「体重×2gのタンパク質をとれ」とよく言われます。体重70kgなら140g。これを毎日食べ続けることが、どれだけ難しいかを実感している人は多いはずです。
この記事では、タンパク質の摂取が続かない理由と、現実的に続けるための工夫を整理します。
なぜ毎日140gが難しいのか。
主な食品のタンパク質量を確認すると、難しさの理由がわかります。
| 食品 | 量 | タンパク質(概算) |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 100g(生) | 約22g |
| 卵 | 1個(50g) | 約6g |
| 豆腐(木綿) | 1丁(300g) | 約18g |
| サバ缶(水煮) | 1缶(190g) | 約33g |
| ギリシャヨーグルト | 100g | 約10g |
| ご飯 | 1膳(150g) | 約3.8g |
(文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
140gを食品だけで取ろうとすると、鶏むね肉を636g(生)食べる計算になります。実際にはほかの食品からも取れますが、毎食意識しないと届きません。
日本の食事スタイルとの相性問題
和食・定食スタイルの食事は、タンパク質よりも炭水化物と脂質の比重が大きくなりやすいです。ご飯・みそ汁・煮物が中心だと、1食のタンパク質は15〜20g程度にとどまることが多い。1日3食でも合計60g前後になります。
鶏肉や魚を積極的に増やさないと、目標値には届きません。
食べ続けることの飽き・コスト
鶏むね肉・サバ缶・卵を毎日食べていると飽きます。プロテインパウダーは補助として有効ですが、それだけで20〜30gを補うためには毎日継続が必要で、コストもかかります。
続けるための現実的な工夫。
工夫1:「タンパク質の多い食品」を食事の主役にする
「副菜をタンパク質源にしない」という意識です。サバ缶・鶏むね肉・ツナ缶・豆腐・卵を「主菜」として毎食確保することで、1食あたり25〜35gを安定して取れます。
昼食に外食が多い場合は、定食の主菜を魚か肉に固定するだけでも変わります。丼物よりも定食(主菜+副菜)の方がタンパク質量が多い傾向があります。
工夫2:プロテインを「補助」として使う
食事だけで目標に届かない日に、プロテインで補います。1杯で20〜25gのタンパク質を補えるので、10〜20g程度の不足を埋めるのに有効です。
プロテインをメインにして食事を減らすと、脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルのバランスが崩れます。補助として使い、食事でのタンパク質摂取を基本にする方が持続しやすいです。
工夫3:毎日記録して「どれだけ足りていないか」を把握する
感覚で管理していると、「今日は食べた」という主観が邪魔をして実際の数字を把握できません。
記録をつけ始めると、「昼食が意外とタンパク質を取れていない」「夜に集中しすぎている」という偏りが見えます。偏りがわかれば、どの食事を変えればいいかが具体的になります。
工夫4:目標を「毎日達成」から「週平均で達成」に変える
筋タンパク質の合成は24〜48時間単位で起きるため、1日の摂取量が少し下回っても翌日補えれば問題ありません(Witard et al., 2016 / Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism)。
「今日は外食で取れなかったから失敗」ではなく、「週の平均で目標に近ければいい」と考えると続けやすくなります。
「今日のタンパク質があと何g足りているか」がわかる記録ツール。
PFCをグラム単位で記録できるWebアプリ「グラム帳」は、目標カロリー・タンパク質・脂質・炭水化物をグラムで直接入力できます。
食事を記録するたびに「今日あと何g足りているか」がリアルタイムで表示されるため、「1日の残りの食事で何を食べるか」を判断しやすくなります。
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」から2,538食品を収録しています。食品名で検索して記録できます。
まとめ
- 体重70kgで目標140gのタンパク質は、毎日意識しないと届かない量
- 日本の食事スタイルは炭水化物・脂質の比重が大きく、タンパク質が不足しやすい
- 食事の主菜を鶏肉・魚・卵・豆腐に固定すると1食25〜35gを安定して確保できる
- プロテインは補助として使い、食事からの摂取を基本にする
- 毎日完璧に達成しなくていい。週平均で目標に近ければ筋肉の合成には十分
- 記録をつけると「どの食事が足りていないか」が見えて改善しやすくなる
(出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」/ Witard OC et al. (2016). Myofibrillar muscle protein synthesis rates subsequent to a meal in response to small and large bolus doses of dairy and soy protein. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism. / 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」たんぱく質の推奨量)


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