小規模多機能型居宅介護のサテライト型の仕組み。本体と管理者を共有できる。

小規模多機能型居宅介護のサテライト型の仕組み。本体と管理者を共有できる。 介護

小規模多機能型居宅介護には「本体事業所」に加えて「サテライト型」という仕組みがあります。サテライト型を使うと、本体とは別の場所でサービスを提供しながら、管理者・計画作成担当者を本体と兼務することが可能です。この記事では、サテライト型の制度上の仕組み・メリット・人員基準・開業の留意点を整理します。

サテライト型小規模多機能型居宅介護とは

サテライト型小規模多機能型居宅介護は、本体の小規模多機能型居宅介護事業所との密接な連携のもとで、別の場所(サテライト拠点)においてサービスを提供する仕組みです。省令(平成18年厚生労働省令第34号)に規定されています。

サテライト型を設置することで、1つの事業所体制(管理者・計画作成担当者を共有)のまま、より広い地域の利用者を受け入れることが可能になります。

本体事業所とサテライト拠点の関係

本体事業所とサテライト拠点の主な違い
項目 本体事業所 サテライト拠点
管理者 常勤の管理者が必要 本体の管理者が兼務可
計画作成担当者 常勤の計画作成担当者(ケアマネジャー)が必要 本体の計画作成担当者が兼務可
看護職員 常勤換算1名以上が必要 本体の看護職員との連携で代替可
登録定員 29人以下 18人以下(本体とは別に定員を設定)
宿泊定員 9人以下 6人以下
通いの定員 18人以下(登録定員の3分の2以下) 12人以下(登録定員の3分の2以下)
指定 市区町村が指定 市区町村が本体と合わせて指定

サテライト型のメリット

サテライト型を活用することで、以下のメリットが得られます。

  • 管理コストの圧縮:管理者・計画作成担当者(ケアマネジャー)を本体と兼務できるため、専任での採用が不要。ケアマネジャーの確保が難しい地域では特にメリットが大きい
  • 広いエリアのカバー:本体の登録定員(29人)に加え、サテライトの定員(18人)で最大47人を登録可能。エリアを広げながら利用者を増やせる
  • 施設規模の段階的な拡大:本体で実績を積んでからサテライトを追加する形で、リスクを分散しながら事業規模を拡大できる
  • 看護職員の共有:サテライト拠点には独立した看護職員の配置が求められないため、看護師の採用コストを抑えられる

サテライト型の設置要件

サテライト型を設置するには以下の要件を満たす必要があります。

  • 既に小規模多機能型居宅介護事業所(本体)を運営していること(または本体と同時に設置申請すること)
  • 本体の事業所との距離が一定の範囲内であること(市区町村の判断による・おおむね同一日常生活圏域内)
  • 本体と緊密な連絡体制があること
  • サテライト拠点の設備基準(居間・食堂・宿泊室等)を満たすこと

サテライト型の人員基準

サテライト拠点に必要な人員の主な基準は以下のとおりです。

サテライト拠点の人員基準(省令)
職種 サテライトの人員基準
管理者 本体の管理者が兼務可(専任でなくてよい)
計画作成担当者 本体の計画作成担当者が兼務可
看護職員 本体との連携体制を整えることで代替可(専任配置が不要な場合がある)
介護職員 常勤換算2.5名以上(サービス提供時間中)

サテライト型の収支への影響

サテライト拠点を追加することで収支にどのような影響があるかを整理します。

サテライト型追加時の収支への影響
項目 影響
管理者・計画作成担当者の人件費 本体と兼務のため追加採用不要。本体の人件費が増加しない
介護職員の人件費 サテライト拠点に必要な介護職員は別途採用が必要
物件費(家賃・改修費) サテライト拠点の物件費が追加で発生
介護報酬収入 サテライトの登録者数に応じて月額定額収入が増加
スケールメリット 管理コストを共有しながら収入を増やせる

サテライト型は、本体事業所が一定の登録者数を確保して軌道に乗った後に追加するケースが多くあります。開業当初からサテライトを同時設置する場合は、管理体制の負荷が大きくなることに注意が必要です。

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)との違い

サテライト型と混同されやすいサービスとして「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」があります。

  • 看護小規模多機能型居宅介護:小規模多機能の通い・訪問・宿泊に加えて訪問看護を一体的に提供するサービス。看護職員をより手厚く配置し、医療的ケアが必要な利用者に対応
  • サテライト型小規模多機能:本体事業所の補完拠点。通い・訪問・宿泊の提供体制を別の場所に設けるもので、訪問看護を含むわけではない

小規模多機能型居宅介護のサテライト型も含めた収支計画の試算は、小規模多機能型居宅介護 収支シミュレーターで確認できます。

参考・出典

  • 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
  • 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)

この記事は2026年11月時点の法令に基づいています。

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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