駐車場には消火器の設置義務があります(消防法施行令第10条)。さらに床面積・階・収容台数によっては水噴霧消火設備・泡消火設備の設置義務も加わります。消火器は「いずれかの消火設備が設置されていても3分の1まで減少できる」に留まり、消火器が不要になるわけではありません。
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駐車場への消火器設置義務の根拠
消防法施行令第10条第1項は消火器具の設置が必要な防火対象物を規定しています。政令別表第1(十)項(車庫・駐車場・航空機格納庫)はすべて設置対象です(延べ面積を問わず設置義務あり)。
駐車場は可燃性のガソリン・軽油を搭載した車両が多数集まる場所です。一般の建物とは異なり、液体可燃物(B火災)が絡む火災リスクが高いことから、設置義務が厳しくなっています。
水噴霧消火設備・泡消火設備の設置義務と消火器の関係
駐車場の床面積・所在階によっては、消火器に加えて水噴霧消火設備(消防法施行令第13条)または泡消火設備(消防法施行令第13条の2)の設置も義務づけられます。
| 対象の種別 | 設置要件(当該部分の床面積) | 必要な消火設備 |
|---|---|---|
| 地階・2階以上の駐車の用に供する部分 | 200㎡以上 | 水噴霧または泡消火設備(+消火器) |
| 1階の駐車の用に供する部分 | 500㎡以上 | 水噴霧または泡消火設備(+消火器) |
| 屋上の駐車の用に供する部分 | 300㎡以上 | 水噴霧または泡消火設備(+消火器) |
| 昇降機等の機械装置による駐車 | 収容台数10台以上 | 水噴霧または泡消火設備(+消火器) |
出典:消防法施行令第13条第1項(水噴霧消火設備の設置義務)
上記の条件を満たす駐車場でも、水噴霧・泡消火設備が設置されることによって消火器の「設置個数を3分の1まで減少」できます(施行令第10条第3項)。消火器を0にできるわけではありません。
屋外駐車場(平面駐車場)の扱い
「すべての車両が同時に屋外に出られる構造の階」は水噴霧消火設備の設置対象外です(施行令第13条の注記)。一般的な屋外の平面駐車場はこれに該当することが多く、水噴霧・泡消火設備の設置義務は生じません。ただし消火器の設置義務は残ります(施行令第10条は面積問わず適用)。
消火器の設置場所・本数の考え方
消火器は歩行距離20m以下となるよう配置し、床から高さ1.5m以下の場所に設置します。駐車場はB火災対応が必要なため、能力単位B-2以上の消火器を使用します。
能力単位の算定は消防法施行令第10条第2項に基づきます。
- A火災(普通)の算定面積:主要構造部が耐火構造の場合100㎡で1単位
- B火災(油)の算定:当該部分の床面積25㎡ごとに1単位(B-1以上)
大型消火器の設置義務(施行令第10条第2項)
延べ面積(または当該部分の床面積)が一定以上の駐車場では、大型消火器(B-20以上)の設置義務も課されます(消防法施行令第10条第2項)。大型消火器は歩行距離30m以下に配置します。
まとめ
駐車場(政令別表第1(十)項)は消防法施行令第10条により、延べ面積によらず消火器具の設置義務があります。地下・2階以上の駐車場で200㎡以上の場合は水噴霧・泡消火設備も必要です(施行令第13条)。水噴霧・泡消火設備が設置されている部分では消火器の設置個数を3分の1まで減少できますが、消火器をゼロにすることはできません。屋外平面駐車場は水噴霧・泡消火設備不要ですが消火器は必要です。
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