第一種衛生管理者の受験資格は、「学歴」と「労働衛生の実務経験」の組み合わせで決まります。大学・短大・高専卒なら1年以上、高等学校卒なら3年以上、学歴不問なら10年以上の実務経験が必要です(労働安全衛生規則第10条第2項)。受験申請時には事業者(会社)による実務経験の証明が必要になるため、申請前に書類の準備を確認しておくことが重要です。
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受験資格の一覧。学歴によって必要な実務経験の年数が異なる
受験資格は労働安全衛生規則第10条第2項に規定されています。学歴によって必要な実務経験の年数が異なります。
| 学歴 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校の卒業者 | 1年以上 |
| 高等学校・中等教育学校(後期課程)の卒業者 | 3年以上 |
| 学歴を問わない(上記以外も含む) | 10年以上 |
出典:労働安全衛生規則 第10条第2項(抄)
「大学」には国公私立を問わず、通信制・夜間部も含まれます。「高等専門学校」は、いわゆる高専(5年制の工業・商船系専門学校)を指します。「中等教育学校の後期課程」は、高校に相当する3年間(4〜6年次)の課程を修了した者が対象です。
「労働衛生の実務経験」とは何か。認められる業務の内容
「労働衛生の実務に従事した経験」とは、事業場において実際に衛生管理に関わる業務を担当した期間を指します。具体的には次のような業務が該当します。
- 職場の定期的な衛生点検・巡視
- 健康診断の計画・実施補助・記録管理
- 衛生委員会への出席・議事録の作成
- 作業環境測定の補助・記録管理
- 職場環境(換気・照明・温湿度)の改善業務
- 化学物質・有害物質の取り扱いに関する安全管理
- 労働衛生に関する教育・訓練の実施補助
一方、次のような業務は一般的には実務経験として認められません。
- 受付・接客・販売など衛生管理に直接関わらない業務
- 一般的な事務・経理業務(衛生管理との関連性がない部分)
- 衛生管理者の監督下に入っていない場合の一般業務
実際の業務内容が実務経験に該当するかどうかは、受験を予定しているセンターに事前に確認することをおすすめします。判断の基準は安全衛生技術試験協会が持っており、曖昧な場合は書面で問い合わせると安全です。
実務経験の証明方法。受験申請書に事業者の証明が必要
受験申請書には、「事業者証明書」と呼ばれる証明欄があります。現在勤務している会社の代表者(または代表者から権限を委任された者)が、受験者の実務経験を証明する署名・押印を行います。
必要な証明内容は次のとおりです。
- 事業場の名称・所在地・業種
- 受験者が在籍した期間(実務経験期間)
- 従事した業務内容(労働衛生の実務の具体的な内容)
- 代表者等の氏名・押印
過去に勤務していた会社の実務経験を使う場合は、その会社に証明を依頼する必要があります。退職した会社への依頼が難しい場合は、現在の雇用先で新たに実務経験を積む方が現実的なことがあります。
特例で受験資格が認められるケース
次の免許・資格を持つ者は、実務経験なしで受験できる特例が設けられています(受験案内書で詳細を確認してください)。
- 医師免許を持つ者
- 歯科医師免許を持つ者
- 薬剤師免許を持つ者
また、第二種衛生管理者の免許を持つ者は、第一種試験の3科目(関係法令(一般)・労働衛生(一般)・労働生理)が免除されます。有害業務関係の2科目のみを受験すればよいため、受験の負担が大幅に軽減されます。この場合の受験資格は、第二種の免許を持っていることが前提です(実務経験の要件については受験案内書を参照)。
受験申請書類の準備。学歴・実務経験の証明が必要
受験申請に必要な書類は次のとおりです(センターによって多少異なります。受験案内書で最新情報を確認してください)。
- 受験申請書:安全衛生技術試験協会のウェブサイト(www.exam.or.jp)からダウンロードできます。または、最寄りのセンターで入手できます。
- 実務経験証明書(事業者証明):受験申請書の中の「事業者証明書」欄に、会社の代表者等が記入・押印します。
- 学歴を証明する書類:卒業証明書(または卒業証書のコピー)。大学・短大・高専卒の場合に必要です。
- 写真:6か月以内に撮影した証明写真(規定サイズ)。
- 受験手数料:8,800円(令和5年1月1日以降)。払込の方法は受験案内書を参照してください。
受験申請から試験日までの流れ
- 受験を希望するセンターのウェブサイトで試験日程を確認する
- 受験申請書(受験案内書)を入手する
- 書類を準備する(学歴証明書・事業者証明の取得に時間がかかる場合があります)
- 受験手数料を振り込む
- 受験申請書と添付書類を提出する(郵送またはオンライン申請)
- 受験票が届く(試験日の約1〜2週間前)
- 試験当日を迎える
申請書類の準備(特に事業者証明の取得)に1〜2週間かかることがあります。受験を決めたら早めに動き始めるのがポイントです。
よくある疑問
Q:現在無職(転職活動中)だが、前の会社での実務経験は使えるか。
前の会社での実務経験も使えます。ただし、前の会社に事業者証明を依頼する必要があります。退職後でも証明を発行してもらえる会社がほとんどですが、会社の状況によっては難しいケースもあります。証明を依頼する際は「安全衛生技術試験協会の第一種衛生管理者試験の受験のため」と説明し、受験案内書の証明欄を持参または郵送して依頼するとスムーズです。
Q:大学院卒・専門学校卒の場合はどの区分に当たるか。
大学院卒の場合は「大学卒業者」として扱われ、実務経験1年以上が必要です。専門学校(専修学校の専門課程)については、「大学」には含まれない場合があります。ただし、専修学校の専門課程を修了し、高等専門学校と同等以上の技術・知識があると認められる場合は「大学」に準じて扱われることがあります。詳細は受験を予定しているセンターに確認してください。
Q:実務経験の期間は、複数の会社を合算できるか。
複数の会社での実務経験を合算できます。ただし、それぞれの会社から別々に事業者証明を取得し、受験申請書に添付する必要があります。
Q:副業・アルバイトでの衛生管理業務は実務経験に含まれるか。
雇用関係があり、実際に衛生管理の業務に従事していた場合は含まれることがあります。ただし、業務の内容が「労働衛生の実務」に該当するかどうかはセンターの判断が必要です。不明な場合は事前に確認してください。
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出典:
・労働安全衛生規則 第10条第2項
・公益財団法人 安全衛生技術試験協会「衛生管理者試験受験案内書」(www.exam.or.jp)
この試験の受験資格・科目・合格率・勉強法をまとめた総合ガイドはこちらです:第一種衛生管理者 試験ガイド2026。受験資格・科目・合格率・勉強法を1枚で確認する。

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