第2類危険物(可燃性固体)一覧|品名・指定数量・消火方法を表で解説

第2類危険物「可燃性固体」は硫化りん・赤りん・硫黄・鉄粉・金属粉・マグネシウム・引火性固体の7品名です。指定数量は100kg・500kg・1,000kgの3グループに分かれ、危険等級はIIまたはIIIです(消防法施行令別表第一・第二類)。消火方法は物質によって「水OK」と「水厳禁(禁水)」に大きく分かれるため、各品名の特徴を組み合わせて覚えることが乙2試験合格の要点です。

第2類危険物7品名の全体像

品名 指定数量 危険等級 禁水 消火方法
硫化りん 100kg II 禁水 乾燥砂
赤りん 100kg II 不要 水・泡
硫黄 100kg II 不要 水・泡
鉄粉 500kg III 禁水 乾燥砂
金属粉 500kg III 禁水 乾燥砂・膨張ひる石
マグネシウム 500kg III 禁水 乾燥砂・膨張ひる石
引火性固体 1,000kg III 不要 泡・CO₂・粉末

出典:消防法施行令別表第一(第二類)。禁水性の物質(硫化りん・鉄粉・金属粉・マグネシウム)には水・泡消火剤を使ってはいけません。

硫化りん(指定数量100kg・危険等級II)

硫化りんは黄色の固体で、代表物質は三硫化四りん(P₄S₃)・五硫化二りん(P₂S₅)です。発火点が100℃以下と非常に低く、わずかな熱・摩擦で発火するリスクがあります。水と反応すると硫化水素(H₂S)が発生するため、水での消火は禁止です。マッチの頭薬の成分として知られています。

  • 外観:黄色固体
  • 発火点:100℃以下(P₄S₃は約100℃)
  • 水との反応:P₄S₃ + H₂O → H₂S発生(硫化水素)
  • 燃焼反応:P₄S₃ + 8O₂ → P₄O₁₀ + 3SO₂
  • 消火:乾燥砂(水厳禁)

赤りん(指定数量100kg・危険等級II)

赤りんは暗赤色の無定形固体で、黄りん(第3類・自然発火性)の同素体です。発火点は約260℃と黄りん(約34℃)より大幅に高く、毒性も低いため取り扱いが比較的安全です。マッチの側薬(箱の側面の赤い部分)として使われます。燃焼すると五酸化二りん(P₂O₅)が生成されます。

  • 外観:暗赤色無定形固体
  • 発火点:約260℃
  • 毒性:低い(黄りんとの大きな違い)
  • 燃焼反応:4P + 5O₂ → 2P₂O₅
  • 消火:水・泡消火剤可

試験では「赤りんは第2類(可燃性固体)、黄りんは第3類(自然発火性)」という分類の違いが頻出です。

硫黄(指定数量100kg・危険等級II)

硫黄は淡黄色の固体(斜方硫黄・単斜硫黄等の同素体)です。融点が113℃と低く、加熱すると溶融して流れ出します。静電気を帯びやすく、粉末状になると粉じん爆発の危険もあります。燃焼すると二酸化硫黄(SO₂)が発生し有毒です。消火には水・泡が使えます。

  • 外観:淡黄色固体
  • 融点:113℃、沸点:444.6℃
  • 発火点:約260℃
  • 燃焼反応:S + O₂ → SO₂(二酸化硫黄・有毒)
  • 静電気を帯びやすい点が特徴
  • 消火:水・泡消火剤可

鉄粉(指定数量500kg・危険等級III)

鉄粉は鉄(Fe)の粉末で、目開き53μmの篩を通過するものが50%未満のものは「鉄粉」として規制対象外になります(消防法施行令別表第一備考)。燃焼すると高温になります。水と反応するため乾燥砂での消火が原則です。

  • 外観:灰色〜黒色粉末
  • 法令上の定義:目開き53μmの篩を50%以上通過するもの
  • 消火:乾燥砂(水厳禁)

金属粉(指定数量500kg・危険等級III)

金属粉はアルミニウム(Al)・亜鉛(Zn)等の粉末です。目開き150μmの篩を50%超通過するものが「金属粉」として規制されます(消防法施行令別表第一備考)。アルミニウム粉は水・酸との反応で水素(H₂)が発生します。テルミット反応(Al + Fe₂O₃)を起こす危険もあります。

  • 外観:銀白色粉末(Al)・灰白色粉末(Zn)
  • 法令上の定義:目開き150μmの篩を50%超通過するもの
  • 反応:2Al + 6H₂O → 2Al(OH)₃ + 3H₂↑
  • 消火:乾燥砂・膨張ひる石(水厳禁)

マグネシウム(指定数量500kg・危険等級III)

マグネシウムは銀白色の軽金属です。燃焼温度が2000℃以上と非常に高く、一度着火すると消火が困難です。水と反応して水素が発生し、CO₂と反応してCや有毒ガスを生成するため、水・CO₂での消火は禁止です。

  • 外観:銀白色の軽い金属
  • 燃焼温度:2000℃以上(白く明るく燃える)
  • 反応:Mg + H₂O → MgO + H₂↑(高温)
  • 消火:乾燥砂・膨張ひる石(水・CO₂厳禁)

引火性固体(指定数量1,000kg・危険等級III)

引火性固体は、固形アルコール・ゴム糊・ラッカーパテなど、1気圧のもとで引火点が40℃未満のものです(消防法施行令別表第一備考)。第2類の中で指定数量が最大の1,000kgです。

  • 代表物質:固形アルコール・ゴム糊・ラッカーパテ
  • 法令上の定義:1気圧で引火点が40℃未満のもの
  • 消火:泡・CO₂・粉末(水も使える場合あり)

