経営計画書を白紙から書き始めようとすると、最初の1行が出てきません。「自社の強みは何か」と問われても、日常の業務をこなしていると、当たり前になりすぎて見えにくくなっています。
書き始める前に、3つのことを先に整理すると手が動きやすくなります。①自社の外から見た立ち位置、②これまでの顧客との関係から見えてきた強み、③補助事業によって「何が変わるか」のイメージです。
この記事では、持続化補助金の経営計画書を書く前の準備として、何を考えておくと書きやすいかを整理します。
「強み」は「同業他社にはないもの」から見つける。
「自社の強みを書いてください」と言われたとき、多くの事業者が書くのは「品質の高さ」「対応の丁寧さ」「経験年数」です。これらは強みですが、審査員には伝わりにくい表現です。
強みを具体的に言語化するには、「同業他社ではなく自社を選んだ顧客が、何を評価しているか」を出発点にします。
たとえば:
- 「急な依頼でも対応してもらえる」→ 対応の柔軟性・即応性
- 「他の業者には聞きにくいことを相談できる」→ 顧客との信頼関係の深さ
- 「近くにいるから安心」→ 地域密着の実績・アクセスの良さ
- 「○○の技術は他にない」→ 専門技術・希少性
「顧客が自社を選んだ理由」を言葉にする作業が、強みの整理の第一歩です。口コミ・レビュー・紹介元から実際に言われた言葉があれば、そのまま使えます。
「機会・脅威」は自社の外側の変化から整理する。
経営計画書では、自社の強み・弱みに加えて、外部環境(市場の変化・競合・顧客ニーズの変化など)の分析も求められます。
「機会」として使いやすい視点:
- 自社の業界でデジタル化・SNS活用が普及し始めている(自社はまだできていない)
- 近年、地域で同業者が廃業し、需要が残っている
- 高齢化・共働き世帯の増加により、自社のサービスへのニーズが高まっている
- コロナ後の人流回復や観光需要の戻り
「脅威」として使いやすい視点:
- 大手・チェーン店の近隣への出店
- マッチングサービス・比較サイトへの依存が業界全体で増えている
- 原材料費・人件費の上昇
- 業界の担い手不足・後継者問題
機会・脅威は、自分の業界の外から見た視点です。「今の自社は、変わっていく環境の中でどこにいるか」という問いに答える作業です。
「補助事業でどう変わるか」を先に決める。
経営計画書を書く前に、「補助事業を実施した1年後に何が変わっているか」を1〜2行で言えるようにしておきます。これが決まると、計画書の全体が逆算で書けるようになります。
「1年後に何が変わっているか」の例:
- 自社のホームページから月1件以上の問い合わせが来るようになっている
- チラシ配布により、新規顧客が現在の月2件から5件に増えている
- SNSでの発信が定期化し、フォロワーが500人を超えている
- 新商品を3品ラインナップし、既存顧客へのリピートが月10件増えている
この「1年後の変化」が、補助事業の必要性・経営方針・目標・経費計上の根拠をすべてつないでいきます。「なぜこの補助事業が必要か」の答えがこの1〜2行に入っているからです。
商工会・商工会議所との連携は早めに。
持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けることが申請要件の一つです。「事業支援計画書(様式4)」の交付を受ける必要があります(出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」公募要領)。
商工会・商工会議所への相談は、申請締切のギリギリではなく、早めに行くことをおすすめします。経営計画書の内容へのアドバイスをもらえる場合があり、計画書の完成度が上がります。
初めて相談する場合は、「持続化補助金の申請を検討している」と伝え、担当の経営指導員に会う約束をとるところから始めます。
「整理」と「書く」を分けると手が動く。
白紙に経営計画書を書こうとすると、「整理しながら書く」という二つの作業を同時にやることになります。これが手を止める原因の一つです。
先に「整理」を終わらせてから「書く」に入ると、計画書が早く完成します。整理の段階では完成度を求めず、思いついたことを箇条書きで出すだけで十分です。
- 強みのメモ:顧客から言われたこと・他社にはないこと
- 弱みのメモ:自分が気になっていること・改善したいこと
- やりたい補助事業のメモ:何に使いたいか・なぜそれが必要か
- 1年後の変化のメモ:補助事業の後、何が変わっているか
これらを先に出してから、計画書の形式に当てはめていくと、白紙に向かうより手が動きます。
審査4観点に沿って整理できるツール。
「持続化補助金 計画づくりメモ」は、審査4観点(経営状況・経営方針・補助事業・経費)に沿った質問に答えながら、計画書の内容を整理できるWebツールです。
AIが入力内容を読み、「この項目では何が不足しているか」「次に考えるべきことは何か」を返します。申請書の文章を代わりに作成するツールではなく、「自分で書くための整理の補助」に特化しています。
まとめ
- 強みは「顧客が自社を選んだ理由」から言語化すると具体的になる
- 機会・脅威は業界の外側の変化(デジタル化・競合の増減・顧客層の変化)から整理する
- 「補助事業の1年後に何が変わっているか」を先に決めると、計画書全体が逆算で書ける
- 商工会・商工会議所への相談は締切ギリギリでなく早めに
- 「整理」と「書く」を分けると手が動きやすくなる


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