化学物質のリスクアセスメントとは。5ステップとリスク低減措置の優先順位

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リスクアセスメントとは、作業場の危険性・有害性を特定し、そのリスクの大きさを見積もり、リスクを低減する措置を検討する体系的な方法です。化学物質についてはリスクアセスメントの実施が義務付けられており(安衛法第57条の3)、試験では義務化の対象・リスクアセスメントの5ステップ・リスク低減措置の優先順位が問われます。

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リスクアセスメントの義務化

化学物質等のリスクアセスメントは安衛法第57条の3に定められています。SDS(安全データシート)の提供が義務付けられている化学物質(安衛法第57条の2・安衛則別表第21に掲げる物質)を製造・取り扱う事業場では、リスクアセスメントの実施が義務です。

リスクアセスメントの5ステップ

ステップ 内容
①危険性・有害性の特定 作業場で使用・発生する化学物質等のSDSを収集し、危険性・有害性を把握する
②リスクの見積り 「発生可能性(頻度・確率)」と「重篤度(被害の大きさ)」を組み合わせてリスクの大きさを見積もる
③リスク低減措置の検討 リスクを許容可能なレベルに下げるための措置を優先順位に従って検討する
④リスク低減措置の実施 検討した措置を実施する
⑤記録と文書化 実施内容・結果を記録して保存する(義務)

リスク低減措置の優先順位

リスク低減措置は「より根本的な対策」が優先されます。優先順位は次のとおりです。

  1. 設計変更・危険物質の代替:危険な物質や工程そのものをなくすか、危険性の低いものに変える(最優先)
  2. 工学的対策:隔離・閉じ込め・局所排気装置の設置など、設備・機械的な対策
  3. 管理的対策:作業手順の変更・ローテーション・教育訓練・立ち入り禁止区域の設定
  4. 保護具の使用:個人用保護具(マスク・手袋・保護衣等)(最後の手段・補完的な対策)

保護具は「ハザードをなくす」のではなく「労働者への曝露を減らす」ものなので、他の対策を取った上での最後の補完的手段として位置付けられます。

リスクの見積り方法

リスクの大きさは「リスク=発生可能性(確率)× 重篤度(被害の大きさ)」で評価するのが一般的です。実際には数値的な計算だけでなく、次のような方法も使われます。

  • マトリクス法:「可能性」と「重篤度」を表のマス目で評価する方法
  • 数値化法:各要素に点数を付けて合計値でリスクの大きさを表す方法
  • 作業観察法:実際の作業を観察してリスクを特定する方法

化学物質のリスクアセスメントの記録保存

リスクアセスメントの結果・実施したリスク低減措置は記録し、3年間保存しなければなりません(安衛則第34条の2の8)。

試験での出題ポイント

  • 義務化の対象:SDSの提供義務がある化学物質(安衛法第57条の2の物質)
  • リスクの見積り:「発生可能性 × 重篤度」の組み合わせ
  • リスク低減措置の優先順位:①代替 → ②工学的 → ③管理的 → ④保護具の順
  • 保護具は最後の手段(単独では不十分。他の措置との組み合わせが必要)
  • 記録保存:リスクアセスメントの結果は3年間保存

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出典:
・労働安全衛生法 第57条の2・第57条の3
・労働安全衛生規則 第34条の2の7・第34条の2の8
・厚生労働省「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(令和5年4月改正版)

最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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