第2類危険物の指定数量グループ(語呂合わせ)

7品名を3グループに分けて覚えると試験で得点しやすくなります。

  • 100kgグループ(危険等級II):硫化りん・赤りん・硫黄(3つとも「りん」「硫」の字が入る)
  • 500kgグループ(危険等級III):鉄粉・金属粉・マグネシウム(金属性が強い3種)
  • 1,000kgグループ(危険等級III):引火性固体のみ

各物質の発火点・融点・沸点の一覧

乙2試験では各物質の物理的特性も問われます。発火点が低い物質は扱いに特に注意が必要です。

物質 発火点 融点 特記事項
硫化りん(P₄S₃) 約100℃ 172℃ 発火点が100℃以下と非常に低い
赤りん 約260℃ 分解(昇華) 黄りん(34℃)より発火点が大幅に高い
硫黄 約260℃ 113℃ 静電気を帯びやすい
マグネシウム 約473℃(粉末) 650℃ 燃焼温度は2,000℃超
アルミニウム粉 約645℃ 660℃ 微粒子になると粉じん爆発の危険

金属粉・鉄粉の法令上の定義と「除外物質」

乙2試験(性質消火)で出題される「金属粉」「鉄粉」の法令上の定義を正確に押さえておくことが重要です。

  • 金属粉の定義(消防法施行令別表第一備考):アルカリ金属・アルカリ土類金属・鉄・マグネシウム以外の金属の粉で、目開き150μmの篩を通過するものが50%超のもの。
  • 鉄粉の除外(同備考):目開き53μmの篩を通過するものが50%未満のものは鉄粉に当たらない(規制対象外)。
  • マグネシウムの扱い:マグネシウムは金属粉の定義から除外されていますが、別途「マグネシウム」として規制されます。
  • アルミニウム粉:金属粉として規制。ただし高純度アルミ箔などは形状によっては除外される場合がある。

試験では「150μmの篩」「53μmの篩」「50%」という数字が選択肢に出やすいので、正確な数値と対応する物質名をセットで覚えましょう。

第2類危険物と水の反応(消火方法に直結)

7品名を「水と反応するかどうか」で分類することが消火方法を覚える最大のポイントです。

分類 物質 水との反応 消火方法
禁水(水と反応する) 金属粉(Al) 2Al + 6H₂O → 2Al(OH)₃ + 3H₂↑ 乾燥砂
禁水 マグネシウム Mg + H₂O → MgO + H₂↑(高温) 乾燥砂
禁水 硫化りん P₄S₃ + H₂O → H₂S発生 乾燥砂
禁水 鉄粉 Feは高温で水と反応してH₂発生 乾燥砂
水可 硫黄・赤りん ほぼ反応しない 水・泡消火剤可
水可 引火性固体 反応しない 泡・CO₂・粉末

各品名と試験で問われやすい引っかけポイント

品名 引っかけポイント 正しい答え
硫化りん 「水で消火できる」→正か誤か 誤り。水と反応してH₂S(硫化水素)が発生する。
赤りん 「赤りんは第3類に属する」→正か誤か 誤り。赤りんは第2類(可燃性固体)。第3類は黄りん。
硫黄 「硫黄の燃焼は無害」→正か誤か 誤り。SO₂(二酸化硫黄)が発生し有毒。
金属粉 「指定数量は100kg」→正か誤か 誤り。金属粉は500kg。100kgは硫化りん・赤りん・硫黄。
マグネシウム 「CO₂消火器を使える」→正か誤か 誤り。MgはCO₂と反応するため不可(Mg + CO₂ → MgO + C)。

第2類危険物の貯蔵・取り扱いの法令規制

乙2試験の法令科目(全科目受験者)では、第2類危険物の貯蔵・取り扱いに関する法令規制も出題されます。重要な規制を整理します。

  • 屋外貯蔵所での貯蔵:第2類危険物のうち屋外貯蔵所での貯蔵が認められるのは「硫黄のみ」(消防法施行令第26条)。金属粉・硫化りん・赤りん等は屋外貯蔵所では貯蔵不可。
  • 混在貯蔵の禁止:第2類は第1類(酸化性固体)・第6類(酸化性液体)との混在貯蔵が原則禁止(同令第26条)。可燃物と酸化剤が接触すると激しい反応が起きるため。
  • 貯蔵の基準:防湿・乾燥した場所で火気・高温体から遠ざけて貯蔵。金属粉は容器を密封して湿気を遮断する(危険物の規制に関する規則第24条等)。

第2類危険物の運搬時の混載禁止

第2類危険物を車両で運搬する際は、混載禁止の組み合わせに注意が必要です(消防法施行令第30条)。

危険物の類 第2類との混載
第1類(酸化性固体) 禁止
第3類(自然発火性・禁水性) 禁止
第4類(引火性液体) 禁止
第5類(自己反応性) 禁止
第6類(酸化性液体) 禁止

実際には第2類は他のほとんどの類と混載禁止です。試験では「第2類と混載禁止でないのはどれか」という問い方で出題されることもあります。

乙2の勉強で活用できる教材・ツール

乙2の試験勉強で使える教材・ツールを特徴別に比較します。

教材・ツール 特徴 おすすめ対象
市販テキスト(乙2専用) 体系的に学べる・法令も含む総合学習 初受験・全科目受験者
AI問題集(本サイト) スキマ時間に演習可・解説付き 乙4保有者・免除受験者
ウェブサイト・まとめ記事 無料・一覧確認に便利 知識の確認・補足
フラッシュカード(手書き) 指定数量・品名の暗記に効果的 短期集中型の受験者

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この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

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