「認知症の手続きで誰に相談したらいいかわからない」という声はよく聞く。費用が気になって専門家に連絡するのをためらうケースも多い。実際には無料で相談できる窓口がいくつかある。地域包括支援センター・市区町村の法律相談・法テラスの無料法律相談だ。まず何を聞きたいのかを整理した上で、適切な窓口に連絡することが最初の一歩になる。
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相談先1:地域包括支援センター(無料)
地域包括支援センターは全国約5,400か所で、介護・福祉に関する「何でも相談窓口」だ。費用はかからず、予約不要のところも多い。
できること:介護保険の申請手続きのサポート・ケアマネジャーの紹介・認知症に関する情報提供・専門家への橋渡し
できないこと:財産管理・後見手続き・法律相談の直接担当(専門家を紹介してもらう「入口」として活用する)
最寄りのセンターは市区町村の介護保険課に電話して確認するか、厚生労働省の「地域包括支援センターの一覧」サイトで探せる。
相談先2:市区町村の無料法律相談
多くの市区町村では、月に数回、弁護士または司法書士による無料法律相談を実施している。認知症後の後見・家族信託・相続対策など、財産管理に関する具体的な相談ができる。
相談時間は30分〜1時間程度のことが多く、事前予約が必要な市区町村がほとんどだ。複雑な問題は「有料での継続相談を依頼するかどうか」の判断をするための場として活用する。
申込み方法は市区町村の窓口・電話・ウェブサイトで確認する。名称は「法律相談」「司法書士相談」「暮らしの相談」等、市区町村によって異なる。
相談先3:法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談
法テラスは国が設立した法的支援機関で、収入要件を満たす人に対して無料法律相談(3回まで)と弁護士・司法書士費用の立替制度(審査あり)を提供している。
電話番号:0570-078374(平日9:00〜21:00・土曜9:00〜17:00)
収入要件は「単身世帯で月収182,000円以下(税込)」等の基準がある(2024年時点。資産要件もあり)。要件を満たせば弁護士への相談が無料になり、後見申立て等の費用の立替も受けられる可能性がある。
相談先4:都道府県・市区町村の「認知症相談窓口」
都道府県・市区町村によっては「認知症相談ダイヤル」「認知症ケア相談窓口」が設けられている。介護・医療の専門職が対応する窓口で、どこに相談すべきかの案内をしてもらえる。
公益財団法人認知症の人と家族の会(全国組織)では「認知症の人と家族の会 相談電話」を運営しており、当事者・家族からの相談を受け付けている(全国共通ナビダイヤル)。
相談先5:弁護士・司法書士への直接相談(有料が基本)
後見申立て・家族信託・任意後見の具体的な手続きには、弁護士または司法書士への有料依頼が必要だ。ただし初回相談無料の事務所も多い。「初回無料相談」と明記している事務所に電話して、まず費用の見積もりを聞くことから始めるのが現実的だ。
日本司法書士会連合会のウェブサイトでは地域の司法書士を検索できる。日本弁護士連合会の「弁護士ドットコム」「ひまわりホットライン」でも近隣の弁護士を探せる。
相談前に「何を聞くか」を整理する
無料相談は時間が限られるため、相談前に以下の情報を整理しておくと話が進みやすい。
- 本人(親)の状況:認知症の診断時期・現在の程度・生活状況
- 財産の概要:預貯金の目安額・不動産の有無・主な取引銀行
- 家族の状況:兄弟の人数・同居か別居か・介護の担当者
- 困っていること・急いでいること:今すぐ対応が必要なことは何か
この4点を事前にメモしておくだけで、30分の相談時間を有効に使える。
この記事のまとめ
- 地域包括支援センター:介護・福祉の入口相談。無料・予約不要も多い
- 市区町村の法律相談:月数回・弁護士または司法書士。財産管理・後見の相談に対応
- 法テラス:収入要件を満たせば無料相談3回+費用立替制度
- 有料依頼は弁護士・司法書士へ。初回無料の事務所から始める
- 相談前に「本人の状況・財産概要・家族構成・困っていること」の4点を整理する
出典:介護保険法第115条の46(地域包括支援センター)、総合法律支援法(法テラスの根拠法)、厚生労働省「地域包括支援センターの事業内容」
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