家族信託を設計できる司法書士を探すとき、「司法書士なら誰でも対応できる」という思い込みは危険だ。家族信託は2007年の信託法改正後に普及が始まった比較的新しい分野で、すべての司法書士が専門知識と実績を持つわけではない。費用相場・失敗しやすいポイント・信頼できる事務所の見分け方を整理した。
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家族信託を扱える司法書士はまだ少ない
家族信託は信託法に基づいて設計される法律行為で、公正証書での信託契約書の作成・信託口口座の開設・登記変更(不動産を信託財産にする場合)など、複数の専門手続きを組み合わせる必要がある。
司法書士の中には家族信託の実績がほとんどない事務所もある。「家族信託の専門」を掲げている事務所は実績・知識が高い可能性があるが、費用が割高になる傾向もある。
選び方の基準として「家族信託の設計・実績がある事務所かどうか」「費用の内訳を明示するか」「家族信託以外に任意後見・法定後見の実績もあるか」の3点を確認する。
家族信託の費用相場
家族信託の設計・設定にかかる費用の目安は次の通りだ(信託財産の規模によって変わる)。
| 費用の種類 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 司法書士への設計・契約書作成費用 | 30〜80万円程度 | 信託財産の規模・複雑さによって変わる |
| 公正証書作成費用(公証人手数料) | 3〜10万円程度 | 信託財産の価額によって公証人手数料が変わる |
| 不動産の信託登記費用(登録免許税) | 固定資産税評価額の0.4% | 固定資産税評価額が1,000万円なら4万円 |
| 信託口口座の開設手続き費用 | 無料〜5万円程度 | 信託口口座に対応している金融機関・信託銀行が必要 |
合計費用は不動産を含む場合で50〜100万円以上になることが多い。現金・預金のみの信託であれば30〜60万円程度で設定できるケースもある。
信頼できる司法書士事務所を見つける3つの方法
- 日本司法書士会連合会の「司法書士会員検索」:都道府県別・分野別で検索できる。ウェブサイトで「家族信託」「民事信託」「成年後見」の専門分野として記載している事務所を選ぶ
- 「家族信託専門士」の資格を持つ事務所を探す:公益財団法人家族信託普及協会が認定する「家族信託専門士」資格を持つ専門家を選ぶ方法もある
- 初回相談無料の事務所に複数相談する:初回相談(無料)で費用の見積もり・設計のイメージを説明してもらう。費用の内訳を明示しない事務所・メリットだけを強調してデメリットを言わない事務所は避ける
「安い」事務所を選ぶリスク
家族信託は設計が複雑で、信託契約書に不備があると後から修正が必要になる。費用が低い事務所が必ずしも問題があるわけではないが、「費用の内訳が不明確」「実績・事例が公開されていない」「契約書のひな形をそのまま流用している」ような事務所は避けた方が無難だ。
家族信託の失敗事例として多いのは「後から想定外の問題が発生した(相続税・二次受益者の問題等)」「信託口口座が開設できなかった」「本人の判断能力が設定時にすでに低下していてトラブルになった」等だ。
この記事のまとめ
- 家族信託はすべての司法書士が対応できるわけではなく、実績・専門知識のある事務所を選ぶ必要がある
- 費用は不動産を含む場合で50〜100万円以上が目安
- 日本司法書士会連合会の検索・家族信託専門士資格・初回無料相談の3つで事務所を探す
- 費用の内訳を明示しない事務所・実績が不明な事務所は避ける
出典:信託法(民事信託の根拠法)、公証人手数料令(公正証書の手数料)、登録免許税法別表第一(信託登記の税率)、日本司法書士会連合会「会員検索」
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