ITパスポートは「年齢、学歴等に制限はなく、どなたでも受験できます」(IPA公式FAQ)。育休中でも、専業主婦・主夫であっても受験できます。試験はCBT方式で全国の試験会場から日程を自分で選んで予約できるため、子育てのスケジュールに合わせて受験日を調整しやすい形式です。合格率は令和7年度48.6%・令和8年度4〜8月49.3%(IPA統計情報)で、計画的に学習すれば取得できる水準です。
育休中・主婦がITパスポートを取る意味
ITパスポートは「ITを活用するすべての社会人のリテラシー証明」として設計されています。IT職種の専門資格ではなく、事務・営業・医療・公共・金融など、業種を問わず役立つ基礎知識の証明です。
育休中や主婦の立場でITパスポートを取得する理由は、大きく3つに分けられます。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 再就職・復職の準備 | 離職期間があっても「ITリテラシーを持っている」ことを客観的に証明できる。求人票の「基本的なPCスキル」「デジタルツール使用経験」への応答になる |
| 職場のDX対応 | 復職先でクラウドサービス・情報セキュリティ・データ活用などが求められる場面に対応できる基礎知識を持てる |
| 自己研鑽・キャリアの継続 | 育休・専業期間中もキャリアを止めない意志の示し方として、取得証書を面接で提示できる |
再就職の場面でITパスポートが役立つ具体的な状況
求人票に「ITリテラシー必須」「社内システムの操作ができる方」「デジタル化推進に対応できる方」という記載がある場合、ITパスポートの合格はその要件を満たしている根拠になります。
業種・職種別に、ITパスポートが評価される可能性がある場面を整理します。
| 業種・職種 | 評価される理由・場面 |
|---|---|
| 一般事務・総務・経理 | 社内システム・クラウド会計・ペーパーレス化対応で「ITリテラシー証明」として提示できる |
| 医療事務・医療クラーク | 電子カルテ・レセプト請求システムなどITツールの操作が多く、基礎知識の証明として評価されることがある |
| 金融・保険窓口 | 個人情報保護・情報セキュリティの知識を持つことが評価される場面がある |
| 公共機関・自治体 | DX推進の文脈でITパスポートを奨励・評価対象にしている組織がある |
| 学校・保育・教育関連 | ICT活用教育・学校のDX化が進んでおり、IT基礎知識の証明が求められることがある |
| EC・小売・サービス業管理職 | 在庫管理システム・POSレジ・受発注システムなどの操作・管理に関連する知識として |
ITパスポートは「即戦力のIT技術者」の証明ではなく、「ITツールを活用する職場で業務を理解・遂行できる人材」の証明です。IT職種以外での再就職活動において、離職期間中の自己研鑽として提示しやすい資格です。
履歴書への書き方
ITパスポートを再就職時の履歴書・職務経歴書に記載する場合は、「令和〇年〇月 国家試験 ITパスポート試験 合格」と正式名称・年月・「合格」の3点で書くのが標準です。合格発表日を取得年月とするのが一般的です。
履歴書への記載方法と面接での伝え方については転職・履歴書への書き方で整理しています。
育休中の資格学習と法律の関係
育児休業中に資格の勉強をすることは、法律上の「就業」には当たりません。育児・介護休業法では、育休中に就業する(収入を得る形で働く)ことは一定の制限がありますが、資格取得のための自己学習はこれに含まれません。
育児休業給付金(雇用保険から支給)についても、資格学習を行うこと自体が給付に影響することはありません。ただし、育休中に副業・アルバイト等で収入を得る場合は給付に影響する可能性があるため、勤務先と確認することをおすすめします。資格学習はそれ自体が就業ではないため、この点は区別が必要です。
育休中の就業については、育児・介護休業法および雇用保険法の規定に基づきますが、資格学習そのものに制限はありません。不明点は勤務先の人事部または最寄りのハローワークに確認してください。
育休中・育児中に学習時間を確保する方法
育休中の学習時間は、子どもの月齢・ライフスタイル・家族のサポート状況によって大きく異なります。「1日〇分確保できれば合格できる」と断言することはできませんが、スキマ時間を積み上げていくアプローチが現実的です。
ITパスポートの一般的な目安学習時間はIT未経験者で100〜200時間、IT経験者で50〜80時間とされています(勉強時間の目安参照)。育休中は長時間の集中学習よりも短時間の積み上げが現実的です。
| 時間帯・状況 | 活用方法の例 |
|---|---|
| 子どもの昼寝中 | 30〜60分の集中学習。紙のテキストまたはPC・タブレットでまとめて問題を解く |
| 授乳・抱っこの待機中 | スマートフォンで問題演習。1問単位で進められるアプリが使いやすい |
| 通院・外出の待ち時間 | スマートフォンで用語の確認・問題演習 |
| 家族のサポートを得られる時間 | 夫・祖父母が育児を担当する時間帯に集中学習を確保する |
スマートフォンを活用した学習法の詳細はスマートフォンだけで勉強する方法でまとめています。
無料で使える学習リソース
