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重油はボイラーで最も多く使われる液体燃料です。一級ボイラー技士試験では重油の種類(A重油・B重油・C重油)・各種性質(引火点・動粘度・残留炭素・硫黄分)の違いが頻出です。JIS K 2205を根拠に正確に覚えましょう。
重油の種類(JIS K 2205)
重油はJIS K 2205「重油」で1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分類されています。数字が大きいほど重質(高粘度・高残留炭素)になります。
| 種類 | JIS規格名 | 引火点(℃) | 動粘度(mm²/s・50℃) | 残留炭素(質量%) |
|---|---|---|---|---|
| A重油(1種) | JIS K 2205 1種 | 60以上 | 20以下 | 4以下 |
| B重油(2種) | JIS K 2205 2種 | 60以上 | 50以下 | 8以下 |
| C重油(3種) | JIS K 2205 3種 | 70以上 | 50超 | 規定なし(高い) |
ポイント:A重油・B重油の引火点は60℃以上、C重油の引火点は70℃以上です(JIS K 2205)。
重油の各種性質の詳細
引火点
引火点は可燃性蒸気が発生して点火源があれば着火する最低温度です(JIS K 2265で測定)。引火点が高いほど火災リスクが低い(安全側)。C重油の引火点が高いのは蒸発性が低い(重質油)からです。
動粘度
動粘度はある温度での粘り(流れにくさ)を示す値(単位:mm²/s またはcSt)です。C重油は常温では非常に粘度が高く(200〜400 mm²/s以上)、流動しにくいためバーナーへの供給前に加熱して粘度を下げる必要があります。
- 加熱目標:バーナーチップへの供給温度はC重油で通常80〜100℃程度(燃料の種類・バーナー型式による)
- 過度な加熱は引火点以上になると火災・爆発の危険
- 加熱不足はアトマイズ(霧化)不良→不完全燃焼の原因
残留炭素
残留炭素は燃料を蒸発・分解させた後に残る炭素質の割合です。C重油は残留炭素が多く、バーナーチップや炉壁にすす・カーボンが堆積しやすくなります。これが不完全燃焼の原因になることがあります。
硫黄分
重油中の硫黄は燃焼してSO₂→一部SO₃→H₂SO₄(硫酸)となり、煙道・節炭器・空気予熱器で低温腐食を引き起こします。環境規制(大気汚染防止法)により硫黄分の上限が設けられています。
- A重油:硫黄分 2.0%以下(JIS K 2205・一般的な規格値)
- C重油:硫黄分 3.5%以下(同)
水分
水分が多いと燃焼の不安定化・バーナー振動・未燃分増加の原因になります。タンク底部に水が溜まりやすく、定期的なドレン抜きが必要です。
流動点
流動点は燃料油が流動できる最低温度です。C重油は流動点が高く(0〜30℃程度)、冬季は配管・タンクの加熱保温が必要です。
重油の予熱と取り扱い
C重油は高粘度のため、以下の予熱設備が必要です。
- サービスタンク加熱:タンクコイルで40〜60℃程度に予熱して流動性を確保
- バーナー前加熱(ヒーター):圧力霧化バーナーでは80〜100℃程度に加熱して噴霧粒径を細かくする
- 配管伴熱:配管沿いにスチームトレースまたは電気ヒーターを設けて凝固を防ぐ
A重油とC重油の使い分け
| 項目 | A重油 | C重油 |
|---|---|---|
| 粘度 | 低い(予熱不要または小規模) | 高い(80〜100℃に予熱必要) |
| 硫黄分 | 少ない | 多い(低温腐食リスク大) |
| コスト | 高め | 安め |
| 使用規模 | 小〜中型ボイラー | 中〜大型ボイラー |
試験対策ポイント
- A重油・B重油の引火点は60℃以上、C重油は70℃以上(JIS K 2205)←最頻出
- 動粘度はC重油が最も高い→バーナー前に80〜100℃に加熱
- 硫黄分→低温腐食(SO₂→SO₃→H₂SO₄)の原因
- 残留炭素→すす発生・バーナーカーボン付着の原因
まとめ
- 重油はJIS K 2205でA(1種)・B(2種)・C(3種)に分類
- C重油の引火点70℃以上・A重油は60℃以上
- C重油は高粘度で予熱が必要・硫黄分多くて低温腐食リスク大
- 残留炭素が多いほどすす・カーボン堆積が多くなる
出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・ボイラー構造規格・JIS B 8223・安全衛生技術試験協会 公表試験問題
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月
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