二級ボイラー技士試験【ウォーターハンマー】原因と防止・配管ドレン管理

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ボイラーの排ガス管理は、熱効率の向上・環境負荷の低減・事故防止の3つを同時に追う重要なテーマです。二級ボイラー技士試験では「排ガスの組成と燃焼の良否の関係」「排ガス損失の原因と対策」「ばいじん・NOxの低減策」が出題されます。

排ガスの組成で燃焼状態を判断する

燃焼が正常に行われると、燃料中の炭素(C)は完全酸化されて二酸化炭素(CO₂)になり、水素(H)は水蒸気(H₂O)になります。完全燃焼時の排ガスには、CO₂・H₂O・過剰空気分のN₂・未使用のO₂が含まれます。

排ガス成分 燃焼状態の判断
CO₂(二酸化炭素)が高い 炭素が完全に酸化されている良好な燃焼のサイン(ただし空気が少なすぎる場合も高くなる)。
CO(一酸化炭素)が検出される 空気不足による不完全燃焼。炭素が完全に酸化されずCOが生じている。排ガス損失が増加し熱効率が低下する。
O₂(酸素)が高い 過剰空気が多い状態(空気過多)。過剰な空気は余分な排ガス熱損失を引き起こす。
すす(未燃炭素)が検出される 空気不足または混合不良による不完全燃焼。煤塵排出が増える。

排ガス温度と熱損失の関係

排ガス損失は、ボイラーの熱損失の中で最も大きい割合を占めます(通常、ボイラー熱損失の60〜80%が排ガス損失)。排ガス温度が高いほど、排ガスが持ち去る熱エネルギーが大きくなります。

排ガス温度を下げる主な方法は以下のとおりです。

  • エコノマイザーの設置:排ガスの熱で給水を予熱し、排ガス温度を低下させながら給水温度を上げる。
  • 空気予熱器の設置:排ガスの熱で燃焼用空気を予熱し、排ガス温度を低下させながら燃焼効率を高める。
  • スケールの除去:伝熱面のスケールは熱の伝わりを妨げるため(スケール1mmで熱効率約2〜3%低下)、定期的に除去する。
  • 適正空気比の維持:過剰空気を減らすことで排ガス量を下げ、排ガスが持ち去る熱を減らす。

空気比(過剰空気率)の管理

空気比(m)とは、実際に供給する空気量(実際空気量)を理論空気量(完全燃焼に必要な最低限の空気量)で割った値です。

  • 空気比 = 1.0:理論空気量ちょうど。完全燃焼が理想だが、実際には混合が不完全になりCOが出る。
  • 空気比 > 1.0(過剰空気あり):実際に使われる数値。一般に重油燃焼で1.15〜1.3、ガス燃焼で1.1〜1.2程度が目安。
  • 空気比が高すぎる:排ガス量が増え、排ガス熱損失が増加。NOxも増える傾向。
  • 空気比が低すぎる:不完全燃焼でCO・すすが発生し、未燃損失が増加。

ばいじん・NOxの発生抑制

ばいじん(排ガス中の固体微粒子)とNOx(窒素酸化物)は大気汚染の原因であり、大気汚染防止法に基づく排出基準が設けられています。

汚染物質 発生原因 主な低減策
ばいじん(すす・煤塵) 不完全燃焼(空気不足・燃料の霧化不良) 適正な空気比の維持・バーナーの点検・重油の適正予熱温度の確保
NOx(窒素酸化物) 高温燃焼による窒素の酸化(サーマルNOx)・燃料中窒素の酸化(フューエルNOx) 低NOxバーナーの使用・燃焼温度の抑制・二段燃焼・排ガス再循環
SOx(硫黄酸化物) 燃料中の硫黄分の燃焼による酸化 低硫黄燃料への転換・排煙脱硫装置の設置

排ガス分析の方法

排ガスの組成はオルザット分析装置(Orsat Apparatus)を使って分析します。CO₂・O₂・COの体積百分率を測定し、燃焼状態と空気比を把握します。現在は連続自動測定できる排ガス分析計も普及しています。

試験頻出ポイントと誤りやすい問題

  • CO(一酸化炭素)が排ガスに含まれることは「不完全燃焼のサイン」。「完全燃焼の証拠」は誤り。
  • 排ガス損失はボイラー熱損失の中で「最も大きい」。
  • スケール付着は「熱効率を低下させる」。伝熱を妨げるため排ガス温度が上昇する。
  • 空気比が高すぎると「排ガス熱損失が増える」。「不完全燃焼になる」は空気比が低い場合の話。
  • エコノマイザーの役割は「排ガスの熱で給水を予熱する」。蒸気を作るためではない。

この記事のまとめ

  • 排ガス中のCO検出は不完全燃焼のサイン。適正な空気比(重油:1.15〜1.3)を維持する。
  • 排ガス損失はボイラー熱損失の中で最大。エコノマイザー・空気予熱器・スケール除去で低減する。
  • 空気比が高すぎると排ガス損失増加、低すぎると不完全燃焼損失増加。バランスを取る。
  • ばいじんは不完全燃焼で増加。NOxは高温燃焼で増加。低NOxバーナーと適正な空気比が有効。

出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題・ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov法令検索)
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月

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この記事を書いた人

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