を使って免除できます。

法令共通は全類共通の内容(消防法・施行令・施行規則の基礎)なので、一度しっかり覚えれば複数の類の試験で使い回せます。複数の類を受験する場合は、まず法令共通を完全に仕上げてから免除を活用するルートが効率的です。

シナリオ 使える免除
5類取得後 → 4類(自動火災報知設備)を受験 5類の免状 → 4類の「法令共通」免除
6類(消火器)取得後 → 5類(乙5)を受験 6類の免状 → 5類の「法令共通」免除
電気工事士免状を持つ → 乙5を受験 電気工事士 → 乙5の「基礎的知識(機械)の一部」免除

免除を使わない方がよい場合の考え方

科目免除は「使うかどうかを申請時に選べる制度」です。免除を使わない方がよい場合もあります。

  • 法令共通を初めて受験する場合:免除を使わずに法令共通6問全部受験した方が、全体60%の合格基準を達成しやすいことがあります。法令共通は比較的得点しやすい問題が多く、得点源として活用する考え方もあります。
  • 法令類別(4問)だけの受験に不安がある場合:免除後に法令類別4問だけになると、4問中2問以上正解が必要(約50%相当)という高い基準が課されます。法令共通6問+法令類別4問の合計10問の方が、足切りの1問あたりの重みが軽くなります。
  • 法令共通の勉強時間に余裕がある場合:法令共通は比較的勉強しやすい分野です。免除しなくても確実に得点できる準備ができているなら、あえて免除しない選択もあります。

免除申請書の書き方と提出書類

科目免除を受けるには、受験申請と同時に次の書類を提出します。試験当日に申告しても免除はできません。受験申請の段階で必ず手続きを済ませてください。

書類 内容
科目免除申請書 消防試験研究センターの書式(受験申請書に含まれる場合もある)
免状等のコピー 免除の根拠となる免状(他の類の消防設備士免状・電気工事士免状等)のコピー
書式の入手先 消防試験研究センターの公式サイト(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)または各都道府県支部の窓口

免除の申請形式(書面申請・電子申請)によって手順が異なる場合があります。受験先都道府県の支部で確認してください。

科目免除ありの場合の合格基準の再計算

科目免除を受けると試験時間と問題数が減りますが、合格基準の「各区分40%以上かつ全体60%以上」は変わりません。免除を受けた科目の問題数が少なくなるため、残った問題での正解率を上げなければなりません。

状況 法令区分の問題数 最低正解数 注意点
免除なし(法令共通6問+法令類別4問) 10問 法令共通3問以上・法令類別2問以上(各40%)かつ合計6問以上(60%) 各区分の足切りと全体基準の両方を満たす必要がある
法令共通を免除した場合 法令類別4問のみ 4問中2問以上(40%以上=実質50%) 4問中3問落とすと即不合格。1問の重みが大きい

法令共通6問の免除後は、筆記全体の問題数が30問から24問(乙5の場合)に減ります。全体の合格基準は「24問中14問以上(60%以上)」に変わります。各科目の40%基準と全体60%基準の計算を受験前に確認してください。

甲5で基礎的知識の免除が使えない理由

電気工事士・電気主任技術者の免除は「乙5のみ」に適用され、甲5には適用されません。これは消防試験研究センターが定める科目免除の条件によるものです。

甲5の基礎的知識(機械)は10問あり、乙5より範囲が広く工学的な計算問題が含まれます。甲5を受験する場合、電気工事士免状を持っていても基礎的知識の免除は申請できません。甲5の受験資格として電気工事士免状を使うこと(受験資格の要件を満たすための利用)とは別の話です。

電気工事士免状の用途 乙5 甲5
受験資格として使う(甲5受験の条件を満たす) —(乙5は受験資格制限なし) ○(受験資格要件を満たす)
科目免除(基礎的知識の免除)として使う ○(免除申請できる) ×(甲5では使えない)

