消防設備士 甲3の重要ポイントまとめ。全範囲の数値・基準・手続きを一覧で確認。

消防設備士 甲種第3類(以下、甲3)の試験範囲は「消火設備の設置基準・機器の仕様・工事手続き・計算問題(薬剤量・充填比)・実技(製図)」と広範です。この記事では甲3の試験全範囲を網羅した重要ポイントを一覧形式でまとめます。試験直前の確認や、どこに穴があるかの点検に役立てください。

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1. 甲3の対象設備

設備の種類 主な薬剤 主な用途(設置場所)
CO2消火設備(不活性ガス) 二酸化炭素(CO2) 電算室・変電室・美術品保管室等(水損NG・導電性がある場所)
IG系消火設備(不活性ガス) IG-541・IG-55・窒素等 有人の防護区画にも使える。IG-541(窒素52%・アルゴン40%・CO₂8%)
HFC系消火設備(ハロゲン化物) HFC-227ea・HFC-23 電算室・通信機器室等。オゾン層を破壊しない
粉末消火設備 第1種〜第4種粉末(ABC粉末等) 駐車場・格納庫・ボイラー室等。再燃防止効果あり

2. 設置基準の重要数値

項目 数値・基準 根拠条文
CO2設計濃度(第1種ガス系) 34vol% 消防法施行規則§19・消防庁告示
CO2設計濃度(第2種ガス系) 50vol% 同上
遅延時間(起動後放出まで) 20秒以上 消防法施行規則§19
貯蔵容器の温度条件 40℃以下 消防法施行規則§19・高圧ガス保安法
CO2高圧式充填比 1.5L/kg以下(容積/質量) 消防法施行規則§19
選択弁の設置 防護区画ごとに1個 消防法施行規則§19
手動起動装置の設置位置 防護区画の出入口付近(屋外側) 消防法施行規則§19
音響警報装置の設置位置 防護区画内と出入口付近の両方 消防法施行規則§19

3. 工事手続きの重要数値

手続きの種類 期限・内容 根拠条文
着工届 工事開始の10日前までに消防長・消防署長に届出 消防法第17条の14
設置届 工事完了から4日以内に消防長・消防署長に届出 消防法第17条の3の2
完成検査 設置届提出後に消防機関が実施。基準適合で完成検査結果通知書が発行 消防法第17条の3の2
甲種免状の受験資格(実務経験) 指定学科卒業者は実務経験なし、その他は2年以上の実務経験 消防法施行規則§33の3

4. 計算問題の公式

CO2薬剤量の計算(全域放出方式)

薬剤量(kg)=防護区画の体積(m³)×単位体積あたりの薬剤量(kg/m³)

  • 第1種ガス系(34%):0.75kg/m³以上(消防庁告示の基準値)
  • 第2種ガス系(50%):1.3kg/m³以上

充填比の計算(CO2高圧式)

充填比(L/kg)=容器の内容積(L)÷充填薬剤量(kg)

基準:充填比1.5L/kg以下(容器1Lあたり薬剤0.67kg以上入れる)

粉末薬剤量の計算(全域放出方式)

薬剤量(kg)=防護区画の体積(m³)×単位体積あたりの薬剤量(kg/m³)

  • 第1種(炭酸水素ナトリウム系):0.60kg/m³以上
  • 第2種・第3種(炭酸水素カリウム系等):0.36kg/m³以上
  • 第4種(リン酸アンモニウム系等):0.36kg/m³以上

5. 機器の種類と役割のまとめ

機器名 役割 甲3試験でよく問われる点
貯蔵容器 薬剤を貯蔵する高圧ガス容器 温度40℃以下・防護区画外・充填比1.5L/kg以下
集合管 複数の容器からのガスを1本にまとめる 安全弁を設ける位置
選択弁 起動した防護区画への配管だけを開放する 防護区画ごとに1個必要
起動用ガス容器 容器弁を開放するための加圧ガスを貯蔵 CO2系では容器弁をガス圧で開放する
安全弁 過圧時に自動で圧力を逃がす 集合管上に設置
噴射ヘッド 防護区画内に薬剤を放出する 設置間隔・個数・設置高さの基準
手動起動装置 人が手動で設備を起動する操作部 防護区画出入口付近の屋外側に設置
音響警報装置 薬剤放出前に人に避難を促す警報器 防護区画内と出入口付近の両方に設置
自動閉鎖装置 放出前に開口部・換気設備を閉鎖する 薬剤が漏れないよう防護区画を密閉する
排出装置 放出後に防護区画のCO2を排出する換気設備 消火後の入室前に排出確認が必要

6. 製図問題(実技)の重要ポイント

  • 系統図の機器の接続順序:貯蔵容器→容器弁→集合管→(安全弁)→選択弁→配管→噴射ヘッド
  • 起動系統の接続順序:感知器→制御盤→起動用ガス容器→容器弁開放
  • 不備の指摘問題:貯蔵容器が防護区画内・選択弁の数が不足・手動起動装置が内側・安全弁がない等がよく出る

7. 受験資格と免状の取得手続き

項目 内容
甲種の受験資格(主なもの) 指定学科(機械・電気・建築等)の大学・短大・高専・高校卒業者、または実務経験2年以上
試験の免除 乙3の免状取得者・電気工事士・機械設備の技術者等は一部科目が免除になる
免状の申請先 都道府県知事(試験を実施した都道府県の知事)
定期講習 免状の取得後、一定の期間ごとに講習(危険物取扱者の保安講習と同様に義務)

甲3の試験は「設置基準の数値(40℃・20秒・4日・10日・充填比1.5等)」「機器の種類と役割」「製図(系統図)」の3つが核心です。上記の一覧で数値に穴がないかを確認してから本番に臨んでください。

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出典:消防法・消防法施行規則第19条・消防法第17条の14(着工届)・消防法第17条の3の2(設置届・完成検査)・消防庁告示(各ガス系消火設備の設計濃度・薬剤量)。
作成日:2026年11月5日

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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