漏電火災警報器に使われる変流器(ZCT・零相変流器)には、貫通型と分割型の2種類があります。どちらも漏洩電流を検知するという機能は同じですが、構造と設置方法が異なります。試験では写真識別(鑑別問題)でも出題されるため、両者の違いを正確に押さえておく必要があります。
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▶ 消防設備士 乙種第7類 問題集
変流器には貫通型と分割型の2種類がある
漏電火災警報器の変流器(ZCT)は、外形と設置方法の違いによって次の2種類に分けられます。
| 種類 | 別称 | 構造の特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 貫通型 | 環状型・リング型 | リング(輪)状で中央に穴がある。電線を穴に通して使う | 新設工事 |
| 分割型 | 開閉型・クランプ型 | 本体が2つに割れる構造。既設の電線に後付けできる | 既設電路への増設・改修 |
貫通型の構造と特徴
貫通型はドーナツ状(環状)の変流器で、中央の穴に電線を通して設置します。一般的な漏電火災警報器の変流器として広く使われている形状です。
電線を穴に通す必要があるため、配線工事の段階で設置する新設工事に向いています。電線がすでに接続されている既設の状態では、変流器を後付けするためには一度電線を切断して通し直す必要があります。
構造がシンプルで、電線を確実にリング内に通して固定できるため、接触不良が起きにくい点が特長です。
分割型の構造と特徴
分割型は変流器本体が2つに割れる構造(ヒンジまたはスライド式)になっており、既設の電線を切断せずにそのまま挟み込んで取り付けられます。既設電路への増設工事や、設備の改修時に後付けで設置する場合に適しています。
施工時間が短くて済むため、電路を停電させる時間を最小限にできる点が実務上のメリットです。ただし、取り付け部のかみ合わせが緩んでいないか、設置後に確認が必要です。
貫通型と分割型の使い分けの基準
どちらを使うかは、主に工事のタイミングと現場の状況で判断します。
- 新設工事(建物の新築・大規模改修で配線を引き直す場合):貫通型が基本
- 既設電路への後付け設置(既存建物への漏電火災警報器の新規設置):分割型が有利
試験問題では「どちらを使うべき状況か」という形で出題されることがあります。「電路をやり直せる状況か、既設のまま設置するか」という判断軸で覚えておくと迷いません。
貫通型・分割型に共通する設置基準
種類にかかわらず、変流器の設置基準は共通です。消防法施行規則第24条の2に定められた条件を守る必要があります。
往路と帰路の両電線を変流器に通すことが義務付けられています(施行規則第24条の2第1項第3号)。往路のみ、または帰路のみを通す設置は誤りです。正常な電路では往路と帰路の電流が等しく相殺されるため、両方通すことで初めて漏電時の電流差を検知できます。
また、設置位置は引込口に最も近い箇所とされています(施行規則第24条の2第1項第4号)。分電盤の内部や配線途中の任意の位置ではなく、電路が建物に引き込まれる最初の場所に設置することが原則です。
定格電流100A以下の制限はどちらの型にも適用される
漏電火災警報器の変流器が警戒できる電路の定格電流は100A以下です(規格省令第5条)。この制限は貫通型・分割型どちらにも同様に適用されます。
100Aを超える電路には変流器を設置しても規格を満たす動作が保証されないため、設計段階で確認が必要です。100A超の電路が警戒対象になる場合は、回路を分割するなどの対応が求められます。
鑑別問題での識別ポイント
乙7の鑑別問題(記述式)では、変流器の写真を見て名称・種類・用途を答える形式が出題されます。写真から識別するための見た目の特徴を整理しておきます。
| 種類 | 見た目の特徴 | 判別のポイント |
|---|---|---|
| 貫通型 | 完全に閉じたリング状。中央に穴がある | 継ぎ目・ヒンジがない、一体成形のリング |
| 分割型 | 本体に継ぎ目(ヒンジまたは切れ目)がある | 開閉部・ロック機構が見える |
写真問題では、継ぎ目やヒンジの有無が最初の判断材料になります。
貫通型・分割型のまとめ
| 項目 | 貫通型 | 分割型 |
|---|---|---|
| 別称 | 環状型・リング型 | 開閉型・クランプ型 |
| 構造 | 一体成形のリング | 2分割・ヒンジまたはスライド |
| 向いている工事 | 新設工事 | 既設電路への後付け |
| 電線の通し方 | 往路・帰路の両電線を通す(施行規則第24条の2第1項第3号) | 同左 |
| 設置位置 | 引込口に最も近い箇所(施行規則第24条の2第1項第4号) | 同左 |
| 定格電流 | 100A以下(規格省令第5条) | 同左 |
変流器の種類は、設置する状況(新設か既設か)によって選択します。設置後の基準(引込口付近・両電線・100A以下)は共通のため、種類に関係なく同じ条件が適用されることを覚えておきます。
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