問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 二級ボイラー技士 過去問アプリ(無料)
ボイラーの水処理は、スケール生成・腐食・キャリオーバの3大障害を防ぐために不可欠な管理です。二級ボイラー技士試験では「スケールの生成メカニズムと防止策」「pH管理の目的と数値」「溶存酸素の除去方法」「キャリオーバの原因と防止」が繰り返し問われます。
ボイラー水処理で防ぐ3大障害
| 障害 | 原因物質 | 影響 |
|---|---|---|
| スケール(水あか) | カルシウム・マグネシウムの炭酸塩・硫酸塩(硬度成分) | 伝熱阻害による熱効率低下・過熱・破損 |
| 腐食 | 溶存酸素(O₂)・二酸化炭素(CO₂)・低pH | 缶体・配管の腐食・孔食・肉厚減少 |
| キャリオーバ | 高TDS濃度・油脂混入・高水位 | 蒸気の純度低下・スケール付着・ウォーターハンマー |
スケール生成のメカニズムと防止策
給水中に溶けているカルシウム(Ca²⁺)・マグネシウム(Mg²⁺)などの硬度成分は、加熱・濃縮によって炭酸カルシウム(CaCO₃)などとして析出し、伝熱面に付着してスケールとなります。
主な防止策:
- 軟水化(軟水器の使用):イオン交換樹脂でCa²⁺・Mg²⁺をNa⁺に置換して硬度成分を除去する。最も効果的な硬度対策。
- スケール防止剤の投入:ポリリン酸塩などを缶水に添加し、析出した硬度成分を分散・軟化させてスラッジ状にして底部ブローで排出する。
- 定期的なブローと清掃:TDS濃度を管理値以下に維持し、底部スラッジを排出する。
腐食の防止:pH管理と脱酸素
ボイラー缶水のpH(水素イオン指数)は、腐食を防ぐためにアルカリ側(pH 11〜12程度)に維持します。酸性に傾くと鋼材の腐食が加速します。
溶存酸素(DO)による腐食の防止策:
- 脱気器(機械的脱酸素):給水を加熱して溶存酸素の溶解度を下げ、酸素を追い出す。蒸気加熱式脱気器が一般的。
- 亜硫酸ソーダ(Na₂SO₃)の投入(化学的脱酸素):亜硫酸ソーダが溶存酸素と反応して硫酸ソーダになり、缶水から酸素を除去する。
- ヒドラジン(N₂H₄)の投入:高圧ボイラーで使用される化学的脱酸素剤。低圧ボイラーでは一般に亜硫酸ソーダを使用する。
缶水のpH管理
缶水のpH管理が重要な理由は「低すぎると腐食」「高すぎるとキャリオーバや苛性脆化(アルカリによる鋼材の脆化)」が起きるからです。
| pH | 状態 |
|---|---|
| 7未満(酸性) | 腐食が急激に進行。缶体・配管の肉厚が減少する。 |
| 7〜10(弱アルカリ) | 腐食リスクが残る。ボイラー水としては低すぎる。 |
| 11〜12(中〜強アルカリ) | 一般的なボイラー缶水の管理範囲。腐食が抑制される。 |
| 13以上(強アルカリ) | 苛性脆化のリスク。フォーミング・キャリオーバが起きやすくなる。 |
TDS(全溶解固形物)の管理とブロー
TDS(Total Dissolved Solids)は缶水中に溶けているすべての固形物の総量を表し、電気伝導度で管理するのが一般的です。TDSが高くなると、フォーミングやキャリオーバが発生しやすくなります。TDS管理のためにブローを行い、濃縮した缶水を排出して新鮮な給水で希釈します。
試験頻出ポイントと誤りやすい問題
- スケール防止の最も効果的な方法は「軟水化(軟水器でCa²⁺・Mg²⁺を除去)」。単なるブローだけでは不十分。
- 溶存酸素の除去には「脱気器(機械的)」または「亜硫酸ソーダの投入(化学的)」を使う。
- 缶水のpH管理目標は「11〜12程度のアルカリ」。「中性(pH7)」に保つのは誤り。
- スケールが伝熱面に付着すると「熱効率が低下し排ガス温度が上昇する」。熱効率が上がるのではない。
- 高圧ボイラーでは亜硫酸ソーダではなくヒドラジンを使うことが多い。低圧ボイラーとの違いを覚える。
この記事のまとめ
- 水処理の目的はスケール・腐食・キャリオーバの3大障害防止。
- 硬度によるスケールは軟水化が最も効果的。スケール防止剤・ブローも組み合わせる。
- 溶存酸素による腐食は脱気器(機械的)または亜硫酸ソーダ(化学的)で防ぐ。
- 缶水pHは11〜12程度のアルカリに維持する。低pHは腐食、高pHはキャリオーバの原因。
出典:安全衛生技術試験協会 公表試験問題・JIS B 8223「ボイラーの給水及び缶水の水質」
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 二級ボイラー技士 過去問アプリ(無料)


コメント