ITパスポートの学習に使えるリソースのうち、無料で入手できるものを整理します。
| リソース | 入手先・特徴 |
|---|---|
| IPA公開問題(過去問) | IPA公式サイトで無料公開。最新の出題傾向に最も近い。PDFをダウンロードして使用 |
| IPA公式サイトのシラバス | 試験範囲の全体像をつかむために参照。無料公開 |
| スマートフォンアプリ | 無料版で問題演習できるものがある。通勤・隙間時間向け |
| 図書館の参考書 | 公共図書館にITパスポート対策本が置いてあることがある |
参考書や問題集は必ずしも購入が必要なわけではなく、IPA公開問題と無料アプリを組み合わせる方法もあります。テキストの必要性についてはテキストの選び方(別記事)で整理しています。
試験の受け方:CBT方式は子育て中に合わせやすい
ITパスポートはCBT(コンピューター試験)方式です。特定の試験日程が全国一斉に決まっているわけではなく、全国各地の試験会場から希望の日時・会場を自分で選んで予約します(IPA公式)。
この方式の特徴として、次のことが挙げられます。
- 都合がつく日程に合わせて予約できる(子どもの体調不良や育児スケジュールに合わせやすい)
- 都市部だけでなく全国各地に試験会場がある
- 試験時間は120分(早く解答を終えれば早期終了も可能)(IPA公式)
- 試験当日の持参物は本人確認書類と予約番号の2点(IPA公式)
ただし、現行試験は2026年12月27日が最終受験日で、2026年12月28日以降は一時休止する予定です(IPA公式発表)。2027年以降は新試験へ移行する見込みです。育休中に受験を検討する場合は、この日程も考慮してください。
受験手数料は7,500円(税込)で、クレジットカード・コンビニ払いなどの支払い方法が選べます(IPA公式)。試験前日の正午まではクレジットカードで試験日の変更が可能です。
ITパスポートと他の資格・次のステップ
ITパスポートを取得した後、さらにスキルアップを目指す場合の選択肢として、次のような資格があります。
| 資格 | 特徴 | 育休中・再就職後の活用場面 |
|---|---|---|
| 基本情報技術者試験(レベル2) | IT職種の実務基礎。ITパスポートの上位資格 | IT系・システム関連の職種を目指す場合 |
| 日商簿記3級・2級 | 経理・財務の基礎。ITパスポートのストラテジ系と相性が良い | 経理・総務・事務系への再就職 |
| MOS(Microsoft Office Specialist) | ExcelやWordの操作スキルを証明する民間資格 | 一般事務・医療事務等でPCスキルを証明する |
| FP(ファイナンシャルプランナー)3級 | 個人の家計・資産管理の知識 | 金融・保険・相談業務 |
よくある疑問
育休中でも受験できるか
受験できます。ITパスポートの受験資格は「年齢、学歴等に制限はなく、どなたでも受験できます」(IPA公式FAQ)。雇用状況・育休中であることは関係ありません。詳細は受験資格の確認方法を参照してください。
試験会場は全国にあるか
全国の都道府県に試験会場があります(IPA公式)。居住地近くの会場を検索してから申し込めるため、遠方の会場に行く必要はありません。子どもを預けられる時間で受験できる会場・日時を選んでください。
合格証書は再就職まで有効か
ITパスポートの合格に有効期限はありません(IPA公式FAQ「試験合格の有効期限もなく、過去の試験合格が無効となることもございません」)。育休中に取得した合格が、数年後の再就職時に無効になることはありません。
2027年以降の新試験に切り替わった場合、今の合格は使えるか
IPAのFAQによれば、現行試験での合格は新試験の合格に移行するわけではありませんが、合格自体は無効になりません(IPA公式FAQ)。履歴書には合格した試験の名称(ITパスポート試験)と合格年月を記載します。
専業主婦でも受験できるか
受験できます。受験資格に職業の制限はありません(IPA公式FAQ)。専業主婦・専業主夫であっても受験・合格できます。
子育て中に独学で合格できるか
合格率が約49%の試験であり、IT未経験でも計画的に学習すれば独学での合格が可能な水準です。独学での進め方については独学での合格方法(別記事)でまとめています。
まとめ
ITパスポートは受験資格がなく、育休中でも専業主婦・主夫でも受験できます。CBT方式で日程を自分で選べるため、子育てのスケジュールに合わせた受験計画が立てやすい試験です。
- 受験資格なし:年齢・学歴・雇用状況の制限なし(IPA公式FAQ)
- CBT方式:全国の試験会場から日程・会場を自分で選択(IPA公式)
- 合格率:令和7年度48.6%・令和8年度4〜8月49.3%(IPA統計情報)
- 合格の有効期限なし:取得後いつでも活用できる(IPA公式FAQ)
- 再就職先:事務・医療事務・公共・金融・教育など業種を問わず証明になる
- 現行試験の最終日:2026年12月27日(2027年度より新試験に移行予定)
ITパスポート試験の全体像はITパスポート試験の全体ガイドでまとめています。


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