短期入所の委員会は3種類。虐待防止・身体拘束・感染対策の開催頻度と議事録の保管。

短期入所の委員会は3種類。虐待防止・身体拘束・感染対策の開催頻度と議事録の保管。 短期入所

短期入所には、虐待防止委員会・身体拘束適正化検討委員会・感染対策委員会の3つの委員会が義務です。開催頻度は、虐待防止と身体拘束が少なくとも1年に1回、感染対策がおおむね3か月に1回以上とされています。委員会の対応状況は記録し、5年間保存します。この記事では、短期入所の3つの委員会の根拠・頻度・構成・議事録の記録事項をまとめました。

3つの委員会の義務・開催頻度・記録の比較

先に3つを比較します。根拠はいずれも基準(平成18年厚生労働省令第171号)と解釈通知(障発第1206001号)です。

委員会 開催頻度(解釈通知) 記録の保存期間 解釈通知の参照先
虐待防止委員会 少なくとも1年に1回 5年間 第三の3の(31) p.71〜74
身体拘束適正化検討委員会 少なくとも1年に1回 5年間 第三の3の(26) p.63〜66
感染対策委員会 おおむね3か月に1回以上 記載なし 第四の3の(20) p.100〜104

表は当方が解釈通知の原文を整理したものです。出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)

感染対策委員会は、流行する時期を勘案して随時開催する必要もあります。「おおむね3月に1回以上、定期的に開催するとともに、感染症が流行する時期等を勘案して必要に応じ随時開催する必要がある。」(出典:同上 p.101)

虐待防止委員会は、少なくとも年1回・記録は5年間保存

虐待防止委員会の根拠は基準第40条の2(短期入所には第145条で準用)にあります。解釈通知は開催頻度と記録について、次のように示しています。「なお、虐待防止委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要である。」「なお、虐待防止委員会における対応状況については、適切に記録の上、5年間保存すること。」(出典:厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日) p.71〜72)

委員会の構成員については、管理者と虐待防止担当者(必置)が参画していれば最低人数は問わないとされています。「虐待防止委員会の開催に必要となる人数については事業所の管理者や虐待防止担当者(必置)が参画していれば最低人数は問わないが、委員会での検討結果を従業者に周知徹底することが必要である。」(出典:同上 p.71)

委員会には外部の第三者等も加えるよう努めることが求められています。「虐待防止委員会の構成員には、利用者やその家族、専門的な知見のある外部の第三者等も加えるよう努めるものとする。」(出典:同上 p.71)

法人単位での設置も可能で、事業所が複数ある場合は一つの委員会にまとめることができます。

身体拘束適正化検討委員会は、虐待防止委員会と一体化できる

身体拘束適正化検討委員会の根拠は基準第35条の2(短期入所には第145条で準用)です。開催頻度は「身体拘束適正化検討委員会は、少なくとも1年に1回は開催することが必要である」(出典:同上 p.65)とされています。

虐待防止委員会との一体的な設置・運営が認められています。「身体拘束等適正化検討委員会と関係する職種等が相互に関係が深いと認めることも可能であることから、虐待防止委員会と一体的に設置・運営することも差し支えない。」(出典:同上 p.65)

ただし、一体化して開催した委員会でも、身体拘束の記録・改善策の検討が議事録に含まれている必要があります。高知市の集団指導資料は不適切な事例として「身体拘束適正化及び虐待防止のための研修を一体的に実施しているが、両方の内容が含まれていない」と記録(委員会も同様の観点で指摘される)を挙げています(出典:高知市「令和7年度 集団指導資料」 p.14)。

身体拘束が0件であっても、委員会で「支援状況の確認」を行うことが令和6年の改正で追加されました。記録が0件だからといって委員会を開かない理由にはなりません。

感染対策委員会は、独立して設置するのが原則

感染対策委員会は、虐待防止委員会や身体拘束適正化検討委員会とは独立して設置するのが原則です。解釈通知は「感染対策委員会は感染に直接関係する職種のみで構成されるものではなく、幅広い職員が参加するものであることから、独立して設置することが原則」(出典:同上 p.101)としつつも、「各施設・事業所において、感染対策委員会と関係の深い会議体(給食委員会、衛生委員会、安全委員会等)と一体的に行うことも差し支えない」(同上)としています。

感染対策委員会ではおおむね3か月に1回以上の開催が必要で、インフルエンザや胃腸炎が流行しやすい冬季には随時の開催も求められます。短期入所では、宿泊中の利用者間で感染症が広がるリスクがあるため、感染発生時の早期対応手順(発熱者の個室対応・施設内のゾーニング・関係者への連絡)を委員会で確認しておくことが重要です。

3つの委員会の議事録に残す内容(当方の案)

以下は当方の整理です。指定権者の案内で追加の要件がある場合は、そちらに従ってください。

項目 虐待防止 身体拘束 感染対策
開催日・参加者 必要 必要 必要
期間中の件数・対応状況 必要(0件でも記録) 必要(0件でも支援状況の確認) 必要
再発防止・改善に向けた検討 必要 必要 必要
周知の方法・記録 必要 必要 必要
次回開催の予定 記録しておくと確認しやすい 記録しておくと確認しやすい 記録しておくと確認しやすい

表は当方の整理です。指定権者の案内で追加の記録事項が求められる場合があります。

委員会の開催記録がないと、運営指導で指摘される

委員会の記録がない、または開催していないことは、運営指導で指摘される事項の一つです。高知市の集団指導資料では、「法人で設置している委員会に事業所の職員が参加していない事例」が指摘事項として挙げられています。法人単位で設置している場合でも、事業所の職員が参加し、事業所の状況を委員会で扱っていることが求められます。

委員会の運営・記録・研修の詳細は、短期入所の研修義務の一覧と短期入所の運営指導で確認されることもあわせて参照してください。

当方の法定研修・訓練キット(短期入所版)では、3つの委員会の開催記録と議題案を作れます(有料版)。確認テストの誤答率が高い問題を議題案に自動で入れる機能があります。

この記事は、基準の条文(e-Gov法令検索の現行の条文)、国の解釈通知(障発第1206001号・最終改正 令和7年3月31日)、高知市「令和7年度 集団指導資料」の原文を確認して書いています(確認日:2026年11月1日)。所在地の指定権者(都道府県・市)の案内もあわせて確認してください。作成:fufumumu_design

この記事の出典

この記事を書いた人

業種別のツールを、一人で作っています。開業前の収支シミュレーター、法定研修キット、資格の問題集。どれも、厚生労働省の告示や調査の原文を自分で確かめてから数字を組み込んでいます。使う人が「この数字、合ってるか」と不安になるようなツールは作りたくないので。

上場企業で20年間、営業ひとすじ。電話営業・インサイドセールスから、約70名のチームのマネジメントへ。現場で「根拠のない数字」が判断を狂わせる場面を見続けてきたせいか、ツールを作るときも出典を確かめずにはいられません。

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