登録日本語教員の基礎試験・応用試験の受験者数は、制度の普及とともにどのように推移しているでしょうか。この記事では、公表されている受験者数のデータを整理し、今後の受験者動向について考えます。
第1回・第2回の受験者数
登録日本語教員の基礎試験・応用試験は2024年(令和6年度)から始まりました。公表されているデータをもとにした受験者数・合格率の参考値を紹介します。
| 試験回 | 年度 | 基礎試験 受験者数(参考) | 合格率(参考) |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 令和6年度(2024年) | 約17,655人 | 62.6% |
| 第2回 | 令和7年度(2025年) | 約17,597人 | 67.5% |
(出典:文部科学省等の公表資料をもとにした参考値。最新データは試験実施機関または文部科学省の公式情報で確認してください)
受験者数が多い背景
第1回・第2回で年間約17,000〜18,000人が受験していた背景には「経過措置期間」の影響があります。
登録日本語教員制度には「経過措置」(2024年4月〜2026年3月)があり、既存の日本語教師(一定の経験・資格を持つ現職者)が通常の養成課程修了なしに試験を受験できる期間でした。現役の日本語教師が一斉に受験したことで、第1回・第2回は受験者数が一時的に高水準になったと考えられます。
経過措置終了後(2026年3月以降)は、新規の受験者が「試験のみの受験者」と「養成課程修了後の受験者」に絞られるため、受験者数がどのように変化するかは今後の推移を見る必要があります。
在留外国人の増加と日本語教師の需要
日本国内の在留外国人は2024年時点で395万人を超えており、増加傾向が続いています。在留外国人の増加に伴い、認定日本語教育機関に在籍する学習者数・求められる日本語教師の数も増加することが見込まれます。
登録日本語教員の受験者数が長期的にどうなるかは、在留外国人の増加・認定機関の新設・増加・日本語教育の需要拡大など複数の要因によって変わります。ただし、在留外国人395万人超という市場規模を考えると、日本語教師の需要が大きく落ちる構造的な要因は少ないとみられます。
「受験者数・合格率」を就職活動でどう使うか
年間約17,000〜18,000人が受験し、62〜68%が合格するということは、年間約10,500〜12,000人程度が合格していることになります(第1回・第2回の参考値から計算)。
ただし、合格者全員が認定機関に就職するわけではありません。次のような受験者層が含まれることに注意が必要です。
- すでに認定機関(元・告示機関)に勤務しており、資格を更新・正式化するために受験した現職教師
- 将来の転職・副業に備えて資格を取得しておきたい受験者
- 地域日本語ボランティア活動に活かしたい受験者
- 日本語教育を副業として始めたい受験者
合格者の中から「就職活動を積極的に行う新規入職希望者」の数は合格者全体より少なくなります。就職市場では採用枠・求人数・競合の経験年数を含めて判断することが重要です。
今後の受験者数の見通し
経過措置終了後(2026年3月以降)の受験者数の推移は次のような要因で変わってきます。
- 認定機関の増加:認定機関が増えるほど登録日本語教員として働ける場所が増え、資格取得の動機が高まる
- 養成課程の整備:養成課程(420時間以上)を提供する機関の増加・オンライン化が進むことで受験者の裾野が広がる可能性がある
- 在留外国人の増加:外国人労働者・留学生の増加に伴い、日本語教師の需要が拡大する
- 制度の認知度向上:登録日本語教員という国家資格の認知度が高まることで受験者が増える可能性がある
逆に受験者数の増加を鈍化させる要因としては「養成課程の費用・期間が参入障壁になる」「合格後の就職市場が飽和している印象が広がる」などが考えられます。
受験申込から合格発表までのスケジュール
登録日本語教員の基礎試験・応用試験は年1回実施されます。第1回・第2回の実績をもとに、おおよそのスケジュールを参考としてまとめます(詳細は各年の公式情報を確認してください)。
| 時期(参考) | 内容 |
|---|---|
| 5〜7月ごろ | 試験実施機関・試験日・申込期間の発表 |
| 7〜8月ごろ | 受験申込受付開始(インターネット申込) |
| 8〜9月ごろ | 申込締め切り・受験票送付 |
| 11月(第1・第2週ごろ) | 基礎試験・応用試験の実施 |
| 12〜1月ごろ | 合格発表 |
各年度の正確なスケジュールは試験実施機関の公式ウェブサイトで確認してください。申込締め切りを過ぎると原則受付不可のため、早めに確認することをおすすめします。
受験者数が多い時期・少ない時期
年1回実施の試験では、受験者の申込期間が1〜2か月程度に集中します。申込期間が近づく夏〜秋にかけて、次のような受験者が動き出します。
- 前年度不合格者:再受験を決意して次年度の申込期間に合わせて学習を再開する
- 春〜夏に養成課程を修了した人:修了直後の試験を目指して秋の申込期間に間に合わせる
- 転職・キャリアチェンジを検討している社会人:秋〜冬に資格取得の準備を始める
年1回の試験であることを意識して「今年の試験に間に合うか」を逆算して学習計画を立てることが重要です。申込締め切りまでに養成課程を修了できない場合は、翌年の試験を目標にした計画に切り替えることも選択肢に入れてください。
在留外国人の増加と受験動機の関係
登録日本語教員の資格を取得する動機は「認定機関に就職するため」だけではありません。次のような多様な動機が受験者数に影響しています。
- 認定機関への就職・転職:最も多い動機。元告示機関(日本語学校)への就職・他業種からの転職
- 地域日本語ボランティア活動:地域の外国人住民への日本語支援を専門的に行いたい
- 副業・フリーランス:オンライン日本語教師として副業・フリーランスで活動したい
- 海外での日本語教育:海外の日本語学習者に教えたい(海外勤務・海外ボランティア等)
