クレーン・デリック運転士 法令科目のポイントまとめ【設置届・定期検査・就業制限】

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クレーン・デリック運転士の学科試験は4科目40問100点満点で、各科目40%以上かつ合計60点以上が合格ラインです。法令(関係法令)は1科目10問で構成され、クレーン等安全規則を中心に設置届・定期自主検査・就業制限などが出題されます。この記事では法令科目の出題ポイントを具体的にまとめます。

出典:安全衛生技術試験協会 クレーン・デリック運転士受験案内・クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)

法令科目の出題範囲と配点

法令科目「関係法令」は全40問のうち10問です。試験科目全体の構成は次のとおりです。

科目 問題数 配点 足切り点
クレーン及びデリックに関する知識 10問 30点 12点以上
関係法令 10問 20点 8点以上
原動機及び電気に関する知識 10問 30点 12点以上
力学に関する知識 10問 20点 8点以上

出典:安全衛生技術試験協会 クレーン・デリック運転士(限定なし)受験案内

合格基準は「各科目の点数が40%以上かつ合計が60点以上」です。法令科目で8点(5問)以上、合計60点以上の両方を満たす必要があります。

特定機械等と製造許可

つり上げ荷重3t以上のクレーンは「特定機械等」に指定されます(労働安全衛生法施行令第12条第1項第3号)。

  • 製造には都道府県労働局長の製造許可が必要
  • 設置前に設置届を所轄労働基準監督署長に提出する(落成検査の前)
  • 設置後は使用検査(落成検査)を受け、合格してから使用開始

つり上げ荷重3t未満のクレーンは特定機械等には該当しませんが、設置報告は必要です。3tの区切りは試験で頻出のため正確に覚えてください。

設置届・変更届・解体届の届出義務

設置届

つり上げ荷重3t以上のクレーンを設置しようとする者は、工事開始の30日前までに設置届を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません(クレーン等安全規則第5条)。

変更届

クレーンの次の部分を変更する場合は、変更工事開始の30日前までに変更届を提出します。

  • クレーンガーダ、脚柱、天井クレーンのガーダ等の構造部分
  • 原動機
  • つり上げ機構(ドラム・シーブ等を含む)
  • ブレーキ

解体届

つり上げ荷重3t以上のクレーンを解体する場合は、解体工事開始の30日前までに解体届を提出します。設置届・変更届・解体届はすべて「30日前まで」です。

定期自主検査の頻度(年1回・月1回)

クレーンを設置した事業者は、定期自主検査を実施する義務があります。

検査の種類 頻度 主な検査項目
定期自主検査(年次) 1年以内ごとに1回 構造部分・機械部分・電気部分・安全装置・ワイヤロープ・チェーン・フックなど
定期自主検査(月次) 1か月以内ごとに1回 巻過防止装置・ブレーキ・クラッチ・コントローラーなど
作業開始前の点検 作業開始前(毎回) 巻過防止装置・ブレーキ・クラッチ・コントローラーの機能

出典:クレーン等安全規則第34〜36条

定期自主検査の結果は記録し、3年間保存しなければなりません(クレーン等安全規則第38条)。年次・月次の区別と記録保存期間は試験で出やすいポイントです。

悪天候時の作業制限

強風時のクレーン作業に関する規制があります。

風速 規制内容
瞬間風速10m/s超 屋外クレーンの作業を中止。逸走防止措置(レール止め・アンカー等)を講じる
瞬間風速30m/s超 作業終了後にクレーンを点検(定期自主検査に準ずる)

出典:クレーン等安全規則第31条・第37条

「10m/s超で作業中止」という数字を正確に覚えてください。

就業制限(運転者の資格要件)

クレーンの運転は就業制限業務に指定されており、資格なしに運転することは禁止されています(労働安全衛生法第61条・同法施行令第20条)。

つり上げ荷重 必要な資格
5t以上 クレーン・デリック運転士免許(限定なし・クレーン限定・床上運転式クレーン限定のいずれか)
1t以上5t未満 クレーン運転業務に係る技能講習(クレーン・デリック運転士免許でも可)
1t未満 クレーン運転業務特別教育の修了