他の資格との免除制度の比較

消防設備士の科目免除は、他の国家試験と比較することで仕組みを理解しやすくなります。

資格試験 科目免除の特徴
消防設備士(各類) 同じ消防設備士の免状(他の類)・電気工事士・電気主任技術者を使って科目免除できる。申請制。
危険物取扱者乙種 乙種のいずれかの類に合格している場合、他の類の受験時に物理・化学(基礎的な物理学及び化学)が免除になる。
電気工事士(第一種) 第二種電気工事士の免状を持っていても自動的に免除はされない(試験は別途受験が必要)。

消防設備士の科目免除は「申請制」です。受験申請時に科目免除申請書と証明書類を添付しなければ免除されません。試験当日に申告しても受け付けられないため、申請時に必ず手続きを済ませてください。

法令共通を免除しない場合のメリット・デメリット

状況 メリット デメリット
法令共通を免除しない 問題数(10問)が多い分、1問の重みが小さくなる。法令共通(全類共通の内容)は比較的勉強しやすい。 試験時間が長くなる。勉強範囲が広くなる。
法令共通を免除する 試験時間が短縮される。勉強の負担が減る。 法令類別(4問)だけの受験になるため、1問の重みが大きくなる。

どちらを選ぶかは、法令共通の勉強時間と得点の自信次第です。初めて消防設備士試験を受験する場合は、法令共通の勉強は必ず行い、その上で免除を使うかどうかを決めてください。法令共通を覚えずに免除を申請すると、他の科目への影響はなくなりますが、法令類別4問だけで足切りをクリアしなければならない状況になります。

科目免除を活用した勉強計画の例

科目免除を申請する場合、勉強計画は「免除する科目は学習不要」ではなく「免除する科目は軽く確認する程度にとどめ、残りの科目に時間を集中させる」という使い方が効果的です。

状況 おすすめの学習配分
法令共通を免除して乙5を受験する場合 法令類別(4問)・基礎的知識(5問)・構造整備(15問)・鑑別(5問)に集中。法令共通は免除するが最低限の確認は行う。
法令共通を免除しないで乙5を受験する場合 法令共通(6問)・法令類別(4問)・基礎的知識(5問)・構造整備(15問)・鑑別(5問)をバランスよく学習。
甲5を受験する場合(法令共通免除あり) 法令類別(4問)・基礎的知識(10問)・構造整備工事(25問)・鑑別(5問)・製図(2問)に集中。甲5は問題数が多いため免除の恩恵は大きい。

科目免除を申請すると試験当日の時間的な余裕も生まれます。試験時間が短縮される分、集中力を維持しやすくなります。ただし、試験当日にアクシデントで1問の重みが増すことは忘れないようにしてください。

科目免除の申請を忘れた場合の対応

受験申請時に科目免除申請書を提出し忘れた場合、試験当日に申告しても免除を受けることはできません。次回の受験で申請する必要があります。

受験申請書を提出する際には、科目免除の申請漏れがないかを最終確認してください。免除できる免状を持っているにもかかわらず申請し忘れると、次の試験まで待つことになります。

科目免除の申請は「するかしないか」を受験ごとに選べます。ある試験では免除を使い、別の試験では使わないという選択も可能です。どちらが有利かは受験時の準備状況によって変わります。複数の類を受験予定がある場合は、最初の受験で法令共通をしっかり覚えておくと、2回目以降の試験で免除を活用しながらも内容を理解した上で受験できます。科目免除を申請して合格した場合でも、取得した免状の権限・義務(業務範囲・法定講習・着工届等)は科目免除なしで合格した場合と同じです。科目免除は試験での優遇措置であり、取得後の資格には影響しません。

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作成日:2026年11月5日 作成者:fufumumu_design
参照した主な一次資料:消防試験研究センター「科目の免除」(https://www.shoubo-shiken.or.jp/)・消防法第17条の10・第17条の14(e-Gov法令検索・消防法)・消防法施行令第25条(同)

この記事を書いた人

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