移動式クレーンの巻上装置の仕組み:ドラム・シーブ・ブレーキの構造

移動式クレーン運転士の過去問・AI問題演習はこちら
公表問題2回分80問が無料。AI生成問題(¥980・買い切り)で初見問題に慣れておくと安心です。
→ 移動式クレーン運転士 過去問・AI問題演習を使う

移動式クレーンの巻上装置(ウインチ)はフックを上下させる中核部品です。試験では巻上装置の構成部品・ドラムの種類・ブレーキの仕組みが出題されます。

巻上装置の基本構成

巻上装置は「動力源(電動機または油圧モータ)→減速機→ドラム→ワイヤロープ→シーブ(滑車)→フックブロック」という流れでフックを上下させます。

部品名 役割
電動機(または油圧モータ) 動力を発生させる
減速機(ギヤボックス) 電動機の高回転を低速高トルクに変換する
ドラム(巻胴) ワイヤロープを巻き取る・送り出す円筒形の胴
ブレーキ ドラムの回転を止めて荷を保持する
ワイヤロープ ドラムとフックを結ぶ引張部材
シーブ(滑車) ワイヤロープの方向を変える滑車
フックブロック フックとシーブを組み合わせた吊り具部分

ドラムの種類

巻上ドラムには「一層巻きドラム(溝付き)」と「多層巻きドラム(溝なし)」があります。

種類 特徴
溝付きドラム(一層巻き) ドラム表面に溝(グルーブ)がありワイヤロープが整列して巻かれる。ワイヤロープの損傷が少ない
溝なしドラム(多層巻き) ドラム表面が平滑で複数層にワイヤロープが巻かれる。大量のロープを巻き取れる

巻上ブレーキの仕組み

巻上装置のブレーキには「電磁ブレーキ(無励磁作動型)」が多く使われています。無励磁作動型は電源が切れると(停電・緊急停止時)スプリングの力でブレーキがかかり、荷が落下しない設計です。

巻上ブレーキの種類:

  • ドラムブレーキ(内部拡張式):ドラムの内側からライニングを押し広げてブレーキをかける
  • ディスクブレーキ:ディスクを両側からパッドで挟んでブレーキをかける
  • 電磁ブレーキ:電磁石の力でブレーキをかける・解放する

シーブ(滑車)の役割

シーブはワイヤロープを方向転換させる滑車です。複数のシーブを組み合わせることで「掛数」が増え、同じ引張力でも重い荷をつることができます。

例:4本掛けのシーブ組み合わせ→フック部に4本のワイヤロープが並走する→1本分の力で4倍の重量をつり上げられる(ただしドラムの引き込み量は4倍必要になる)

試験でよく問われるポイントまとめ

  • ドラム→ワイヤロープ→シーブ→フックブロックの順で力が伝わる
  • 無励磁作動型電磁ブレーキ:電源が切れるとブレーキがかかる
  • 溝付きドラム(一層巻き)はワイヤロープの整列・損傷防止に有効
  • シーブの掛数を増やすと大きな荷重を扱えるが、ドラムの引き込み量も増える

ドラムとシーブの配置が作業能力に与える影響

クレーンの巻上げ装置は「ドラム・シーブ・フック」の組み合わせで構成されます。シーブを多く組み合わせることで、力を増大させることができますが、速度は遅くなります。

シーブの数 効果
1個(単滑車) 力の増大なし。ロープの向きを変えるだけ
2個(動滑車1個) 力が約2倍になる(フックへの引き分け数が2)
ロープ掛け数が多い 力は大きくなるが、速度は遅くなる

ドラムのロープ溝とフリートアングルの意味

ドラムにはロープを整列して巻き取るための溝(らせん状の溝)が設けられています。ロープがドラムに対して斜めに入る角度を「フリートアングル」と呼び、この角度が大きすぎるとロープの偏摩耗や乱巻きが生じます。

適切なフリートアングルの範囲:一般に4〜5度以下が推奨されます。シーブの位置やドラムの幅を設計段階で調整することで適正範囲に収めます。

ロープの乱巻きと対策

ドラムにロープが乱雑に重なる「乱巻き」が発生すると以下の問題が起きます。

  • ロープが圧迫・折れ曲がりで損傷する
  • 巻き上げ動作が不安定になる
  • ロープが溝から外れる可能性がある

乱巻きを防ぐために、作業終了後はフックをゆっくり下げながら残りロープをドラムに整列させて巻き取ることが重要です。

移動式クレーン運転士の過去問・AI問題演習はこちら
公表問題2回分80問が無料。AI生成問題(¥980・買い切り)で初見問題に慣れておくと安心です。
→ 移動式クレーン運転士 過去問・AI問題演習を使う
この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

ご質問はメールで。電話・面談はしていません。

fufumumu_designをフォローする
Uncategorized
fufumumu_designをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました