消防設備士 甲種第2類(甲2)の試験では、法令科目(消防関係法令)から15問が出題されます。消防法・施行令・施行規則の「甲2に関係する条文」を中心に問われます。法令の全体構造を理解した上で、甲2に直結する条文番号・内容を覚えることが合格の近道です。
法令科目の出題構成
法令科目15問の内訳を整理します。
| 出題区分 | 問題数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 消防法・令・規則の共通問題(各類共通) | 6問 | 消防法の目的・防火対象物・消防設備士制度・点検報告義務等 |
| 甲2固有の法令問題 | 9問 | 泡消火設備の設置義務・設置基準・工事・整備の規定 |
共通問題は全甲乙類で同様の問題が出ます。甲1・乙6等の他類を先に取得している場合は共通問題の多くが既知のため、甲2固有の部分に集中できます。
消防法の全体構造
消防法は「防火・消防の体制」「消防用設備等の設置・点検」「危険物」に関する法律です。消防設備士の試験に関係する主な条文を整理します。
- 第1条:目的(火災の予防・鎮圧・被害軽減)
- 第4条:消防吏員の立入検査権限
- 第17条:消防用設備等の設置・維持義務
- 第17条の2:設置基準に係る規定
- 第17条の3の3:点検・報告義務
- 第17条の5:消防設備士の業務独占(工事・整備)
- 第17条の12:免状返納命令
- 第17条の13:講習受講義務
- 第17条の14:着工届の義務
- 第21条の2:型式承認(検定制度)
これらは甲2の法令問題で繰り返し登場します。条文番号と内容のペアを確認しておきましょう。
消防法施行令の重要条文(甲2関連)
消防法施行令は設置基準の詳細を規定しています。甲2に関係する主な条文を整理します。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第13条 | 泡消火設備の設置義務対象(駐車場・格納庫・指定可燃物等の用途・面積・台数の条件) |
| 第17条 | 特定防火対象物(百貨店・病院・ホテル等)の定義 |
| 第17条の2 | 消防設備士以外が行える作業の範囲 |
特に施行令第13条の「泡消火設備の設置義務対象」の条件(面積・台数・用途)は頻出です。駐車場の条件(屋内1,000㎡以上・屋外200台以上等)は数値で覚えておきましょう。
消防法施行規則の重要条文(甲2関連)
消防法施行規則は設置基準の技術的詳細を規定しています。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第15条 | 泡消火設備の設置基準(フォームヘッドの有効散水面積9㎡・放射量75L/min) |
| 第16条 | 泡消火設備の水源水量(放射時間10分以上) |
| 第19条 | 手動起動装置の設置基準(設置高さ・表示・格納箱) |
| 第31条の6 | 点検の基準(機器点検6か月・総合点検1年) |
| 第33条の8 | 甲種消防設備士の受験資格 |
| 第33条の12 | 科目免除の規定 |
法令の覚え方:条文番号と内容のセット記憶
法令問題は「この内容は施行令・施行規則のどちらに規定があるか」という区分も問われます。整理するポイントを示します。
- 「設置義務対象(どの建物に設置するか)」→ 消防法施行令(主に施行令第13条)
- 「設置の技術基準(どう設置するか)」→ 消防法施行規則(主に施行規則第15条〜第19条)
- 「消防設備士の業務・免状」→ 消防法(第17条の5・第17条の13等)
「令」「規則」「法」の3層構造を意識すると、条文番号が思い浮かばなくても「設置義務は令に書いてある→施行令第13条」と導けます。
法令問題の頻出テーマ別チェックリスト
法令15問で特に出題頻度が高いテーマをチェックリスト形式で整理します。
- □ 泡消火設備の設置義務対象の用途・面積条件(施行令第13条)
- □ 消防設備士の業務(工事・整備・点検)の区分と甲乙の違い(消防法第17条の5)
- □ 点検の種類と周期(機器6か月・総合1年)(施行規則第31条の6)
- □ 点検結果報告の周期(特定1年・非特定3年)(消防法第17条の3の3)
- □ 着工届の提出期限(工事着工10日前)(消防法第17条の14)
- □ 講習受講の義務(5年ごと)(消防法第17条の13)
- □ 型式承認の対象品(フォームヘッド・一斉開放弁等)(消防法第21条の2)
