介護施設で、採用のお仕事をされている方へ。
「求人を出しているのに、応募がなかなか来ない」。そんなお悩みを、抱えていませんか。
先に、1つだけお伝えします。応募が来ないのは、あなたの施設の魅力が足りないからではありません。
この記事では、なぜ応募が来にくいのかを、数字を交えてお話しします。そして、今日からすぐにできる、具体的な見直し方を3つ、実例つきでご紹介します。読み終わるころには、「まずこれをやってみよう」がはっきり見えるはずです。
目次
- 応募が来ないのは、あなたの施設だけではありません(数字で見る)
- 【意外な事実】人が辞める一番の理由は、お給料ではありません
- 求人サイトを増やしても、応募が増えないことがある理由
- 今日からできる、3つの見直し(実例つき)
- 面接の無断キャンセルを、減らすために
- もう一つの角度:応募者は「あなたの施設を検索して」から決めています
- よくある質問
- まとめ
応募が来ないのは、あなたの施設だけではありません(数字で見る)
まず、数字を見てみましょう。むずかしくありません。
「有効求人倍率」という言葉があります。かんたんに言うと、1人の求職者に対して、何件の求人があるかを表す数字です。この数が大きいほど、求人を出す側にとっては「人が採りにくい」ということになります。
介護関係の仕事は、この数がとても高いです。令和5年で、およそ4.02倍とされています(出典:厚生労働省の職業安定業務統計。内閣府『令和6年版高齢社会白書』にも記載されています)。とくに訪問介護のヘルパーさんは、2023年度で14.14倍にもなっています(出典:厚生労働省・社会保障審議会 介護給付費分科会、2024年9月)。1人の応募者を、14以上の求人が取り合っている、というイメージです。
さらに、人手が足りないと感じている事業所は、およそ64.7%にのぼります(出典:介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査」)。3つの施設のうち、2つは「人が足りない」と感じている計算です。
つまり、応募が来ないのは、あなたの施設が悪いからではありません。ほとんどの施設が、同じ壁の前に立っています。まずは、そこで自分を責めないでください。
では、そんな中でも人が集まる施設は、何が違うのでしょうか。実は、その手がかりが「人が辞める理由」に隠れています。次の章で見てみましょう。
【意外な事実】人が辞める一番の理由は、お給料ではありません
「介護の人が辞めるのは、お給料が安いから」。そう思っている方は多いと思います。もちろん、それも理由の1つです。
でも、調査の数字を見ると、少し意外な事実が見えてきます。
介護の職場を辞めた理由として、一番多く挙げられているのが「職場の人間関係」です(出典:介護労働安定センター「令和5年度 介護労働実態調査」)。「結婚・出産・育児」や、「法人・事業所の理念や運営のやり方への不満」も、上位に並びます。
お給料そのものより、「どんな人と、どんな雰囲気で働くか」が、辞めるかどうかを大きく左右しているのです。
これは、採用にもそのまま当てはまります。求職者も、応募する前から「ここは、人間関係がよさそうか」「雰囲気は合いそうか」を、とても気にしています。逆に言えば、雰囲気や働く人の様子を伝えられれば、応募につながりやすくなるということです。
では、その「雰囲気」や「人」を、どうやって伝えればいいのでしょうか。ここからが本題です。今日からできる、3つの見直しをご紹介します。
求人サイトを増やしても、応募が増えないことがある理由
応募が来ないとき、まず検討されるのが「求人サイトを増やす」「有料の掲載プランに変える」という対策です。もちろん、これも有効な手段の一つです。
ただ、営業の現場を長く見てきた立場から言うと、広告の「出し先」を増やす前に、「何を伝えているか」を見直したほうが、費用対効果が高いことが多いです。これは、介護に限った話ではありません。
求人サイトを2つ、3つと増やしても、そこに載る中身が「条件」だけであれば、同じ壁に何度もぶつかります。掲載先を増やすというのは、同じ話を、より多くの人に聞いてもらうということです。話の中身そのものが変わらなければ、聞いてもらえる人数は増えても、応募につながる割合(反応率)はほとんど変わりません。
ハウスクリーニングなど他業種の採用・集客でも、同じ現象がよく見られます。予算を「露出を増やす」方に使う前に、「何を、どう伝えるか」を一度見直すほうが、結果的に近道になることが多いというのが実感です。次の章で、具体的に何を見直せばいいかをお伝えします。
今日からできる、3つの見直し(実例つき)
大がかりなことは要りません。お金もほとんどかかりません。今日からできる3つです。
① 求人票の言葉を、「条件」から「人」に少し寄せる
給与や休日を書くのは、もちろん大切です。そこに、「どんな人が働いているか」が伝わる一言を足してみてください。ぐっと印象が変わります。
たとえば、こう変えるだけです。
- 変える前:「介護スタッフ募集。経験者優遇。」
- 変えた後:「介護スタッフ募集。未経験の方も、先輩が3か月そばについて教えます。40代・50代で入った仲間も活躍中です。」
やっている仕事は同じでも、「私にもできそう」「一人にされなさそう」と感じてもらえます。※これは書き方の一例です。実際の内容に合わせて言葉を選んでください。
② 写真で、職場の雰囲気を見せる
