ガス燃料の性質と種類(都市ガス・LPG・ガスバーナー)

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一級ボイラー技士試験の「燃料及び燃焼」科目では、ガス燃料の性質・種類・燃焼特性が繰り返し出題されます。都市ガスとLPGの違い、ガスバーナーの構造を整理しておくことで得点源にできます。

ガス燃料の分類

ガス燃料は製造方法・組成によって大きく3種類に分類されます。

種類 主成分 発熱量(MJ/m³) 特徴
都市ガス13A メタン(CH₄)約90% 約46 パイプライン供給・空気より軽い(比重0.65)
LPG(液化石油ガス) プロパン(C₃H₈)・ブタン(C₄H₁₀) 約94〜121 ボンベ・タンク供給・空気より重い(比重1.5〜2.0)
コークス炉ガス 水素(H₂)・メタン(CH₄)・CO 約18〜20 製鉄所副生ガス・工業用

都市ガスの種類と規格

日本の都市ガスはJIS K 2301(燃料ガス及び天然ガスの試験方法)とガス事業法に基づき規格化されています。13Aが最も普及しており、主成分はメタン(約90%)です。

  • ウォッベ指数(Wobbe Index):ガスの相互互換性を表す指標。ウォッベ指数が同じガス同士は同じバーナーで使用可能。W = Hh / √d(Hh:高発熱量、d:空気に対する比重)
  • 比重:都市ガス13Aの比重は0.65(空気=1)。漏洩した場合は上部に滞留するため、ガス検知器は天井付近に設置
  • 燃焼範囲(爆発限界):メタンの空気中爆発限界は5〜15vol%。この範囲内に空気とガスの混合が入ると燃焼・爆発が起きる

LPG(液化石油ガス)の性質

LPGはJIS K 2240(液化石油ガス)に規定されます。プロパンとブタンの混合物で、常温・高圧で液化して貯蔵・輸送されます。

  • 比重:気体比重は1.5〜2.0(空気より重い)。漏洩した場合は床面に滞留するため、ガス検知器は低い位置に設置
  • 発熱量:プロパンの総発熱量は約93.6 MJ/m³(都市ガス13Aより高い)
  • 燃焼範囲:プロパンの爆発限界は2.1〜9.5vol%(都市ガスより爆発下限が低く注意が必要)
  • 蒸発特性:外気温が低いと気化しにくくなる(ブタンは約−0.5℃以下で気化しにくい)。冬季はプロパン比率を高めた寒冷地仕様を使用

ガスバーナーの種類と構造

ガスバーナーは空気とガスの混合方式によって分類されます。

予混合式バーナー(全一次空気式)

燃焼に必要な空気(理論空気量)の全部または大部分をガスと事前に混合してから燃焼させる方式です。

  • 炎が短く青白い
  • 完全燃焼しやすい
  • 逆火(フラッシュバック)のリスクがある
  • 小型バーナーに多用

拡散燃焼式バーナー(外部混合式)

ガスと空気を分離して噴出し、燃焼しながら混合する方式です。

  • 炎が長く安定している
  • 逆火が起きにくい
  • 燃焼速度が遅く炎が長くなりやすい
  • 大型ボイラーに多用

部分予混合式バーナー

一次空気(理論空気量の一部)を予混合し、残りの空気(二次空気)は外部から供給する方式。予混合式と拡散式の中間的な特性を持ちます。

燃焼安全装置

ガスボイラーにはボイラー安全規則第28条〜第30条に基づき、以下の安全装置が必要です。

  • 火炎検出装置(フレームアイ・フレームロッド):燃焼中の炎を検出し、消炎時に燃料供給を自動遮断する
  • ガス遮断弁:異常時に燃料を自動遮断する電磁弁。停電時はフェイルセーフで閉となる(ノーマルクローズ型)
  • ガス圧力スイッチ:ガス圧が低下または過剰になった場合に燃焼を停止させる
  • プレパージ・ポストパージ:点火前に炉内換気(プレパージ)を行い、未燃ガスを排除する。消火後の換気(ポストパージ)も重要

理論空気量とガス燃料

ガス燃料の理論空気量は組成から計算できます。メタン(CH₄)の場合:

CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
メタン1 m³の燃焼に必要な酸素は2 m³、空気量は2 ÷ 0.21 ≈ 9.52 m³(空気中の酸素は約21vol%)。

都市ガス13Aの理論空気量は約11 m³/m³(ガス)が目安です。

ガス燃料の火炎特性と管理

  • 黄炎(サフラワーフレーム):空気不足で不完全燃焼のときに発生。ススが出て伝熱面を汚染する
  • 青炎:完全燃焼の証。空気比が適切な状態
  • リフティング(離炎):ガス流速がバーナーの設計速度を超えると炎がバーナー先端から離れる。燃焼不安定になる
  • 逆火(フラッシュバック):ガス流速が燃焼速度より遅くなると炎がバーナー内部に燃え込む。予混合式バーナーで起きやすい

試験で間違えやすいポイント

  • LPGは空気より重い(比重1.5〜2.0)→検知器は低い位置に設置
  • 都市ガス13Aは空気より軽い(比重0.65)→検知器は天井付近に設置
  • 爆発下限界はLPGの方が都市ガスより低い(LPG:2.1%、都市ガス13A:4.8%)→LPGの方が少量で爆発限界に達する

出典:ボイラー及び圧力容器安全規則・ボイラー構造規格・JIS規格
作成:fufumumu_design|更新:2026年11月

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