- スキルアップ:現在の仕事に活かすための自己研鑽(観光業・国際交流業等)
在留外国人395万人超という市場規模を考えると、日本語教師の需要は「認定機関(元・日本語学校)」だけでなく、地域日本語教室・企業内日本語研修・オンライン授業など多岐にわたります。受験動機が多様な分、受験者層の裾野も広がっています。
受験者数の数字から分かる「試験の位置づけ」
年間約17,000人という受験者数は、国家試験の中では中規模です。参考として他の資格試験との比較を示します。
| 試験 | 年間受験者数(参考) |
|---|---|
| 登録日本語教員 基礎試験 | 約17,000〜18,000人(第1〜2回・経過措置含む) |
| 介護福祉士国家試験 | 約75,000〜90,000人程度 |
| ITパスポート試験 | 約260,000人程度(年間) |
| 日本語教育能力検定試験(民間) | 約4,000〜5,000人程度 |
日本語教育能力検定試験(民間)と比べると受験者数が大きいことが分かります。在留外国人の増加・認定機関制度の整備という追い風を受けた新しい国家資格として、今後も注目度は高まることが見込まれます。
受験者数の推移から学習計画を立てる
受験者数の変化は「今後の試験の難易度・競争率」の目安にもなります。受験者数が増えれば合格ラインが上がる可能性があり、受験者数が減れば合格ラインが下がる可能性があります(ただし登録日本語教員の基礎試験は絶対評価型で「各区分6割以上」が合格基準のため、受験者数の増減が直接合格基準に影響するわけではありません)。
受験者数のデータは「何年度に受験するか」を考える際の参考になります。
- 経過措置終了後(2026年3月以降)は受験者の層が変わる。現役日本語教師の大量受験が落ち着き、養成課程修了者が中心になる可能性がある
- 在留外国人の増加・認定機関の増加が続く場合、長期的には受験者数が増加基調になる可能性がある
- 試験の認知度が高まるにつれ、副業・地域支援目的の受験者が増える可能性がある
よくある質問
Q. 受験者数は増えていますか・減っていますか?
第1回(令和6年度)と第2回(令和7年度)の受験者数は約17,600〜17,700人程度と横ばいでした(参考値)。経過措置終了後(2026年3月以降)の受験者数の推移は今後の公表データを確認してください。
Q. 合格者数が多いと就職が難しくなりますか?
合格者数が多いこと自体は就職の難易度を直接下げるわけではありません。就職の競争率は「合格者数」だけでなく「認定機関の採用枠(求人数)」「求人を出す機関の増加・減少」「採用に求める経験年数・条件」によって変わります。在留外国人の増加・認定機関の増加が続く場合は求人が増える可能性があります。
Q. 受験者数のデータはどこで確認できますか?
文部科学省・試験実施機関の公式ウェブサイトで受験者数・合格者数・合格率が公表されています。検索エンジンで「登録日本語教員 基礎試験 合格者数 令和○年度」と検索すると最新データを確認できます。
受験者数の変化が自分の学習に影響するかを考える
受験者数の推移を把握することは「試験の難易度・競争率の変化」を間接的に知る手がかりです。ただし、登録日本語教員の基礎試験は絶対評価型(各区分6割以上)であるため、「受験者が多いから合格が難しくなる」という関係はありません。
受験者数・合格者数の変化を気にするより「自分が6割以上を安定してとれるか」という観点から学習を進めることが合格への近道です。
年1回の試験だからこそ「今年受けるか翌年受けるか」の判断が重要
年1回実施の試験では「今年の試験に間に合うか・来年にした方が十分な準備ができるか」という判断が重要です。次のような場合は翌年受験を検討することも合理的な選択です。
- 申込締め切りまでに養成課程を修了できない可能性がある
- 準備が十分でなく、全区分で6割以上の自信が持てない
- 仕事・育児・健康など生活上の制約から十分な学習時間が確保できない
逆に「準備が足りないままでも今年受けて感覚をつかむ」という戦略もあります。第1回と第2回の合格率は62〜68%であり、適切な準備があれば通過できる試験です。受験年度を慎重に選びながら、まず「実際に受験する」という姿勢が合格への第一歩です。
まとめ
- 第1回・第2回の受験者数は約17,000〜18,000人・合格率は62〜68%(経過措置受験者を含む)
- 経過措置終了後(2026年3月以降)は受験者数の変化が見込まれる。在留外国人の増加・認定機関の増加が需要を支える構造
- 合格者全員が認定機関に就職するわけではない。就職活動では求人数・採用枠・競合の経験を考慮することが重要
- 登録日本語教員制度の認知度向上・養成課程の整備が進むことで受験者の裾野が広がる可能性がある
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合格率について詳しく知りたい場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
試験のスケジュール・申し込み手順については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
登録日本語教員の基礎試験・応用試験を受験するにあたり、「いつ申し込むか」「いつ試験対策を始めるか」を逆算することが重要です。申込期間(例:7〜8月ごろ)から逆算すると、春〜初夏に養成課程を修了・または試験対策を本格化させることが理想的なタイミングになります。受験を検討している方は、早めに試験実施機関のウェブサイトで年間スケジュールを確認してください。
この記事に掲載している受験者数・合格率の数字は、文部科学省等の公表資料をもとにした参考値です。正確な最新データは文部科学省・試験実施機関の公式情報で確認してください。受験年度によって数字は変わる場合があります。
登録日本語教員制度・試験の位置づけを改めて確認したい方は、こちらの記事もご覧ください。
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