このリストの項目を全て正確に答えられれば、法令15問で12問以上(80%)を狙えます。
法令の学習のコツ
法令科目は暗記が多いため、繰り返しが有効です。次の学習方法が効率的です。
- 条文番号→内容の一方向だけでなく、内容→条文番号(逆引き)も練習する
- よく出る条文をカードに書いて移動中に確認する
- 問題集を解きながら、間違えた問題の根拠条文を必ずテキストで確認する
- e-Govで実際の条文テキストを読む(1〜2条文でもよい)と根拠の理解が深まる
法令は得点しやすい科目です。苦手意識を持たず、繰り返しで確実に覚えましょう。
消防設備士制度の法的根拠(甲2関連)
消防設備士制度は消防法第17条の5以降に規定されています。甲2を取得すると次の業務ができます(消防法第17条の5)。
- 泡消火設備の工事(新設・増設・配管改造):甲種のみ
- 泡消火設備の整備(修繕・交換・調整):甲種・乙種
- 泡消火設備の点検(機器点検・総合点検):甲種・乙種・消防設備点検資格者
この業務区分を「工事は甲種のみ、整備は甲乙可、点検は点検資格者も可」と覚えると、法令問題の正誤判断がしやすくなります。
着工届・竣工届の義務
甲2の工事では着工前に「着工届」を消防署に提出します(消防法第17条の14)。着工届の提出期限は「工事に着手しようとする日の10日前まで」です。工事完了後は「設置届(竣工届)」を提出し、消防署の検査を受けます。
「着工届の提出期限」は法令問題の頻出テーマです。「工事着手の10日前」という数値を正確に覚えておきましょう。「7日前」「14日前」が誤り選択肢として出ることがあります。
消防設備士の名義貸しの禁止
消防設備士は免状を他人に貸したり、他人が自分の名前で工事・整備をすることを許してはなりません(消防法第17条の11)。名義貸しは免状取消しの対象になります。甲2の法令問題では「名義貸し禁止」が選択肢に出ることがあります。
甲2の受験資格と法令の関係
甲種消防設備士の受験資格は消防法施行規則第33条の8に規定されています。試験の法令問題では受験資格の区分(学歴・甲種免状・乙種免状+実務等)が選択問題で出ます。「誰でも受験できる」「乙種のみで実務なしで受験できる」などの誤り選択肢と区別できるようにしておきましょう。
防火対象物と消防用設備等の関係
消防法第17条では、防火対象物の関係者(所有者・管理者・占有者)が消防用設備等を設置・維持する義務があると定めています。「設置義務は誰にあるか」が法令問題として出ます。答えは「防火対象物の関係者(所有者・管理者・占有者)」です。建物の管理会社・テナントも含まれる点が重要です。
法令問題の学習リソース
法令の学習には次のリソースが活用できます。
- e-Gov法令検索(elaws.e-gov.go.jp):消防法・施行令・施行規則の原文を無料で参照可能
- 消防試験研究センター公式サイト:受験案内・試験概要・試験科目(最新情報)
- 市販のテキスト(「工藤本」等):法令問題の頻出事項を整理した問題集
法令は改正されることがあります。法令の数値・規定を覚える際は出典(施行令・施行規則の条文番号)も一緒に覚えておくと、改正があった際に最新情報へのアップデートがしやすくなります。
法令問題の頻出パターンと解き方
甲2の法令問題には次の出題パターンがあります。それぞれの解き方のコツを整理します。
正誤問題(4択)
「次のうち誤っているものはどれか」という形式。誤りの選択肢は正しい数値・内容を1箇所だけ変えた形で出ます。「30秒→60秒に変えた」「7日前→10日前に変えた」など。正しい数値を確実に覚えていれば解けます。
穴埋め問題
「〇〇は( )月ごとに点検する」という形式。数値の暗記が直接問われます。
組み合わせ問題
「次の(ア)〜(エ)のうち正しいものの組み合わせはどれか」という形式。複数の正誤判断が必要です。1つの数値でも間違えると答えが変わるため、全体の正確な暗記が必要です。
法令学習の進め方(2週間プラン)
法令15問を2週間で集中的に学習するプランを示します。
| 期間 | 内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | 消防法・施行令・施行規則の全体構造をテキストで通読 | 各1〜2時間 |
| 4〜7日目 | 甲2固有の条文(施行令第13条・施行規則第15条等)を集中的に覚える | 各1〜2時間 |
| 8〜11日目 | 問題集の法令問題を解き、間違えた問題の条文を確認する | 各1〜2時間 |
