第一種衛生管理者の試験全体については、こちらの記事もご参照ください。
▶ 第一種衛生管理者 試験ガイド(概要・合格率・勉強法)
有機溶剤は揮発性の高い液体状の化学物質で、塗装・洗浄・印刷などの作業で広く使われています。有機溶剤中毒予防規則(有機則)は有機溶剤を第1種・第2種・第3種の3種に分類し、それぞれ管理濃度・保護具・設備要件を定めています。試験では3種の分類と管理義務の違いが出題されます。
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ
有機溶剤の3種類区分
有機則は有機溶剤を毒性の高い順に第1種・第2種・第3種に分類しています(有機則第1条)。
| 区分 | 特徴 | 主な物質の例 |
|---|---|---|
| 第1種有機溶剤 | 毒性が最も高い。製造・使用・輸入等が原則禁止の物質を含む。 | クロロホルム・四塩化炭素・1,2-ジクロロエタン・1,1,2,2-テトラクロロエタン・トリクロロエチレンなど |
| 第2種有機溶剤 | 最も種類が多い。主要な有機溶剤はこの区分に含まれる。 | トルエン・キシレン・酢酸エチル・酢酸ブチル・メタノール・エタノール・ノルマルヘキサンなど |
| 第3種有機溶剤 | 毒性が比較的低い。ガソリン・石油ナフサ・石油ベンジンなど | ガソリン・コールタールナフサ・石油ナフサ・石油ベンジン・テレビン油など |
有機則の主な義務
局所排気装置等の設置義務
第1種・第2種有機溶剤の業務では、密閉式の構造でない場所での作業には局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置のいずれかを設置しなければなりません(有機則第5条・第6条)。局所排気装置が最も優先されます。
第3種有機溶剤の業務では、使用量・換気の状況等によって判断が異なります。タンク内等での業務では規制が強化されます。
作業環境測定
有機溶剤を取り扱う屋内作業場では、6か月以内に1回の作業環境測定が義務付けられています(有機則第28条)。測定結果は3年間保存しなければなりません。
特殊健康診断
有機溶剤業務に常時従事する労働者には、雇い入れ時・配置転換後・その後6か月以内に1回の健康診断が義務付けられています(有機則第29条)。検査項目は業務で使用する有機溶剤の種類により異なります。
作業主任者の選任
有機溶剤作業主任者(技能講習修了者)を選任しなければなりません(有機則第19条)。ただし、第3種有機溶剤のみを使用する一定の作業では選任不要の場合があります。
表示義務
有機溶剤の容器には、有機溶剤の区分(第1種・第2種・第3種)・注意事項等を記載した掲示・ラベルを付けなければなりません(有機則第25条)。
有機溶剤による健康障害
有機溶剤は脂溶性が高いため、皮膚・粘膜から吸収されやすく、中枢神経・肝臓・腎臓に影響を与えます。
| 有機溶剤の種類 | 主な健康障害 |
|---|---|
| トルエン・キシレン・トリクロロエチレン等(芳香族・塩素化) | 中枢神経障害(頭痛・めまい・意識障害)・肝障害・腎障害 |
| ノルマルヘキサン | 末梢神経障害(多発性神経炎・四肢のしびれ・筋力低下) |
| 二硫化炭素 | 末梢神経障害・精神症状・動脈硬化促進 |
| メタノール | 視神経障害(失明の原因となりうる) |
試験での出題ポイント
- 3種の分類:第1種(毒性最大)・第2種(種類が最多)・第3種(毒性最小)
- ノルマルヘキサンは末梢神経障害の原因(中枢神経障害を起こすトルエン等と混同しない)
- 作業環境測定の頻度:6か月以内に1回(記録保存3年)
- 特殊健診の頻度:6か月以内に1回
- 局所排気装置は第1・2種での義務。密閉された設備内作業では不要な場合がある
問題をすぐに解いてみたい方は、こちらのアプリをご利用ください。
▶ 第一種衛生管理者 過去問アプリ
出典:
・有機溶剤中毒予防規則 第1条・第5条・第6条・第19条・第25条・第28条・第29条
・厚生労働省「有機溶剤業務における作業環境管理のための技術指針」
最新の試験日程・受験申請・公表試験問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(www.exam.or.jp)の公式サイトでご確認ください。

コメント