つり上げ荷重5t以上の場合は免許が必要で、1t以上5t未満は技能講習でも対応できます。この区切りは試験で必ず確認される内容です。

クレーン台帳の作成・保管義務

クレーンを設置した事業者は、クレーン台帳を作成し、クレーンが存在する間は保管しなければなりません(クレーン等安全規則第9条)。

クレーン台帳に記載する主な事項は次のとおりです。

  • クレーンの種類・型式・製造者名
  • 製造年月日
  • つり上げ荷重
  • 製造検査年月日・検査証の番号
  • 設置場所

台帳の保管期間は「クレーンが存在する間」です。廃棄・解体後の保管義務はありません。

使用休止・廃止の届出

特定機械等に該当するクレーン(つり上げ荷重3t以上)を1か月以上使用しない場合は、使用休止報告を所轄労働基準監督署長に提出します。

使用再開前には、使用再開検査を受けなければなりません。

クレーンの玉掛け作業との関係

クレーンの運転者と玉掛け作業者は別の資格です。

作業 必要な資格
クレーン運転(つり上げ荷重5t以上) クレーン・デリック運転士免許
玉掛け作業(つり上げ荷重1t以上のクレーン使用) 玉掛け技能講習
玉掛け作業(つり上げ荷重1t未満のクレーン使用) 玉掛け業務特別教育

クレーン運転士が玉掛け作業も行う場合は、玉掛けの資格が別途必要です。

法令科目の試験対策まとめ

法令科目で特に数字の暗記が求められる項目をまとめます。

項目 数字・期限
設置届・変更届・解体届 工事開始30日前まで
特定機械等の指定(クレーン) つり上げ荷重3t以上
免許が必要な就業制限(クレーン) つり上げ荷重5t以上
定期自主検査(年次) 1年以内ごとに1回
定期自主検査(月次) 1か月以内ごとに1回
定期自主検査の記録保存 3年間
悪天候時の作業中止 瞬間風速10m/s超

法令科目は数字の暗記が得点の鍵を握ります。上の表の数字を正確に覚えることが合格への近道です。

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本記事はクレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号・最終改正令和5年3月31日厚生労働省令第41号)および安全衛生技術試験協会の受験案内に基づきます。法令は改正されることがあるため、受験前に最新の法令テキストと協会公式サイト(https://www.exam.or.jp/)でご確認ください。

クレーン等安全規則の体系と主要条文番号

試験頻出の条文を番号と内容で整理しておくと、法令科目の学習効率が上がります。条文番号まで暗記する必要はありませんが、「どのような規定があるか」を把握しておくことが重要です。

テーマ 主要条文 概要
クレーンの設置届 クレーン則第5条 設置前に所轄労働基準監督署長へ届出(設置届)が必要(工事開始30日前まで)
使用検査 クレーン則第6条〜 設置届提出後、使用開始前に性能検査(使用検査)を受ける
クレーン検査証の有効期間 クレーン則第12条 クレーン検査証の有効期間は2年
性能検査・更新 クレーン則第41条〜 有効期間満了前に性能検査を受け、検査証を更新する
年次自主検査 クレーン則第34条 1年以内ごとに1回、定期自主検査を実施し記録を3年間保存
月例自主検査 クレーン則第35条 1か月以内ごとに1回の点検を実施
悪天候後の点検 クレーン則第36条 暴風後・地震後は使用前に点検を実施する
過負荷の禁止 クレーン則第24条 定格荷重を超える荷の吊り上げを禁止
ワイヤロープ安全係数 クレーン則第214条 巻上げ用ワイヤロープの安全係数は5以上
フックの安全係数 クレーン則第212条 フックの安全係数は3以上
クレーン台帳 クレーン則第32条 クレーン台帳を作成し保管する義務がある

出典:クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)

「届出」「検査」「免許」に関する数字の整理

法令科目では数字(荷重・回数・期間)を問う問題が多く出ます。混同しやすい数字を一覧で整理します。

項目 基準値
クレーン・デリック運転士免許が必要なつり上げ荷重 5t以上
特別教育のみでよいつり上げ荷重 0.5t以上5t未満
クレーン設置届が必要なつり上げ荷重 3t以上
製造許可が必要なつり上げ荷重 3t以上(スタッカー式クレーンは1t以上)
クレーン検査証の有効期間 2年
定期自主検査の記録の保存期間 3年
年次定期自主検査の周期 1年以内ごとに1回
月例定期自主検査の周期 1か月以内ごとに1回

出典:クレーン等安全規則・労働安全衛生法施行令

頻出問題パターンと解法のポイント

法令科目では次のようなパターンの問題が繰り返し出題されます。

  • 「〇〇の場合に届出が必要か否か」型:つり上げ荷重3t以上・5t以上の区別を覚える
  • 「定期自主検査を何か月以内に行うか」型:年次(1年)・月次(1か月)の別を正確に覚える
  • 「ワイヤロープの安全係数は何以上か」型:巻上げ用(5以上)・人の運搬用(10以上)の別
  • 「誰の許可・承認が必要か」型:製造許可は都道府県労働局長・設置届は所轄労働基準監督署長・型式検定は厚生労働大臣

法令の問題は「正しいものを選べ」ではなく「誤りを選べ」という形式で出題されることも多いです。4つの選択肢が正しく、1つだけ数字や条件が異なって誤りが含まれているパターンに注意しましょう。

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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