飲食店を開業するには、営業許可の申請前に食品衛生責任者の資格を確保しておく必要があります。東京都では食品衛生協会の養成講習(12,000円・約6時間)を受講することで取得できます。調理師・栄養士・製菓衛生師などの有資格者は受講不要です。受講は予約制のため、開業スケジュールを決めたら早めに申し込まないと希望の日程が取れないことがあります。
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食品衛生責任者は、飲食店の営業許可申請に必ず必要な立場
飲食店を開業するには、食品衛生法に基づく飲食店営業の許可を保健所から受ける必要があります。この許可申請の際に、施設ごとに「食品衛生責任者」を置くことが求められています。
食品衛生責任者の役割は、食品衛生上の管理運営を担うことです。食材の保管・調理・提供の衛生状態を維持し、従業員への指導を行う立場になります。飲食店ではオーナー自身がこの責任者を兼ねることが多いです。
食品衛生責任者は、施設ごとに1名の設置が必要です。複数の店舗を経営する場合は、各店舗に1名ずつ置く必要があり、1人が複数店舗を兼任することは原則できません。また、施設の管理者や代表者が担う必要はなく、スタッフが務めることも可能です。
食品衛生責任者の資格を取る方法は2通り
食品衛生責任者の資格を得る方法は、大きく分けて2つあります。
| 方法 | 内容 | 費用 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 養成講習を受講する | 食品衛生協会等が開催する講習を受講して修了証を取得する | 約12,000円(東京都の場合) | 約6時間(1日) |
| 資格で代替する | 調理師・栄養士など、一定の資格や資格取得後の免許があれば受講免除 | 受講不要(資格証の提示で対応) | なし |
どちらの方法も、保健所の許可申請時に食品衛生責任者であることを示す書類(修了証または免許証等のコピー)を提出します。
養成講習の費用は12,000円・受講時間は約6時間
東京都食品衛生協会の養成講習(会場型・eラーニング型)は、受講料12,000円(教材費込み)で、受講時間は約6時間です。1日で修了するカリキュラムになっています。
都道府県によって講習の主催機関や費用が異なります。東京都以外で開業する場合は、開業予定の都道府県の食品衛生協会に確認してください。
eラーニング形式の講習も整備されており、会場に出向かなくても受講できる自治体が増えています。ただし、最終的な修了証の交付には別途手続きが必要な場合があります。詳細は各都道府県の食品衛生協会に確認してください。
修了証は一度取得すれば有効期限がありません。ただし、法改正や食中毒の発生状況に対応するため、定期的に実務講習(更新研修)を受けることが望ましいとされています。
調理師・栄養士・製菓衛生師などは受講免除
以下の資格や立場の方は、養成講習を受けずに食品衛生責任者になることができます。
| 免除の対象(代表的なもの) | 根拠 |
|---|---|
| 調理師 | 都道府県知事の免許 |
| 栄養士・管理栄養士 | 都道府県知事の免許 |
| 製菓衛生師 | 都道府県知事の免許 |
| 食品衛生監視員・食品衛生管理者 | 国家資格・任用資格 |
| 医師・歯科医師・薬剤師・獣医師 | 国家資格 |
上記の資格がある場合は、免許証や資格証明書のコピーを保健所の申請時に提出します。養成講習の受講証明書の代わりに、資格証明書で申請できます。
ただし、免除対象の資格は都道府県によって細部が異なる場合があります。開業する都道府県の保健所または食品衛生協会に事前に確認することをおすすめします。
飲食店営業の許可申請の手数料は18,300円(東京都・新規)
食品衛生責任者の資格を取得したあとは、保健所に飲食店営業の許可申請を行います。申請時に営業許可の手数料を支払います。東京都(練馬区の例)の場合、新規の飲食店営業は18,300円です。
手数料は自治体によって異なります。開業する市区町村の保健所に確認してください。
営業許可の申請には、食品衛生責任者の資格証明書のほかに、施設の平面図・設備の配置図・法人の場合は登記事項証明書などが必要です。保健所によって事前確認(施設の設計段階でのチェック)を求めるところがあります。内装工事に入る前に、保健所に相談する流れが一般的です。
食品衛生責任者の取得から営業開始までの流れ
飲食店の開業に向けた許認可の流れを整理すると、次のようになります。
| ステップ | 内容 | 費用・時間の目安 |
|---|---|---|
| ①食品衛生責任者の取得 | 養成講習を受講(または資格証を準備) | 12,000円・1日(東京都の場合) |
| ②保健所への事前相談 | 施設の設計段階で平面図をもとに相談。設備の配置・シンクの数・換気設備などの確認 | 無料 |
| ③内装工事 | 保健所の基準に合わせた設備工事を進める | 工事費は別途 |
| ④営業許可申請 | 完成した施設について保健所に申請。施設検査の立入がある | 手数料18,300円(東京都・新規) |
| ⑤許可証の交付・営業開始 | 施設検査に合格すれば許可証が交付される | 交付まで1〜2週間程度 |
許可証が交付されてから営業を開始します。工事が完了した段階で申請し、検査を経て許可証が手元に届くまで1〜2週間かかる場合があります。開業日を逆算してスケジュールを組む必要があります。
開業の流れ全体については、飲食店の開業スケジュールと準備期間の費用にまとめています。
養成講習の申し込みは早めに動く
養成講習は予約制で、希望の日程が満席になることがあります。特に都市部では受講希望者が集中する時期があり、開業2〜3か月前に申し込んでも直前の日程しか空きがない場合があります。
開業日が決まったら、逆算して早めに申し込みを済ませることをおすすめします。東京都食品衛生協会の場合、会場型とeラーニング型で申し込み方法が異なります。都道府県の食品衛生協会のウェブサイトで最新の日程を確認してください。
開業前に必要な許認可の一覧や、食品衛生責任者以外に必要な手続き(防火管理者の選任・深夜営業の届出など)は、開業スケジュールの記事で整理しています。
開業資金に占める許認可費用の割合
公庫の記入例(洋風居酒屋)では、開業までにかかる許認可関連の費用は設備資金・運転資金には大きな項目として計上されていません。食品衛生責任者の講習費12,000円・営業許可手数料18,300円は合計約30,300円で、開業資金1,260万円の0.24%程度です。
ただし、施設の内装が保健所の基準に合わない場合は追加工事が必要になり、費用が増える場合があります。二槽シンクの設置・換気設備の追加・手洗い設備の位置変更などが検査で指摘される代表的な項目です。
事前相談(②)の段階で指摘を受けて対応しておくことで、申請後の手戻りを防ぐことができます。保健所への事前相談は無料です。内装工事の着手前に保健所に足を運ぶことをおすすめします。
開業資金の全体像と設備・運転資金の内訳は、飲食店の開業資金はいくら必要かで確認できます。
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本記事の費用・手順は東京都食品衛生協会の公開情報(養成講習12,000円・約6時間)および練馬区保健所「食品衛生法許可手数料一覧」(新規飲食店営業18,300円)をもとにしています。費用・手続き内容・免除対象の資格は都道府県・市区町村によって異なる場合があります。開業する地域の保健所または食品衛生協会に必ずご確認ください。本ツールは当方が作成した民間のシミュレーターであり、日本政策金融公庫が作成・提供するものではありません。むむ(fufumumu_design)作成・2026年11月確認。


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