HFC-23(トリフルオロメタン、CHF₃)は、ハロゲン化物消火薬剤の一種で、商品名「FE-13」として知られます。設計濃度は約14.6vol%とHFC-227ea(約7〜8vol%)より高めですが、NOAEL(無毒性影響濃度)が30vol%と非常に高く、設計濃度と安全濃度の間に大きなマージンがあります。超低温環境でも凝固せずに使用できる特性から、特殊な冷凍倉庫・電算室等への適用例があります。
この記事では、HFC-23の化学特性・設計濃度・NOAEL・HFC-227eaとの比較を整理します。
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HFC-23の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 化学名 | トリフルオロメタン(Trifluoromethane) |
| 化学式 | CHF₃ |
| 別名・商品名 | FE-13(3M社)・HFC-23 |
| 状態(常温) | 気体(無色・無臭)。加圧容器内では液化して保管 |
| 沸点 | −82℃(非常に低い。超低温環境でも気体状態を保てる) |
| オゾン破壊係数(ODP) | 0(ハロンと異なりオゾン層を破壊しない) |
| 地球温暖化係数(GWP) | 14,800(CO₂比)。温暖化への影響が大きい |
設計濃度とNOAEL・LOAEL
| 濃度の種類 | HFC-23 | HFC-227ea(比較) |
|---|---|---|
| 設計濃度(消防庁告示) | 約14.6vol% | 約7〜8vol% |
| NOAEL(無毒性影響濃度) | 30vol% | 9vol% |
| LOAEL(最小毒性影響濃度) | 30vol%超 | 10.5vol% |
HFC-23はNOAELが30vol%と非常に高く、設計濃度(約14.6vol%)との差が大きいため、安全マージンが最も大きい薬剤の一つです。有人の防護区画でも比較的安全に使用できます。
HFC-23とHFC-227eaの比較
| 比較項目 | HFC-23 | HFC-227ea |
|---|---|---|
| 化学式 | CHF₃(炭素1個) | CF₃CHFCF₃(炭素3個) |
| 設計濃度 | 約14.6vol%(高め) | 約7〜8vol%(低め) |
| NOAEL | 30vol%(非常に高い) | 9vol% |
| 低温特性 | 沸点−82℃で超低温環境に対応 | 沸点−16℃。常温〜やや低温まで |
| 薬剤量(同一体積比) | HFC-227eaより多く必要 | 少ない量で済む |
| GWP | 14,800(非常に高い) | 3,220(高い) |
HFC-23が選ばれる用途
HFC-23は次のような特殊な環境に適用されることがあります。
- 超低温の冷凍・冷蔵倉庫(HFC-227eaは低温で液化できない環境でも、HFC-23は気体として放出できる)
- コンピュータ室・データセンター(高いNOAELによる安全性)
- 特殊な精密機器室・航空機格納庫の設備
試験の出題ポイント
- 「HFC-23の化学式(化学名)を答えよ」→ 答え:CHF₃(トリフルオロメタン)
- 「HFC-23のNOAELは何vol%か」→ 答え:30vol%
- 「HFC-23が超低温環境でも使用できる理由は何か」→ 答え:沸点が−82℃と非常に低いため、超低温環境でも気体として放出できる
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出典:消防法施行規則第19条(ハロゲン化物消火設備の基準)・消防庁告示(設計濃度)・NOAEL/LOAELはISO 14520-14(HFC-23)による。
作成日:2026年11月5日

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