認知症でリフォーム費用が払えない。介護保険の住宅改修費制度と口座凍結時の対処

認知症の親が自宅のリフォームを希望しているが、費用をどう払えばいいかわからない。口座が凍結されて資金が引き出せない・成年後見申立て中で後見人がまだいない・費用の見積もりが高くて払える見通しがない——リフォーム費用の支払い問題は実際に起きやすい。費用の出所と、口座が使えない状況での現実的な対処を整理した。

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認知症の親のリフォームで費用が払えない主な理由

次の状況でリフォーム費用が払えなくなることが多い。

  • 口座が凍結されて親の貯金を引き出せない
  • 成年後見申立て中で、後見人がまだ選任されていない(選任に2〜4か月かかる)
  • 介護保険の住宅改修(20万円まで補助)を申請したいが手続きがわからない
  • バリアフリーリフォームの補助金・助成金を探したい

介護保険の「住宅改修費」制度(最大20万円まで9割が支給)

介護保険の「住宅改修費」制度は、要介護(要支援)認定を受けた方が自宅をバリアフリー改修する際に、改修費用(上限20万円)の7〜9割が支給される制度だ(介護保険法第45条)。

対象工事は「手すりの取り付け」「段差の解消」「床材の変更(滑りにくい素材)」「扉の変更(引き戸等)」「洋式便器への変更」の5種類に限られる。

手続きの流れは「事前申請(市区町村の介護保険課)→施工→支給申請→支給」の順番だ。事前申請なしに先に工事を行うと支給されない場合がある。

介護保険の住宅改修とは別の補助金・助成金

介護保険の住宅改修とは別に、次の補助金・助成金も活用できる場合がある。

  • 市区町村の住宅改修補助:高齢者向けのバリアフリー改修補助を設けている市区町村がある。内容・金額・条件は市区町村によって異なる。市区町村の「住宅政策課」「建築指導課」「高齢者福祉課」に確認する
  • 国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業」等:住宅の省エネ・耐震・バリアフリー改修に活用できる補助金(時期によって内容が変わるため最新情報を確認する)

口座が使えない状況での費用支払い

親の口座が凍結されている状況でリフォーム費用を支払うには次の方法を検討する。

  1. 介護保険の住宅改修費制度を活用して家族が立て替える:介護保険の住宅改修費は工事後に「支給申請」することで自己負担分(1〜3割)以外が戻る。残りの費用は一時的に家族が立て替え、後見人選任後に本人口座から精算する
  2. 後見人の選任を急いで進める:後見人が選任されれば、本人口座からリフォーム費用を支払える。工事開始を後見人選任後に調整することも検討する
  3. 業者への支払い猶予交渉:「後見申立て手続き中で資金が一時的に使えない」と業者に事情を説明し、工事後の支払い猶予または分割払いを相談する

「訪問販売によるリフォーム詐欺」への注意

認知症の一人暮らし高齢者を狙った「訪問販売によるリフォーム詐欺」(屋根の補修・床下の補修等を必要以上に高額な費用で契約させる)は実際に多い。

不審なリフォーム業者が来た場合は、その場で契約させない・家族に相談するよう伝える。クーリングオフ期間内(書面交付後8日以内・特定商取引法)であれば無条件で解除できる。

この記事のまとめ

  • 介護保険の「住宅改修費」制度(上限20万円・7〜9割支給)は事前申請が必要
  • 口座が凍結されている場合は「家族が立て替え・後見人選任後に精算」が現実的
  • 市区町村の独自の住宅改修補助も確認する
  • 訪問販売によるリフォームはクーリングオフ(8日以内)で解除できる

出典:介護保険法第45条(住宅改修費)、特定商取引法(クーリングオフ)、国土交通省「住宅改修の補助金・助成金制度」

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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