▶ 通所介護(デイサービス)法定研修・訓練キット
通所介護で認知症の方への対応が難しくなる場面がある
送迎中の車内・デイルームでの活動中・食事のとき——通所介護の現場では、認知症の症状がある方への対応に困るタイミングがいくつかあります。拒否・暴言・繰り返しの訴え・帰宅欲求といったBPSD(行動・心理症状)への対応は、職員が一人で判断しなければならない場面も多いです。
こうした現場の課題を受けて、令和3年度の介護報酬改定で「認知症介護基礎研修の受講義務化」が加えられました。令和6年4月から完全義務化されています。
認知症介護基礎研修の受講義務(令和6年4月から完全義務化)
通所介護事業者は、無資格の介護職員に対して、認知症介護基礎研修を受講させることが義務付けられています。
対象:介護福祉士・看護師・相談員などの資格を持たない無資格の介護職員。
内容:認知症ケアの基礎を学ぶ約6時間の研修。都道府県が実施するe-ラーニング形式で受講できます。
未受講の職員がいると、介護職員処遇改善加算等の算定要件を満たせない場合があります。運営指導では受講管理台帳の確認が行われることがあります。
施設内の認知症対応研修で取り上げるテーマ
認知症介護基礎研修の受講とは別に、施設内で「認知症の方への対応」を定期的に研修テーマとして取り上げる事業所が多いです。
BPSDへの対応
帰宅欲求・繰り返しの訴え・拒否・暴言・暴力などのBPSD(行動・心理症状)への対応は、デイサービスで職員が特に困る課題の一つです。「なぜその行動が起きているのか(不安・痛み・環境の変化など)」という背景の視点で理解し、職員間で対応を共有する練習をすることが有効です。
送迎中の認知症対応
送迎車内で様子が変わる・車から降りたがらない・自宅玄関での混乱といった、通所介護特有の場面への対応手順を研修テーマにできます。ドライバーと生活相談員・介護職員の連携ルートも含めて確認しておくと役立ちます。
パーソン・センタード・ケアの視点
生活歴・好きなこと・習慣といった「その人らしさ」をケアに活かす視点です。利用者の個別ファイルに記録を蓄積し、スタッフ全員が共有する仕組みと組み合わせると研修の実用性が高まります。
認知症対応型通所介護との違い
「認知症対応型通所介護」は、認知症の診断を受けた方を主な対象とする別の介護保険サービスです。定員・人員基準が異なります。一般の通所介護とは別のサービスであるため、混同しないよう注意が必要です。今回の記事は一般の通所介護の内容を対象にしています。
受講管理の記録
認知症介護基礎研修については、修了証の管理と対象職員の受講状況の把握が必要です。受講管理台帳(職員名・資格の有無・受講日・修了証番号など)を整備しておくと、運営指導や加算の確認に対応しやすくなります。
施設内研修についても、実施記録(日時・内容・参加者)を残してください。
まとめ:通所介護の認知症対応研修の要点
- 認知症介護基礎研修の受講:無資格職員に義務(令和6年4月から完全義務化・e-ラーニングで受講可)
- 施設内研修のテーマ例:BPSDへの対応・送迎中の認知症対応・パーソン・センタード・ケア
- 受講管理台帳を整備し、修了証を保管する
- 運営指導では受講管理の状況が確認されることがある
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