| 12〜14日目 | 弱点の復習・頻出数値の総確認 | 各1〜2時間 |
法令は暗記科目のため、繰り返しが効きます。1回読んで覚えようとするより、3〜4回繰り返す方が定着します。スキマ時間(移動中・休憩中)を活用した暗記が有効です。
消防設備士業務の区分(甲種と乙種の違い)
甲2の法令問題で最頻出テーマの1つが「甲種と乙種の業務区分」です。業務の範囲を整理します。
| 業務 | 甲種 | 乙種 | 点検資格者 |
|---|---|---|---|
| 泡消火設備の工事(新設・増設・改造) | 可 | 不可 | 不可 |
| 泡消火設備の整備(修繕・交換・調整) | 可 | 可 | 不可 |
| 泡消火設備の点検(機器・総合) | 可 | 可 | 可(消防設備点検資格者) |
「工事は甲種のみ」「整備は甲乙ともに可」「点検は点検資格者も可」の3点が頻出です。「乙種2類の消防設備士は泡消火設備の工事ができる」→ 誤り(工事は甲種のみ)というパターンで出ます。
消防設備士に関係する法令の改正確認方法
消防法・施行令・施行規則は改正されることがあります。試験を受ける前に最新の情報を確認する方法を整理します。
- e-Gov法令検索(elaws.e-gov.go.jp):現行の条文を無料で参照できる。条文番号を直接入力して検索可能
- 消防試験研究センター公式サイト:試験科目・受験案内が最新版に更新される。受験前に必ず確認する
- 消防庁公式サイト:施行規則・告示の改正情報が掲載される。泡消火設備に関係する技術的基準の改正はここで確認
法令の改正は頻繁ではありませんが、試験の出題基準も改正に合わせて更新されます。市販テキストの刊行年次を確認し、古いテキストを使う場合は最新の施行規則・告示の数値を自分でチェックすることを推奨します。
法令科目の合格ラインの目安
甲2の法令15問で合格ラインをクリアするために必要な正答数と学習目標を整理します。
- 科目別足切り:15問中6問以上の正答が必要(40%以上)
- 合格レベルの目標:15問中10〜12問正答(67〜80%)
- 得点源にする目標:15問中12問以上(80%以上)
法令は暗記科目のため、繰り返しの学習で正答率を上げやすいです。構造機能・実技に時間をかけつつ、法令は移動中・スキマ時間で繰り返し確認することで、試験全体のバランスを保てます。「法令で足切り」という事態を防ぐためにも、最低限の暗記(頻出数値・条文区分・業務区分)は早い段階で終わらせておきましょう。
法令問題の練習で意識すること
法令15問を確実に得点するために、問題集を解く際に意識すべきポイントをまとめます。
- 間違えた問題の根拠条文を必ず確認する:「なぜ誤りか」を条文で確認することで暗記の精度が上がる
- 「消防法・施行令・施行規則」の3層を意識する:どの法律のどの条文に規定があるかを意識しながら覚える
- 誤り選択肢のパターンを覚える:「7日前→正しくは10日前」「20分→正しくは30分」など誤り選択肢に使われる数値を把握する
- 問題を2〜3周解く:1周目は理解、2周目は弱点確認、3周目は総復習という流れが効果的
法令は試験全体の3分の1(15/45問)を占める重要科目です。暗記で乗り切れる科目でもあります。構造機能や製図より早い段階で仕上げておくと、試験直前の総復習を効率化できます。法令を早期に仕上げることで、残りの学習期間を構造機能の計算問題・実技の製図・鑑別に集中させることができます。全科目の足切りをクリアした上で合格ラインの60%を超えるためには、法令を安定的な得点源にしておくことが理想的です。条文の3層構造(法・令・規則)を理解し、業務区分と頻出数値を確実に覚えた受験生は、法令15問で12問以上を安定して正答できます。
法令科目は全45問中15問(全体の33%)を占めます。構造機能(25問)ほど問題数は多くないですが、足切り(40%以上)をクリアする必要がある重要科目です。暗記を早期に仕上げ、試験直前に再確認することで安定した得点源にできます。
法令問題の練習は消防設備士 甲種第2類 AI問題集で。筆記106問は無料で解けます。
消防設備士全般の情報は消防設備士の問題集・試験対策(5類横断)をご覧ください。
出典:消防法・消防法施行令第13条・消防法施行規則第15条〜第33条の12・消防試験研究センター「試験科目及び問題数」。

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