文字だけよりも、写真が1枚あるだけで、安心感がぐっと増します。おすすめは、次のような写真です。
- スタッフどうしが、笑って話している様子
- 休憩室や、きれいに片づいた施設の中
- 行事や、季節のイベントの様子
「顔出しはむずかしい」という場合も、大丈夫です。後ろ姿、手元、少し引いた全体の写真でも、雰囲気は十分に伝わります。
③ 応募のハードルを下げる
「応募」と聞くと、身がまえてしまう人がいます。そこで、もっと軽い入口を用意してあげましょう。求人票に、こんな一言を足すだけです。
- 「応募の前に、施設の見学だけでも大歓迎です。」
- 「気になることは、電話やメールで、質問だけでもかまいません。」
いきなり応募でなくてよいと分かると、迷っている人が、最初の一歩を踏み出しやすくなります。
ここまでの3つは、すぐにできます。ただ、実際にやってみると、ある壁にぶつかります。それは「求人サイトの決まった枠では、これを全部は書ききれない」という壁です。後ほど、その解決のヒントもお伝えします。まずは、応募が来た後に起きやすい、もう一つの悩みについて触れておきます。
面接の無断キャンセルを、減らすために
せっかく応募が来ても、面接の当日に連絡もなく来られない。こうした「無断キャンセル」に悩む施設も少なくありません。人手不足の業界では珍しくない現象ですが、対策がまったくないわけではありません。
効果的とされているのが、面接の前日か前々日に、確認の一言を送ることです。「明日の◯時、お待ちしております。何かご不明な点があればご連絡ください」といった、短いメッセージで十分です。
これには2つの意味があります。1つは、単純なリマインドとして予定を思い出してもらうこと。もう1つは、「あなたのことを気にかけています」というメッセージそのものが、来やすさにつながるということです。応募した後、連絡が来ないまま面接当日を迎えると、求職者側にも「本当に行っていいのか」という不安が生まれます。
また、面接の日時を求職者の都合に合わせて柔軟に設定できると伝えるだけでも、無理な調整による欠席を減らせます。応募のハードルを下げるのと同じように、面接に来るまでのハードルも、一つひとつ小さくしていくという考え方です。
もう一つの角度:応募者は「あなたの施設を検索して」から決めています
意外と見落とされがちな点があります。それは、多くの人が、応募する前にスマホで施設名を検索して、下調べをしているということです。
気になる求人を見つけたら、「〇〇(施設名) 評判」「〇〇 求人」と調べてから、応募するかどうかを決めます。これは、今ではふつうの行動です。
このとき、ネット上に施設の情報がほとんど出てこないと、求職者は「どんなところか分からなくて不安」と感じ、そっと離れてしまうことがあります。せっかく求人に興味を持ってくれても、もったいないことです。
だからこそ、施設のことを、写真や働く人の声とあわせて1ページでじっくり伝えられる「採用専用のページ(採用LP)」があると、とても心強いのです。求人サイトの枠には収まりきらない「人」や「雰囲気」を、ここでしっかり伝えられます。求人サイトから、この採用ページに来てもらう、という使い方もできます。
私たちは、介護施設向けの採用LP制作をお手伝いしています。「こんな感じになります」というサンプルもありますので、よければのぞいてみてください。
よくある質問
Q. 応募は来るのですが、未経験の方ばかりで経験者が来ません。
求人票の中で「未経験歓迎」を強く打ち出しすぎると、経験者は「自分向けではなさそう」と感じて応募を避けることがあります。未経験の方への安心材料と、経験者向けの「即戦力として任せたいこと」を、それぞれ別の一言で書き分けると、両方に届きやすくなります。
Q. 応募はあるのですが、採用してもすぐ辞めてしまいます。
これは「応募が来ない」とは別の悩みですが、原因が重なっていることがあります。求人票の時点で伝えていた雰囲気と、実際の職場の雰囲気にズレがあると、早期離職につながりやすくなります。見せ方を工夫するのと同時に、実際の職場の状態そのものも、あわせて振り返ってみてください。
Q. 求人サイトは、複数使ったほうがいいのでしょうか。
悪いことではありませんが、優先順位としては「今使っている媒体の中身を見直すこと」が先です。中身が変わらないまま媒体だけ増やすと、管理の手間と費用だけが増えてしまうことがあります。
まとめ
- 応募が来ないのは、施設の魅力不足ではありません。介護は有効求人倍率が高く(令和5年で約4.02倍・出典:厚生労働省)、多くの施設が同じ悩みを抱えています
- 人が辞める一番の理由は、お給料ではなく「職場の人間関係」だとされています(出典:介護労働安定センター)。だから、求人でも「人」や「雰囲気」を見せることが効きます
- 求人サイトを増やす前に、伝えている中身そのものを見直すほうが、費用対効果が高いことが多いです
- 今日からできるのは、①求人票を「人」に寄せる ②写真で雰囲気を見せる ③応募のハードルを下げる、の3つです
- 面接の無断キャンセルには、前日・前々日の一言リマインドが効果的です
- 応募者は施設名を検索して下調べします。伝えきれないときは、採用専用ページ(採用LP)という選択肢があります
少しずつで大丈夫です。現場を支えるあなたの採用が、うまくいくよう、心から応援しています。


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